
| マクラーレンのV8が今後、どのような形で生き残るのかはわからない |
そして現行V8モデルの後継がどうなるのかについても不透明である
さて、マクラーレンの「純ガソリンエンジン車」がついに生産終了。
日本向けとしては6月の生産をもって「V8ガソリンエンジンのみ」で走る車両の製造が打ち切られることになりますが、つまるところ「それまでに注文しておかないと、もう新車でマクラーレンの純ガソリンエンジン車を購入できない」ということに。
そしてこの後継は「ハイブリッド」ということになりそうではあるものの、現段階では「マクラーレンのV8ハイブリッド」についての情報は何もなく、となるとしばらくはアルトゥーラのみで生き抜かねばならないのかもしれません(ちょっと心配)。
ちなみにマクラーレンは資本が代わっており、経営者層も一新されているのですが、そこから新しい動きはほとんど見られず、プレスリリースの発行頻度も下がってしまって存在感が徐々に交代しているようにも思えます。
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マクラーレンのV8エンジンの歴史
それはともかくとして(経営に関することは考えても仕方がないので)、ここで現代マクラーレンの採用するV8エンジンに関する歴史を掘り下げてみましょう。
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現代マクラーレンV8の出発点(MP4-12C)
● M838T(3.8L V8ツインターボ)
- 初登場:2011年 MP4-12C
- 排気量:3.8L
- 形式:V8 DOHC ツインターボ
- クランク:フラットプレーンクランク
- 設計:マクラーレン主導
- 製造:Ricardo(イギリス)
技術的特徴
- 超コンパクト設計
- 乾式サンプ
- 高回転・低慣性
- ターボでもレスポンス重視
- 「自社専用エンジン」として開発された最初のユニット
当時はフェラーリがNAからターボへ移行する時期ではありましたが、マクラーレンは最初から“ターボ前提”で車体そのものから設計していたのが大きな特徴です。
進化型:M838TQ(3.8L)
● M838TQ
- 搭載車種:
- 650S
- 675LT
- 初代 570S / 540C
- 基本構造はM838Tを踏襲
- 冷却系・ターボ・ECUを改良
特に675LTでは:
- レブリミット引き上げ
- 排気系軽量化
- スロットルレスポンス向上
「同じ3.8Lでも全く別物」と言われるほどの進化を見せており、ここからマクラーレンの評価も大きく向上しています。
排気量アップ:4.0L V8へ(M840T)
● M840T(4.0L V8ツインターボ)
- 初登場:2017年 720S
- 排気量:3,994cc
- ボアアップ+ストローク変更
- 完全新設計に近い進化
主な改良点
- トルク向上(低回転から力強い)
- 冷却性能の大幅改善
- 耐久性アップ(特にサーキット使用)
搭載車種
- 720S / 765LT
- 600LT
- 570GT(後期)
- GT
- Speedtail(V8+ハイブリッド)
- Elva
- Sabre など
この4.0L V8がマクラーレンV8の完成形と言っていい存在でもあり、さらにマクラーレンの評価を高めることとなっています。
マクラーレンV8の思想的特徴
● フラットプレーンクランク
- フェラーリと同じ思想
- 高回転・鋭いレスポンス
- 甲高いエキゾーストノート
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● 軽量最優先
- エンジン単体重量:約200kg前後
- シャシーとの一体設計(カーボンモノセル前提)
● 他社との違い
| メーカー | 特徴 |
|---|---|
| フェラーリ | NA→ターボ移行 |
| AMG | 大排気量・クロスプレーン |
| マクラーレン | 最初から小排気量ターボ |
マクラーレンの現在とこれから(V8の位置づけ)
- Artura以降はV6+ハイブリッド
- ただし:
- 750S後継、765LT後継、特別モデルでは V8は今後も存続
マクラーレン自身も以下のように明言していますが、V8エンジンがどのような形で(搭載モデルの販売が限定されるのか等)生き残るのかは現時点では不明です。
「V8はブランドのコアだ。それは間違いない」
まとめ(要点)
- マクラーレン市販車のV8は 2011年から
- 全て 自社専用設計+Ricardo(リカルド)製
- 3.8L → 4.0Lへ進化
- フラットプレーン×ツインターボ
- 軽量・レスポンス最優先のF1的思想
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