| カタログ値よりもパワフルなトヨタ車も珍しい |
さて、トヨタGRスープラは2021年モデルより(今までの340馬力から)387馬力へと大幅にパワーアップされることになりますが、今回米国Car and Driver誌が2021年モデルのGRスープラを借り出して(まだ一般に納車が開始されていない)シャシーダイナモに載せてパワーチェックを行うことに。
なお、同メディアではこれまでのスープラにおいてもパワーチェックを行っていて、その際の数値は345馬力となっています。
-
新型スープラはカタログ値340馬力のところ、実際は400馬力くらい出ていた!「逆トヨタ馬力」を持つトヨタ車がついに登場
| パワーチェックにて345PSを記録。これはエンジン単体だと400馬力前後に相当 | 現在新型トヨタ・スープラは各メディアによって絶賛テスト中ですが、 Car And Driver 誌が新型スープラ ...
続きを見る
GRスープラのパワーチェック結果は「393馬力(388HP)」
そしてイキナリ2021年モデルのGRスープラをシャシーダイナモに乗せた結果ですが、カタログ値を超える393馬力。
従来型スープラの発生した345馬力に比較すると48馬力向上していて、ちゃんとパワーアップがなされているということがわかります。
ただ、ここで注意を要するのは、今回の計測値は「タイヤが路面に伝えるパワー」であり、しかしカタログ値は「タイヤが路面に伝えるパワー」ではなく、「エンジン単体で発生するパワー」を示しているため、両者には相違がある、ということ。
「エンジン単体で発生するパワー」について、日本のJIS規格だと”エンジンに補機類を装着した状態”だと定義していますが、これはエンジンにラジエターと冷却水の循環に関する装置、排気管(エキゾーストシステム)、エアクリーナーなどを装着した状態ということで、そこから先つまりトランスミッションやドライブシャフト、デフ、ハブ、ホイール等は装着されていない状態ということに。
シャシーダイナモ上でのパワーチェックは、もちろん車体にエンジンを搭載した状態でタイヤを回し、そのタイヤがローラーを回す駆動力をもって「馬力」を計測しますが、上記のようなドライブトレーンの摩擦抵抗によって「パワーが食われ」、カタログ値よりも低い数字となるのが通常です(FF/MR/FRだと10~15%、4WDでは20~25%ほど下がる)。
そこへ来てGRスープラは従来モデルで345馬力、2021年モデルでは393馬力が出ているので、仮にロスが10%~15%あるとすれば、従来モデルで380馬力~400馬力、2021年モデルでは430~450馬力くらい出ている、という計算が成り立ちます。
これまでのトヨタ車というと「カタログ値どおりの馬力が全然出ていない」トヨタ馬力なる揶揄がなされていたものの、スープラに限っては”逆”トヨタ馬力となっているわけですね。
なお、これまでにネット上にて拾ったパワーチェックの数値は下記の通り。
BMW、マクラーレンは「馬力逆詐称」の常連なのかもしれません。※ターボエンジンはカタログ値を超えることがままあるが、自然吸気エンジンでカタログ値を超えるという話はまず聞いたことがない
・フォードGT・・・カタログ値647馬力に対して実測値525馬力、ロス19% ・アルファロメオ・ジュリア・クワドリフォリオ(FR)・・・カタログ値510馬力/実測392馬力、ロス23% ・BMW M5(4WD)・・・カタログ値600馬力/実測625馬力。逆算するとエンジン単体では781-840馬力くらい出ている ・ランボルギーニ・ウラカンRWD(MR)・・・カタログ値580馬力/実測492馬力、ロス15% ・マクラーレン720S(MR)・・・カタログ値720馬力/実測698馬力、苦労ロスは3%。逆算するとエンジン単体では800馬力くらい出ている ・ホンダ・シビック・タイプR(FF)・・・カタログ値320馬力/実測295馬力、駆動ロス8% ・アウディRS4(4WD)・・・カタログ値450馬力/実測460馬力、逆算するとエンジン単体で580-610馬力くらい発生 ・マクラーレン600LT(MR)・・・カタログ値600馬力、実測574馬力(ロス4.3%、仮に15%ロスしているとなると660馬力くらい出ている) ・フェラーリ488ピスタ(MR)・・・カタログ値720馬力、実測642馬力(ロス11%) ・レクサスLFA(FR)・・・カタログ値561馬力、実測値531馬力(ロス5%) |
VIA:Car and Driver