たしかにF1でもV10エンジンのサウンドを「歴代最高」とする人は多い
DRIVETRIBEが「なぜV10エンジンのサウンドは優れるのか」を解説した動画を公開。
V10エンジン搭載の車には現行だと「ランボルギーニ・ウラカン」「アウディR8 V10」、過去には「ポルシェ・カレラGT」「レクサスLFA」「ダッジ・バイパー」「BMW M5(E60)」「アウディRS6」等が存在し、いずれもそのエキゾーストサウンドには高い評価が与えられています。※実際に全部のクルマの音を聞いた中だと、レクサスLFAのサウンドが一番美しく、ウラカンのサウンドが最も豪快だと思う
V10エンジンは高回転型が多い
そんなV10エンジンですが、F1でも(主に)2000年から2005年にかけて採用されていたことがあり、F1の歴史を通じても「無限ホンダ製V10(MF351H)」「BMW製V10」エンジンのサウンドは格別、と言われます。
そこでDRIVETRIVEによる解説。
まずV10エンジンはV8に比較して、1気筒あたりの排気量が小さいということを挙げています。
1気筒あたりの排気量が小さいということは「ピストンが小さい」ということになり、それだけピストンが上下しやすいので「高回転化しやすい」ということにも。
ただ、これは一概に「そう」とは言えず、大排気量エンジンだと乗りやすさを重視して低回転向けのセッティングを行う場合も(たとえばダッジ・バイパーなど。初代の最高出力は5,200回転で発生していた)。
しかしV10の「高回転向き」というメリットを活かすために高回転型の設計をおこなう場合も多く(というかそのためにV10を選択している)、たとえばランボルギーニ・ウラカンの5.2リッターV10は8,250回転で最高出力(610馬力)を発生させ、レクサスLFAはなんと8700回転で最高出力560馬力を絞り出し、ポルシェ・カレラGTもピークパワーである612馬力を8,000回転で発生させています。※V8ツインターボを搭載するメルセデスAMG GTのピークパワーは6,000回転で発生
そんなわけで、V10エンジンのサウンドが優れるとされる理由としては、まず「高回転」だということですね。
V10エンジンは音の波形に優れる
そして次は「V10エンジンの(排気音として)発生するパルスが人の耳にとって心地よい、としています。
動画ではこれを「ROOT NOTE」=根音という言葉を使って説明。
V10エンジンは周波数が特徴的
そしてV10エンジンは10個のシリンダー内で爆発を繰り返しますが、その「10」が周波数的にいい、とのこと。
周波数とは単位時間内に繰り返される音を(音響の場合)指し、このバランスがいいということですね。
たしかに単気筒や2気筒のエンジンは独特の周波数がありますが、V10はV10でまた独自の周波数を持つ、ということになりそうです。
そしてその周波数によって構成される音波が、人の耳には「快音」として伝わりやすい、ということに。
まとめると、「高回転が可能」「パルスが強力」「周波数と音波が心地よい」。
ただし残念なのは、もうV10エンジンに未来がないこと。
ポルシェはカレラGTのみ、レクサスもLFA一代のみでV10エンジンを終了させ、アウディはもうV10継続を行わないと明言。
頼みの綱はランボルギーニのみ、という状況です。
それでは動画を見てみよう
こちらが、V10エンジンのサウンドが優れると思える理由を解説した動画、「Why V10 engines sound so good」。
こちらはランボルギーニ・ウラカンの事故車を蘇らせる段階にて、「エキゾーストシステムなしで」走らせてみた動画。
マフラーなしのV10はこんな音が出るということですが、音質自体は「マフラー付きのウラカンと同じ(音量は違うけれど)」。
つまりウラカンの場合は周波数に細工をしたりせず、V10サウンドをありのまま聴かせているのだということになりそうです。