| ただしホンダが懸念するのは「買う人がいるのかどうか」 |
ホンダは初のエレクトリックカー「ホンダe」を発表していますが、ホンダeのアシスタント・プロジェクト・マネージャーが英国Top Gearに語ったところによると、「ホンダeのタイプR版は”あり得る”」とのこと。
同氏によると、「タイプRはホンダにとって、重要な資産だ。我々は全モデルにタイプRを設定したいと考えているほどだが、それが可能かどうかは消費者が求めるかどうかによる。ホンダeのポテンシャルについて言えば、プラットフォームそしてモーターやタイヤなど、ハイパワー化に耐えることができる」。
ホンダは以前、ホンダeの”タイプR”を否定していた
なお、ホンダe発表当時(2019年9月)、ホンダeプロジェクトリーダーである人見康平氏が「ホンダeにタイプRはない」ともコメントしていて、今回の報道とは矛盾が存在。※ホンダeのコンセプトは「インテリジェント」「経済性」であり、これがタイプRの方向性とはマッチしないという理由
なぜこういった意見の相違が生じたのか、その真相についてはわからないものの(社内でも意見が割れているのかも)、もしホンダeにタイプRが登場すればホンダ初、そして世界初の「エレクトリックホットハッチ」が誕生するということになりそうです。
なお、ホンダeはシングルモーターを搭載し、134馬力版と152馬力版とが存在し、現段階でのスペックは0-100キロ加速8.3秒。
この数字だけだとなんら感銘を受けるものではありませんが、重要なのは「後輪駆動」そして「前後重量配分50:50」ということ。
このポテンシャル、そしてプロトタイプをテストしたジャーナリストの意見を鑑みるに、タイプRが実現すれば”かなり楽しい”クルマになるのは間違いなさそうです。
懸念は「重量」「価格」
ただ、やはり懸念もあって、それは重量と価格。
現在ホンダeは35.5kWhバッテリーを積み、航続可能距離は約220km。
「タイプR」となると出力を向上させる必要があり、しかもサーキットを数周は走れるだけのバッテリーが必要で、となると現在のバッテリーパックよりも大きなものを搭載して車体重量も増加することに。
いかにパワーアップのためといえど「標準モデルよりもずっと重量が重い」のはタイプRとして認めないという向きがあるかもしれず、これは大きな問題だと言えそう。
加えてバッテリーが大きくなるとそのぶん価格も大幅にアップすることになり、現在の「約350万円」から一気に(足回り等のチューニングも必要なので)500万円以上になる可能性も。
そうなるといったい「誰が買うの」という話になり、結局は上で述べたとおり「消費者が買うかどうか」という問題に行きあたり、「やっぱりタイプRはやめとこうか・・・」ということになりそうです。
ホンダが久々の後輪駆動車を発表!ただしEVの「ホンダe」。重量配分は50:50、サイドカメラ装備、内装のモニターサイズは合計54インチ