| 見た目はさほど傷んでなさそうだが、テスタロッサの価値自体がさほど高くないことが理由? |
さて、フェラーリのレストアに情熱を傾けるユーチューバー、ラタロッサ(Ratarossa)氏。
そのアカウント名自体も「テスタロッサをベースにしたラットロッド(ちょっとボロいホットロッド)」を作ったことに由来するのだそう。
つい先日も「サダム・フセインの息子が所有していた、しかし行方不明になっていたフェラーリF40」を追跡しその所在を突き止めていますが、今回はプエルトリコにて、17年間も放置されたフェラーリ・テスタロッサを紹介しています。
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ラタロッサ氏はこんな人
こちらがそのラタロッサ氏。
同氏が座っているのが「テスタロッサベースのラットロッド」です。
ルーフとリアセクションがズバっとカットされていることがわかりますね。
なお、テスタロッサには本来オープンが存在せず、その存在が公になっているのは「マイケル・ジャクソンがペプシのCMに出演するのにあわせて作られたワンオフモデル」のみ。
もちろんテスタロッサはオープンを前提にした設計がなされているわけではないので、オープン化に際しては相当な車体の強化が必要となりますが、ラタロッサ氏は「ベアシャーシ(何も付いていない)状態から」レストアがてらこのテスタロッサを作り上げています。
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そしてこちらがラタロッサ氏のガレージ。
360チャレンジ、308ほか合計4台のフェラーリが収まるという羨ましい状況です。
17年放置されていたにもかかわらずオーナーが判明
そして今回の「17年間放置されていたフェラーリ・テスタロッサ」について、幸運にもラタロッサ氏はそのオーナーを探し当てることに成功。
そのオーナーはこのフェラーリ・テスタロッサを新車で購入し、その後放置しながらも、所有権自体はずっと保持していた模様(意外とこういった人が多いが、ぼくは貧乏性なので、なぜ売らないのかといつも不思議に思う)。
17年ほったらかしだった割には、まだいいコンディションなのかも。
プエルトリコというとあまり治安が良くないように思えるものの、驚くべきことにエンジンはそのまま(盗まれずに)収まっており、ガラスも割られずにいたようですね。※エンジン始動を試みるも、当然ながらエンジンは始動しない
はたして「救い出す」価値はあるか?
そこでラタロッサ氏は「このフェラーリ・テスタロッサを買取り、レストアするだけの価値があるか」を検討開始。
ボディパネルについてはペイントの剥がれはあるものの、全てのパネルが揃い、かつ割れていない状態。
ただし日差しが強い地域ということもあってインテリアはすべて置き換える必要がある、と見積もることに。
ちなみにこのオーナーがラタロッサ氏に提示した売却金額は3万ドル(邦貨換算で約325万円)。
現在のテスタロッサの相場は(ちゃんと動く車両で)1300-1400万円くらいなので、それに比べると不動車だけに安いものの、輸送費、レストアにかかる費用を考えると、「結果的にペイできない」という判断を下しています。
なお、ラタロッサ氏は分解して販売することも考えたそうですが、現在のパーツ相場だと、「ちゃんと動くテスタロッサのエンジン」で230万円、リアフェンダーで90万円、ドアミラーで50万円、ステアリングホイールで23万円あたりが適正な価格となっていて、しかし今回のテスタロッサの場合、「パーツとして売るには程度が悪い」ために利益はほとんど出ないと結論づけ、今回のフェラーリ・テスタロッサについては「ノータッチ」と決めたようですね。※もし、このテスタロッサが同氏の地元である英国に所在していたならば、また話が異なってくる、とも
ただ、オーナーは17年経ってようやくこのクルマを修理することにしたようで、現在は別の場所に移動済み。
こちらがテスタロッサを動かした後の「堆積した泥」ですが、17年分の時間を感じさせます。
これだけじゃない、放置されていたフェラーリたち
なお、世の中にはフェラーリが放置されている例が少なくはなく、過去には様々な「放置フェラーリ」が見つかっています。
こちらはオーナーが死去してしまい、そのまま放置されたフェラーリたち。
遺族が処分しそうなものですが、「そのまま」となっていたようですね。
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