え？これがモデルカー？アマルガムが1969年のル・マンにて優勝した「ゼッケン6のフォードGT40」を再現。製造には400時間、価格は145万円

｜　実物の出来栄えをみるに、この金額を支払える人には「高くない」買い物だ　｜

フォードGTにとっては4連覇、ジャッキー・イクスにとっては記念すべきル・マン24時間初優勝

さて、これまでにも素晴らしい精度を持つモデルカーを多数発売してきた英国アマルガム。

今回は1969年のル・マン24時間レースでジャッキー・イクスとジャッキー・オリバーがハンドルを握って優勝したシャーシ#1075のフォードGT40を（1/8にて）再現したモデルカーを発表しています。

このゼッケン6をつけたフォードGT40は、（ル・マン24時間レースが開催される）サルテサーキットを372周し、2位のポルシェにわずか120mという僅差にてゴールすることに。

なお、トップを走っていたポルシェ（908と917）はレースの90％をリードしていながらも、最後の最後でフォードGT40に道を譲ることとなり、まさにレースは終わるまで何が起こるかわからない、といった例でもありますね（そのずっとあとになりますが、ポルシェはチェッカーフラッグを目前にしてトラブルに見舞われたトヨタTS050ハイブリッドをパスし、トップにてゴールしている）

ゼッケン6のフォードGTを駆ったのはジャッキー・イクス組

なお、1969年のル・マン24時間レースにおいて、ゼッケン6のフォードGTをドライブしたのはジャッキー・イクスとジャッキー・オリバー組。

最終ラップのミュルザンヌ・ストレートにてジャッキー・イクスは先行するポルシェ908のスリップストリームに入り、ストレートエンド手前で抜くという華麗な逆転劇を見せていますが、このアマルガム製モデルカーは車両に汚れがないので「レース前」。

ちなみにアマルガムには「レース後」を表現した、当時の画像と照らし合わせて忠実な「ウェザリング」が施されたシリーズも存在します。

当時の資料をもとに実車を再現

今回、アマルガムはこのフォードGT40をモデルカー化するにあたり、フォード・アーカイブ＆ヘリテージ部門とガルフ・オイル・インターナショナル社との24ヶ月に及ぶ研究開発を経たといい、その甲斐あって「完璧に」当時のクルマを再現しているようですね。

加えて、ヘッドライトカバーやウインドウ類などもそのまま「1/8化」されているようにも見え、モデルカーにありがちな「クリアパーツが分厚くて質感を損なう」といった現象も回避している模様。

参考までに、アマルガムはもともとダイソンなどの試作品を製造する工房で、3Dプリンタを使用して「精巧な」パーツを作ることを得意としており、その経験を活かして乗り出したのが「ミニカーづくり」というニュービジネス。

現在ではそれがみごとに「新しい柱」になっているわけですが、その精度や質感はニューモデルを発表するごとに増しているようにも思われます。

今回のフォードGT40では鋳造、フォトエッチング、CNC加工によって削り出された金属パーツなど様々な部品が使用され、製造にかかるのはなんと400時間。

限定台数は199台、価格は145万円ほどと安くはありませんが、このステアリングホイール上のリベットや、メーターの文字盤の再現性をみるに、「けして高いとは言えない（同じ金額を出したとして、これと同等の精度を持つモデルカーを探すことはできない）」とも思います。

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