| ポルシェ944はFRの手本と言われたクルマだった |
一時は価格が高騰し、700万円以上の値を付けたポルシェ944 S2カブリオレが290万円という安値で落札。
売り主によると、このクルマはヒューストンのポルシェディーラーにて新車で購入され、日常の足として乗られながらもずっと屋内にて保管されていた、とのこと。
そしてつい6ヶ月前に今回の売り主(中古車ディーラー)に売却されたものだそう。
コンディションは悪くないはずだが
ボディカラーはチタニウムメタリック、ソフトトップはブラック、インテリアはオフホワイトのパーシャルレザー。
エンジンは3リッター直4(211PS)、トランスミッションは5速マニュアル、そして走行距離はわずか24,140キロ。
なお、このポルシェ944 S2についてはフューエルポンプ交換、ブレーキマスターシリンダー交換、ブレーキシステムのオーバーホール等が行われているそうですが、そろそろタイミングベルトを交換する時期には来ているようです。
インテリアについてはブラックのダッシュボードやドア内張り上部、マットなどがブラック、逆に室内下部とシートはオフホワイト。
トランク内部もオフホワイトで、カバーやパンク修理キットなども付属。
全般的に、かなり大事に乗られてきたであろうこともわかります。
リアのシートベルトはかなり独特(ナナメではなく左右に通す)。
ポルシェは過去に924、944、968、928といったトランスアクスルレイアウトのFRスポーツカーを作っており、非常に高い評価を得てはいたものの、「911」というビッグネームの影に隠れ、どうしてもメジャーになれなかったのも事実。
ただ、いずれのモデルも「これがポルシェからではなく、ほかメーカーからの登場であれば、間違いなくそのメーカーを代表するモデルになっていただろう」というほどの実力を持っていたことは間違いなく、単に「ポルシェから発売された」のが悲運だった、としかいいようがありません。
なお、マツダ・サバンナRX-7(FC3S)がポルシェ924や944にちょっと似ていたことから「プアマンズ・ポルシェ」という不名誉な呼称を頂戴することとなっています。
そしてもう一台、ポルシェ944の売り物も
上の944 S2とはほかに、1990年モデルの944 S2も販売中。
944自体は1982年から1991年にかけて製造されていますが、944 S2カブリオレは3,938台が生産されたのみ。
こちらの944 S2もワンオーナーでコンディションに優れ、走行距離はわずか7,259キロ。
おそらくは「もっとも走行距離が少ないポルシェ944 S2ではないか」と言われますが、それでも販売価格は440万円ほど。
ボディカラーはクリスタルシルバー、インテリアカラーとソフトトップはマリンブルー。
なお、この角度からリアシートを見ると、ここに座るのは「絶望的」。
トランスミッションはMT。
これまでの相場であればもっと高い値段でも良さそうですが、この価格で取引されているのはかなり意外です。
それでも、1990年のクルマでこれだけの価値を誇るというのは稀な例であり、同じポルシェでも「初代ボクスター」はこの半分くらいの価格。
それをを考えると「やはり944の価値は(下がったとはいえ)まだまだ高い」のかもしれません。
リアトランク内にはパンク修理キットのかわりにスペアタイヤ。