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マクラーレン「スーパーカーは軽量化競争の時代に突入した。これに勝利するのは我々であり、準備は整っている」

2020/05/03

| ハイブリッド時代では軽量化がモノを言う |

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マクラーレンCEO、マイク・フルーイット氏によると、「マクラーレンはこれから軽量化にトッププライオリティを置く」とのこと。

スーパースポーツというと「馬力競争」が厳しい状況となっているものの、同氏は「今後は軽量化競争がスーパースポーツにおける新たな戦場になる」と予想しているようで、これまで以上に軽量化に対して注力してゆくようですね。

なお、マクラーレンはスーパースポーツカーメーカーとしては先陣を切って「量産ハイブリッドスポーツ」を発売することになりそうですが、そこで気になるのが”バッテリー重量”。

ハイブリッドとなるとどうしても増加してしまう重量、それによってスポイルされる運動性能を取り戻すために軽量化を最重要課題として取り組んでゆくということになりそうです。

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マクラーレンはすでに「最軽量」に近いスーパースポーツカーメーカー

なお、マクラーレンがこれまでに軽量化をないがしろにしていたかというとけしてそうではなく、むしろ他のどこよりも軽量化に余念がなかったメーカー。

とくに「LT」シリーズでは軽量化が徹底されていて、最新の765LTだと720S比で80kgも軽量化されています。

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600LTにおいては96kgも(570S比で)軽量化されることとなっていますが、「LT」における軽量化手法はここで確立されたと考えて良さそうで、その方法としては内外装のカーボンパーツ採用にはじまり、エキゾーストシステム、ホイール等実に様々です。

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そしてもともとのベース車両が重いかというと、これもそうではなく、たとえばマクラーレン720Sの重量は1,419kg、570Sの重量は1,440kg。

フェラーリF8トリブートは1,570kgなので、マクラーレンは元来かなり軽い車だと言えそうですね。

これに加え、今回、マイク・フルーイットCEOは「次世代のマクラーレンにとって軽量化が戦略の中心になる」と述べ、「我々はすでにそのクラスでは最軽量だが、今後発表するハイブリッドモデルについても、環境性能とパフォーマンスとを最大化する」とも語っており、新しいスポーツシリーズについては相当な期待がかかります。

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なぜマクラーレンは軽いのか

マクラーレンのクルマが「軽い」のは、他メーカーとは異なってカーボンファイバー製のモノコックシャシー(カーボンモノセルII)を採用していることが大きいとは思いますが、それ以外にもF1コンストラクターならではの「合理的」な設計も高く寄与していると考えていて、実際にローリングシャーシを見ると、各コンポーネントが「最短」距離で接続されていること、各ハーネスやパイプ(エキゾーストシステム含む)の取り回しも最短となっており、それらの重量が抑えられていることもわかります。

一見して「これは普通のクルマとは根本が異なる」ということが直感的にわかるのがマクラーレンだということで、軽量化については「小手先」ではなく、その基本的構造からして徹底して追求がなされているということですね。

この理由としては、やはりフェラーリ、ランボルギーニとも創業以来のノウハウに基づいた設計を大事にしているのに対し、マクラーレンは創業が浅いゆえに「過去」がなく、かつアナログの時代を飛び越えてデジタルの時代に誕生したクルマ。

トランスミッションについても「MT」がもともと考慮されておらず、各コンポーネントもカーボンモノセルの採用を前提に考えられていて、つまりは「それまでの資産がなく、流用や継続できるパーツ/コンポーネントがないからこそ」ゼロベースで、そして現代の技術のみで構成されたクルマを設計できたのだと考えています。

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マイク・フルーイットCEOはさらに「ガソリンだろうがハイブリッドだろうがピュアエレクトリックだろうが、マクラーレンにとって軽量化は最重要課題だ。そのためにマクラーレン・コンポジット・テクノロジーセンターには多大な投資を行っており、我々は軽量化競争に勝利するだろう」と続けており、カーボンファイバーをはじめとする複合素材が「軽量化戦争への勝利の鍵」であるのは間違いなさそう。

ハイブリッド化された時代のスーパーカーにおいては「いかに軽くできるか」が重要となるのは言うまでもなく、しかしハイブリッドにおける軽量化は「パーツやコンポーネントを軽くする」以外にも「構造を見直す」という方法も。

つい先日、マツダはハイブリッドスポーツに関わる特許を出願していて、これは「フロントに積んだエンジンで後輪を駆動し、車体中央に積んだバッテリーで前輪を駆動する」という、一見すると無駄のように見える構造。

ただし細部を見てみると、「実はこのほうが効率的」ということもわかり、軽量化のために複雑化するという”矛盾した”傾向があるのも「ハイブリッド時代」の一つの特徴なのかもしれません。

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