｜ 日産は400Zについて、「S30フェアレディZの復刻」だと考えているのか、それとも「S30フェアレディを下敷きにした新しいクルマ」と考えているのか ｜
さて、カーデザイナーとして活躍する傍ら、様々なクルマのデザインについて奇譚のない意見を述べることで人気のスケッチモンキー氏。
今回は新型フェアレディZ（400Z）について、これまでに公開された数々の予想レンダリングについての検証を行い、「こうなるはずだ」「こうあるべきだ」という主張を行っています。
なお、同氏が確認した中で、そして自身のネットワークから収集した情報を元にすると、「ベストカーの予想レンダリングが、もっとも市販モデルの400Zに近いだろう」とのこと。
現在、多種多様な新型フェアレディZの予想レンダリングが登場している
新型フェアレディZは、日産自動車の公開したティーザー動画によって「初代フェアレディZ=S30Zに近い」スタイリングを持つことが判明していて、さらにはプロトタイプがすでに存在し、全米のディーラーミーティングにて公開されたということも報じられています。
そして、全米ミーティングに参加したディーラーの意見として「リアはZ32に似ている」という話も。
ただし、この際に公開されたのはあくまでもプロトタイプであり、市販までには変更が加えられる可能性も十分ある、ということは認識しておく必要がありそうですね（一般に、ディーラーミーティングでのお披露目は、ディーラーの反応を見てデザインを磨き上げてゆくために行われる）。
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この予想レンダリングの「ここが違う」
そしてスケッチモンキー氏は、これまでに公開された新型フェアレディZの予想レンダリングをひとつひとつ検証。
こちらの予想CGについては、ルーフラインとサイドについては「いい線を行っている」としながらも、リアエンドが「壁のよう」であり、市販モデルだともうちょっとリアバンパー下部が持ち上げられるだろう、とコメント。
こちらはS30フェアレディZ。
よく見ると、リアが「面」として構成されていることがわかり、上の予想レンダリングはこういったS30のデザイン的特徴を再現したのかもしれませんね。
カー・アンド・ドライバーが公開したレンダリングについては「リアフェンダーの張り出し」「ヘッドライト」「サイドのキャラクターライン」について、公開されたティーザー動画とは大きく異なり、現実味がないと判断。
このレンダリングは370Zをベースとしており、グラマラスで格好良いとは思うものの、やはりS30フェアレディZのスリムさ、シンプルさとは程遠いようですね。
Motor1の公開したレンダリングに対しては、「ノーズがなだらかに落ちすぎている」というコメント（厳しいな・・・）。
たしかにS30フェアレディZのノーズは「なだらかに落ちる」というよりは、地面と平行に走る部分が長いようにも見えます。
Futurecarsnowの公開した予想レンダリングについては、「サイドのシンプルさに対して、フロントバンパーの造形が複雑過ぎ、エッジが多い」「サイドの丸みが足りない」。
こちらは日本のカーメディアが公開した新型フェアレディZの予想レンダリング。
ほかと比較するとロー＆ワイドで未来的、かつ2トーンという大胆な解釈です。
フロントフェンダーやリアフェンダーにはダクトが設けられ、テールパイプはセンター3連という独特な構造を持っていますが、スケッチモンキー氏は「ルーフラインが高すぎ、リアエンドが丸すぎる」とバッサリ。
おそらくリアエンドについては「Z32」を意識したのだと思われますが、とにかくこのレンダリングは「個性的」ですね。
一番実車に近いのは「ベストカー」版？
そしてスケッチモンキー氏が「もっとも実物に近いだろう」とするのがベストカー版の新型フェアレディZ予想レンダリング。
ホイールセンターとAピラーまでのバランス、ルーフラインがS30フェアレディZともっとも近い、という評価です。
リアについても「かなり生産モデルのフェアレディZに近いだろう」としながらも、実際の市販モデルにおいてはリアコンビランプの位置はもうちょっと下がり、そしてリアバンパーのサイドには、S30フェアレディZに装着されていたクローム製バンパーを連想させる「水平」ラインが入るだろうと予測しています。
そこでスケッチモンキー氏がベストカー版予想CGを修正したのがこちら。
たしかにS30フェアレディZにかなり近いという印象ですね。
新型フェアレディZにおけるデザイン上のプライオリティは非常に高い
今のところ新型フェアレディZの最終デザインがどうなるのかはわからないものの、日産公式ティーザー画像を見ると、フェアレディZのみがほかの日産車とは全く異なるデザインを持つことがわかります。
日産はここ最近、「ジューク」「エクストレイル」「アリア」等で共通するデザイン言語を採用したり、その他にもブランドのプレゼンスを高めるためにデザインの統一化を図るという戦略を採用していて、にもかかわらず新型フェアレディZだけは「その戦略から外れている」ということは、それだけフェアレディZのヘリテージを重要視し、そのヘリテージが「日産の戦略、そしてそれが示す未来」よりも重要だという日産の認識を意味しそう。
そこまでの覚悟を決めたのであれば、日産は中途半端なことはせず、S30フェアレディZを「かなり」忠実になぞってくると考えられ、妥協のないデザインが与えられることになるだろう、と考えています（新型フェアレディZにおいて、デザインのプライオリティは何よりも高いと思われる）。
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