| ポルシェ944はじめ、あの時代の「トランスアクスルレイアウト」スポーツカーは見直される機運にある |
これまでにも「現代版カウンタック」など様々なレンダリング(を作成する動画)をアップしてきたカーデザイナー、スケッチモンキー氏。
今回はポルシェの名作、「944」を現代風にアレンジした動画を公開しています。
ポルシェ944は「924の後継」として企画され、1983年から1991年にかけて製造されたFRスポーツ。
エンジンは924と同じく4気筒ではあるものの、944ではフォルクスワーゲン製ではなく「ポルシェ製」となっています。
非常にバランスの良いスポーツカーとして知られ、「世界で最もハンドリングに優れる」という評価がなされたこともあり、「FRのお手本」としても名高いクルマ。
その理由のひとつとしては、トランスミッションをリアアクスル前に設置する「トランスアクスルレイアウト」が挙げられ、これによって前後の重量配分が理想的な数値となり、後輪にもトラクションがかかりやすくなっています(コストが掛かったり、振動や騒音、室内が狭くなるという問題があるため、多くのメーカーはこれを採用しない)。
そしてどうしても「911」という偉大なスポーツカーの影に隠れてプレゼンスが弱かったのも事実で、しかし近年になって「718ボクスター」「718ケイマン」といった911以外のスポーツカーも認知されるようになり、そういった影響なのか「944などのトランスアクスルレイアウトのFRポルシェも実はいいクルマなんじゃないか・・・」という感じで再評価がなされています。※下の画像は最後のトランスアクスルFRでもある968
現代版「ポルシェ944」はこうやって作る
そしてここからがスケッチモンキー氏による「現代版ポルシェ944」作成過程ですが、こちらはオリジナルの944。
各部をチェックし、ここを現代風にするというところをピックアップ。
そしていったんツルツルに。
人間でも「のっぺらぼう」は怖いですが(それは人間とは言わないか)、クルマでもやはりのっぺらぼうが怖いということを改めて知った次第です。
現代ポルシェには欠かせない、「左右連結型テールランプ」。
タイヤの扁平率も下げ、ホイールは大きく。
そしてリアディフューザーを追加して細部を調整して完成。
リアバンパーの「PORSCHE」文字がぼやけているのは、「大人の事情」なのかもしれません。
なお、先日「トヨタMR-2にフェラーリのリアディフューザーを取り付けてみた」カスタムカーを紹介しましたが、大きなリアディフューザーを取り付けると、それだけでイマ風になるようにも思います。
こちらが新旧比較。
近代のクルマ(特にスポーツカー)は、リアにおいて「ウェッジシェイプ」「幅広」を強調する傾向にあり、よってナンバープレートやリアディフューザー、プレスラインの位置が高くなり、テールランプも薄く、長く、そして上の方に持ち上げられる傾向にあるようですね。
もはやポルシェが「FRスポーツ」を作ることはないと思われるものの(これからはエレクトリックの時代なので、エンジン搭載位置や駆動方式という考え方が無意味になる)、”ぜひ復活させてほしかった”のが944でもあります。
VIA: TheSketchMonkey