| すでに長城汽車とは提携済み、中国政府からも工場建設の許可を取得 |
ミニ・ブランドの代表、ベルンド・コーバー氏が英国トップギアに語ったところによると、「次世代ミニは小さくなる」とのこと。
どのモデルがどれくらい小さくなるのかについて言及はなく、しかし「小さくなったとしても、室内空間は今と変わらない」ともコメント。
これを可能にするのが新しい「エレクトリック専用」プラットフォームであり、ミニは今後これを使用することで「小さくても中が広い」クルマを実現するようですね。※これについては過去にも言及されたことがある
ミニ「将来のミニは、現行モデルよりいずれも小さくなる。エレクトリック化は賢く行えば、スペースを犠牲にせずボディを小型化できるのだ」
エレクトリック・ミニは中国製に
なお、この新世代ミニについては中国の長城汽車との協業によって開発されることになり、すでに中国政府から合弁と工場建設の許可がおりているとされ、現在の予定では2022年に生産開始。
つまりミニは2022年から「中国産になる(ほか地域にエレクトリックミニの工場建設はアナウンスされていない)」とも考えられますが、今後はミニ含む各メーカーにおいて「中国製のクルマ」が輸出されることになるのかも。
とくにエレクトリックモデルの場合、バッテリー生産地が中国となる可能性が高く、それを考慮すれば「中国で生産するのが合理的」。
ただし中国生産には品質面にて不安が残り、現時点では、ほとんどのメーカーが「中国で生産したクルマは(品質面での理由で)中国国内専売」としているものの、ボルボは「すべて中国製」へとシフトする意向(どの程度まで進んでいるのかはわからない)。
そして中国の工場においても珠玉混交で、上海など経験豊富なワーカーのいる地域で生産したクルマは品質がよく、そうでない地域のくクルマは「中華品質」だとも言われます。
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現時点では「中国製ミニ」が信頼に足る品質を持つのかどうかわからないものの、それしか選択肢がなくなるのであれば、BMWの品質管理能力に期待をかけるしかないのもまた事実。
なお、ブリグジットやデトロイトでの工場閉鎖に伴い、それら工場で働いていた人々を(ベストキッドみたいに)中国へと”輸出”して品質を確保する可能性も考えられます。
ミニはEV化によって、そのルーツに回帰
なお、ミニはオイルショックによって大型車が敬遠されるようになった時代に、そして小型車というと「ひどい乗り心地と狭い車内を持つ」クルマしかなかった時代に、「コンパクトであっても、家族全員が乗れる室内スペースを持ち、燃費もいい」クルマとして誕生。
そのためにはエンジンとトランスミッションを重ねて配置したり、小径タイヤを使用したりという工夫があり、これらが現代にも続くコンパクトカーの「源流」になったわけですね。
そしてEV化に際しては、ふたたび「コンパクトなボディサイズ」と「広い室内」という相反する要素を実現すると思われ、まさに”原点に立ち返った”クルマとなりそうです(ミニは、MINI COOPER S E 発表時にも、原点回帰について少し触れている)。
ちなみに、先日発表された”エレクトリックミニ、”ミニクーパーS Eにつき、一回の満充電当たり走行可能距離は183km。
これはかなり短い数字ですが、その車格上、あまり価格を高く設定することはできず、やむをえずバッテリー容量を抑えることになったものと考えられます。
ただ、次世代のエレクトリックミニは240キロ程度の航続距離を持つといい(これでも長くはないですが)、これはミニの調査によって導き出された「ミニオーナーにとって必要十分な距離」だそう。
ミニ初のEV、ミニクーパーS Eの価格とスペック発表!邦貨換算で約335万円、航続可能距離は約183km。ほかブランドのEVに比較するとコスパ、ユーティリティに劣るようだ
ただ、ミニは「2030年までは、エレクトリックモデルと並行してガソリンエンジン搭載モデルも作り続ける」とコメント。
これについては「同じモデルを、EV/ガソリン並行して生産」するのか、「特定モデルはEVに、別のモデルはガソリンのまま」なのかは判明せず、続報を待ちたいところですね。
VIA: Top Gear