
| マクラーレンは「斜め上」の技術にて走りを追求 |
この記事の要約(マクラーレンの狙い)
- 「音」を情報源に:単なる擬似エンジン音ではなく、パワー配分やタイヤの空転を「音の定位」でドライバーに伝える。
- ステレオ効果の活用:左輪が滑れば右側の音を強めるなど、トルクベクタリングを可視化(可聴化)する。
- 背景に巨額投資:アブダビのCYVN傘下となり、中国EV大手「NIO」の先端技術を融合させる可能性。
- ガソリン車への敬意:当面はV8ハイブリッドを主力としつつ、EVでは全く新しい「操る楽しさ」を模索。
EVの弱点「インフォメーション不足」を音で解決する
”EVは速い。”
しかし、あまりにも静かでスムーズすぎるがゆえ、限界付近で「タイヤがどれだけ踏ん張っているか」を感じ取りにくいという課題が指摘されるのも事実です。
そこで今回マクラーレンがUSPTO(米国特許商標庁)に申請した特許は、この問題を「音」で解決しようとするものであり、ヒョンデがアイオニック5 Nにて「シフトチェンジの振動と音」を再現してファンを驚かせましたが、マクラーレンのシステムはより「車両運動との同期」に特化しているというわけですね。
-
-
【下剋上】シャオミ SU7ウルトラがニュルでポルシェの記録を更新できたのは「パワー」だけではない?専門家が驚きの車両制御技術を分析【動画】
Image:Xiaomi | シャオミ SU7 ウルトラがニュルで見せた驚愕の真実とは | この記事の要約:3つのポイント 王座奪還: 7分04秒957を記録。ポルシェ・タイカン・ターボGTを3秒近く ...
続きを見る
詳細:マクラーレン流「3D音響フィードバック」の仕組み
このシステムは、車体の挙動に合わせて音を「前後左右」に移動させます。
- トルクの可聴化:例えば右コーナーで左外輪に大きなトルクがかかっている時、音も左側から強く鳴るように設定。ドライバーは耳を通じて「今、どこにパワーがかかっているか」を直感的に理解できる。
- スリップの警告:特定のタイヤがグリップを失いかけると、その位置からノイズや特定のトーンを発生させ、視覚や触覚よりも早くドライバーに限界を知らせる。
- 前後配分の変化:加速・減速時のピッチングに合わせて音が前後へ移動。これにより、EV特有のフラットな乗り味に「奥行き」を与える。
競合他社のEVサウンド戦略
| メーカー | アプローチの特徴 |
| マクラーレン | 機能重視:グリップやパワー配分を音の定位(3D)で伝える |
| ヒョンデ (N) | 演出重視:内燃機関のシフトショックやエンジン音を完璧に再現 |
| ポルシェ | エモーショナル:タイカン等で、未来的な「電気の咆哮」を合成 |
| ランボルギーニ | ドラマチック:V12の咆哮を彷彿とさせる、振動を伴う大音響 |
【新しい気づき】マクラーレンと「NIO」の密接な関係
今回の特許が注目される背景には、マクラーレンの経営体制の変化があります。
現在、マクラーレンの筆頭株主はアブダビのCYVN Holdingsですが、この投資会社は、中国の高級EVメーカー「NIO(ニオ)」の最大株主でもあり、つまり、マクラーレンの次世代EVには、NIOの持つ世界最高峰のバッテリー交換技術やソフトウェアが組み込まれる可能性が極めて高いということですね。
マクラーレンの製品責任者ニック・コリンズ氏も、将来のEVが特定の市場(特に中国)をターゲットにする可能性を示唆しており、この「音響特許」は、デジタルネイティブな中国の富裕層に向けた、マクラーレン流の「ハイテクな遊び心」なのかもしれません。
-
-
マクラーレンが新しい株主のもとで「マクラーレン・グループ・ホールディングス」へと生まれ変わる。新株主は「ゴードン・マレー」を所有、中国NIOへの投資も
| ここまでは紆余曲折を経たマクラーレンではあるが、ここが「安住の地」であることを願ってやまない | 新株主のもとでは「大きなアドバンテージ」を得る可能性も さて、この数年においてその資本が安定しなか ...
続きを見る
結論:マクラーレンはEVを「静かな怪物」にはしない
「電気自動車はつまらない」という定説を、マクラーレンは技術によって覆そうとしています。
当面の間は、750Sや新型アルトゥーラに見られるようなV8 / V6ツインターボ+ハイブリッドが主役ではありますが、いずれ登場するフル電動マクラーレンは、この特許技術によって「耳で路面を感じ、音で車をねじ伏せる」という、ガソリン車以上に濃密な対話ができるマシンになる可能性もありそうですね。
-
-
【驚きの人事】”フェラーリの黄金期”を築いた元フェラーリ会長、ルカ・ディ・モンテゼーモロがマクラーレンの取締役に就任
| “フェラーリの顔”がマクラーレンへ——衝撃のニュースが判明 | 現時点では「取締役」にとどまるが フェラーリの歴史において最も影響力のある人物の一人、ルカ・コルデロ・ディ・モンテゼーモロが、今やそ ...
続きを見る
合わせて読みたい、マクラーレン関連投稿
-
-
マクラーレン初の4ドアモデルが2027年登場へ。新しい経営体制へと移行したことでSUV含む「ラインアップ拡大」新時代に突入か
| 以前から「4ドア」投入のウワサがあったものの、ついに実現? | マクラーレンが「4ドア」モデル計画を正式化 マクラーレンといえば、低く構えたミドシップスーパーカー、跳ね上げ式のドア、そして後輪駆動 ...
続きを見る
-
-
マクラーレン「2028年まで毎年新型車を発表する」。初のSUVが2028年に登場へ、750Sハードコア版、新型スポーツクーペの計画も
| マクラーレンは新体制へと移行、一気に計画を拡大 | ついに現実味を帯びた「マクラーレンSUV計画」 さて、マクラーレンは昨年末に親会社そして経営体制が刷新されていますが、その体制のもとでは様々な計 ...
続きを見る
-
-
マクラーレンの歴史:レースと革新が織りなす究極のパフォーマンスへ、ニュージーランドの若き才能が蒔いた種が世界のモータースポーツの頂点に
| 多くの有名なスポーツカーメーカーは「創業者一族」の手を離れている | マクラーレンもまた「第三者の手に渡りつつ」しかしそのDNAを失っていない さて、歴史あるスポーツカーメーカーというとロータス、 ...
続きを見る
参照:CARSCOOPS















