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ポルシェは過去に「本物の魚の鱗」を使用したボディカラーを採用していた!現代のデザイナーが「過去のカラーを復活させる苦労」を語る

2022/01/08

ポルシェのボディカラー

| 昔は可能だったことも、現代では「規制」によって再現できない例もある |

さらに以前とはクルマに使用される素材も変わり、塗料の「乗り」の変わってきた

さて、ポルシェは比較的ボディカラーに強いこだわりをもつ自動車メーカーのひとつであり、つい先日も「カスタムカラーを100色追加した」と発表したばかり。

そして「カスタムカラーを大量に追加した」背景には「カスタムカラーを注文する人が年々多くなり、その要望の幅も拡大してきた」ためだといい、そのためにデザイナーのみではなくエンジニアや製品マネージャー含めてカスタムカラーの開発と実用化に取り組んだといいます。

このプロジェクトを率いたヨナス・フリードリッヒ氏は(過去に使用された調合済みの色である)”カラー・オブ・チョイス” に加え、(顧客が指定したカラーを新たに調合する) “カラー・オブ・チョイス・プラス”によってほぼ無限の色調が実現可能になったと自信を見せており、今後ますますカラフルなポルシェが増えてくるのかもしれません。

ポルシェが「カスタムカラー」を160色追加し、「オーダーメイドカラー」の対応を広く開始したと発表。なおケイマンGT4RSだとそれぞれ166万円と332万円ナリ
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カラー・オブ・チョイスの一番人気は「ガルフブルー」

なお、ツッフェンハウゼンにてポルシェ・エクスクルーシブを統括するボリス・アーペンブリンク氏いわく「特別な色は、お客様がご自身を表現でききる最上級の装備である」。

そして”カラー・オブ・チョイス” を選択するオーナーの大半はポルシェ伝統のボディカラーを注文するといい、その中でも人気ナンバーは(ポルシェ917に採用された)ガルフブルーなのだそう(たしかにガルフブルーのカスタム911はときおり見かけるが、同じように伝統的なカラーであるピンクピッグは見たことがない)。

ポルシェ917

そしてこの“カラー・オブ・チョイス”については「4色の標準色、8色のメタリックカラー、5色の特別色に加え、最大105色の中から好きな色を選択することができるようになり、それぞれのカスタムカラーはツッフェンハウゼンに新設されたペイントミックス・ステーションにて調合され、ペイント・ファクトリーにて個々のボディに塗装される、とのこと。

カラー・オブ・チョイス・プラスは顧客からの要望にて誕生

そして「新しくカラーを調合する」カラー・オブ・チョイス・プラスはもともと顧客の要望によって誕生したものだといい、そのうちの一つの例は「いつも自分が朝食の際に使用している食器と同じオレンジ色に塗って欲しい」というものであったり、1967年の911Rに採用されていたレーヴェントロー・レーシングブルーと同じものに塗って欲しいというものだったり。

新しくボディカラーを調合するのには時間と手間がかかり、顧客が指定したカラーや持ち込んだカラーサンプルを塗料サプライヤーとともに調合し、そして車体に使用される素材に塗って「どのように見えるか」をテストするというところからカラーの開発が始まるようです(911には、アルミニウムや樹脂、スチールなど、少なくとも5つの異なる素材が採用されている。実際に、同じ色をスチールと樹脂に塗った場合では微妙に再現性が異なる)。

もちろんそれぞれの素材にペイントするのは「車両を組み上げたとき、車体全体が同じ色味に見えるようにする」ためで、全体的に同じ発色を得られるようにするには、素材に応じて「異なる化学組成と処理手順が必要になる」うえ、乾燥に要する温度も80度〜140度といった具合に差がある、とも述べています。

ただ、こういった困難を乗り越えて新しく調合されたカラーには「永遠に残る新しい名称」をつけることができるといい、これは「限られたものにのみ与えられる栄誉」なのかもしれません。

かつての純正ボディカラーでもかんたんには再現できない

なお、ポルシェは「スタールビー」のように1990年代の人気カラーを復活させていますが、過去に調合された実績があるカラーであっても現代の塗料を使用する場合は新たに調合しなおす必要があるといい、というのも90年代までは溶剤系塗料が使用されていたのに対し、現在では(環境状の理由により)水性塗料が使用されているため。※たしかにマクラーレンにおいても、過去のヘリテージカラーを現代の塗料では再現できない場合があるとアナウンスされている

さらにかつてポルシェ356に採用されていた”フィッシュグレー”に至っては「本物の魚の鱗が使用されていた」といい、これと同じ色を(魚の鱗を使用せず)再現したりという苦労もあったもよう。※このフィッシュグレーを再現した新色は、先般オーストラリア向けに限定販売された911GT3ツーリングの限定モデルに採用されている

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参照:Porsche

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