| ほかにもルノー、アルファロメオとの可能性もゼロではない |
定期的に出てくる、トヨタMR2復活のウワサ。
今回はCar and Driverがそのリバイバルを報じていますが、トヨタは新型スープラの発売に確かな手応えを感じており、これによってMR2復活の現実性が高まったものの、「2024年までには登場しないだろう」とのこと。
この(2024年になる)理由は不明ですが、新型スープラの開発開始が2014年、発売が2019年であったということを考えるに、「今からMR2の開発を開始しても」やはり2024年になるというのはじゅうぶんに理解できるところです。
トヨタは単独でMR2を復活させることはなさそうだ
加えて同メディアは「MR2についてもトヨタは他の自動車メーカーと共同開発を行うだろう」と述べ、しかしその相手は「わからない」。
実際にトヨタは86をスバルと共同開発し、スープラもBMWとの共同開発。
この理由としては「スポーツカーを持つのはブランドとして必須だが、台数が出ないため、独自で開発するとコストが高くなり、とても販売できる値段にならない」から。
そこでMR2を共同開発するパートナーはどこになるのかということですが、そもそもミドシップスポーツを作っている会社は少なく、スーパーカー以外だとポルシェ(718ボクスター/ケイマン)、ルノー(アルピーヌA110)、ロータス(ミドシップしか無い)、アルファロメオ(4C)くらい。
これ以外にも、今はミドシップスポーツを持たなくとも「ミドシップスポーツを作りたいものの、自社だけで開発するのはちょっと」と考えているメーカーがあれば、トヨタと手を組む可能性も(今からミドシップスポーツに参入しようという奇特なメーカーは少なそうですが)。
ポルシェとトヨタとが手を組む可能性は
よって現在ミドシップスポーツを作っているメーカーとトヨタとの提携可能性を考えてみようと思いますが、まずはポルシェ。
そもそもスープラはポルシェ718ケイマンを仮想ライバルとしており、ル・マンにおいてもポルシェと激しい戦いを繰り広げたという関係ではあり、しかし実はトップ同氏はお互いに会談したこともあるという「遠からぬ仲」。
よって両社が手を組む可能性はゼロではないと思いますが、これはポルシェにとってメリットのある話ではなく、たとえトヨタMR2の生産を請け負うことでトヨタからお金を受け取ることができたとして、それでもポルシェにとっては「工場の生産設備を圧迫するだけなのでメリットなし」。※ポルシェは”売れすぎ”でそもそも工場に余剰はなく、今でも生産を外部に出しているくらい
よってポルシェとトヨタという線は無いだろう、と考えています。
トヨタとルノーとが共同戦線を張る可能性は
そして次はルノーですが、現在ルノーは日産とのアライアンス関係にあるので、トヨタと手を組むかどうかは疑問(ただしルノーは他社のOEM生産を行ったり、と他社との協業には前向き)。
ただ、ここでトヨタとルノーとが手を組めば、日産はダイハツとのコネクションを獲得できることになり、今後の軽自動車の展開にも活路を見いだせるものの、すでに日産は三菱を手に入れてしまったので、これもさほどメリットを感じないかもしれません。
ロータス✕トヨタの可能性は高い
そしてロータスとの協業ですが、これはもっとも「アリ」だと考えています。
そもそもトヨタはロータス向けに1.8リッター4気筒エンジン(エリーゼ/エキシージに搭載)、3.5リッターV6エンジン(エヴォーラに搭載)を供給していますし、そもそもトヨタはロータスの株式を一部所有していて(今はどうかわからない)、2代目セリカXX(1981年)開発時にはロータスが協力し、CMにはロータス創業者であるコーリン・チャップマン氏が登場したことも知られています。
さらにロータス・エクセルはトヨタのパーツを多く採用し、エスプリにはハチロクのテールランプが使用されていた時期も。
そしてトヨタは「2025年以降、すべてのクルマをエレクトリック化する」とも発表していますが、ロータスも今後エレクトリック化を進める意向であり、この点でもトヨタの方向性とマッチするのでは、と思います。
ただ、当時と現在で事情が異なるのは、「ロータスが中国の吉利汽車に買収されてしまった」ということ。
よって、トヨタと力を合わせるかどうかの決定権はロータスではなく吉利汽車に移ってしまったわけで、ここは「ナントモ」な部分です。
アルファロメオとの協業可能性も排除できない
そしてアルファロメオとの共同開発について、これも「意外とアリ」。
というのもアルファロメオは今後「ハンドリング重視のブランド」へ移行するとも発表しており、ミドシップスポーツ「8C」を発売する計画を持っています。
これは「ハイブリッド」を採用する言われ、トヨタの方向性ともマッチしているため、新型8Cと新型MR2が兄弟車になる可能性も否定できない、ということですね。
ただ、8CとMR2とでは車格が違いすぎ、ここは懸念となりそうな部分だと言えそう。