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アストンマーティン「V12は2025年まで。ユーロ7が導入されれば生き残る道はない」。ロールス、ベンツ、BMW、フェラーリ、ランボルギーニなどV12エンジンを持つ他のメーカーはどう動く?

2022/02/04

アストンマーティン

| V12エンジンに対する対応は各社様々、アストンマーティンはそれらの「中間」だといえそうだ |

自主的にV12エンジンを廃止するメーカーもあれば、「徹底抗戦」の構えを見せるメーカーも

さて、最強最速を標榜するSUV、DBX707を発表したばかりのアストンマーティン。

ちょっと前まで、つまりアンディ・パーマー前CEO時代までは「ガソリン車を作り続け、V12エンジンも最大限の努力にて限り残す」と言う方針を採用していたのは記憶にあたらしいところ。

ただしその後はコロナ禍によって急速に業績が悪化してしまい、アストンマーティンそのものがカナダの富豪、ローレンス・ストロール氏に買収されることになるものの、買収直後には「(当時の)経営体制を維持する」とも発表され、上述の「ガソリン/V12継続」方針を表明しています。

アストンマーティンDB11
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いずれかの時点でアストンマーティンはその方針を急転換

しかしながら直後に事態が(さらに)急変し、「続投する」と言われたアンディ・パーマーCEOが突如解任され、かわりにやってきたのがメルセデスAMGのCEOを務めていたトビアス・メアース氏。

同氏はメルセデスAMGから「アストンマーティンに送り込まれた」と考えられ、裏でメルセデスAMGとローレンス・ストロールとの密談がかわされたことは想像に難くなく、実際のところローレンス・ストロール氏は「ガソリン継続」から一転し、最近では「アストンマーティンの顧客の100%が電気自動車(EV)を望んでいる」というコメントを発しています(メルセデスAMGによるエレクトリックパワートレインの採用で合意したのだと思われる)。

ただしモータースポーツを愛する同氏らしく、多くの人々がまだガソリンエンジンの音と匂いを求めているであろうことも認めていて、地域や用途(サーキット走行など)を限定し、ガソリン車を製造することには否定的ではないもよう。

それでも市販モデルに限定すると電動化の波は避けようもなく、2025年には電動化の対応を終え、2026年以降は「全ラインアップを電動化する」というのが直近の方向性ですが、あわせて(ユーロ7が導入される)2026年以降はV12エンジンが生き残ることができない、ということも示唆しています。

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アストンマーティン・ヴァンキッシュ
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現在V12エンジンを作り続けている各社の対応は?

なお、現在V12エンジンを作っている自動車メーカーは非常に少なく、メジャーメーカーではアストンマーティンを筆頭にロールスロイス、メルセデス・ベンツ、BMW、ランボルギーニ、フェラーリあたり。

ただしロールスロイスはすでにV12エンジンの終わりを宣言し、新型EV「スペクター」のテストを開始しています。

メルセデス・ベンツやBMWもV12の未来を切り捨てて現在そのラインアップを段階的に縮小しており、近いうちに完全に生産を終了させることになりそう。

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ランボルギーニについてはなんとこのご時世にV12エンジンを新設計し、ハイブリッドと組み合わせて存続させる意向を示していて、法的に許される範囲はV12エンジンを作り続け、「自主的な」判断でV12エンジンの生産を終了させるロールスロイス、メルセデス・ベンツ、BMWとは異なる方針を採用しています。

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そしてフェラーリもV12エンジンを新設計し「法的に禁じられない限りはV12エンジンを継続」という姿勢を見せており、しかし存続の手段としてターボ化を採用するのかハイブリッド化を行うのか、はたまた自然吸気を継続するのかは今のところ不明です(フェラーリはV12とハイブリッドという組み合わせは意味がない、ともコメント)。

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フェラーリのエンブレム
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アストンマーティンはギリギリまでV12を作り続けるが

そこでアストンマーティンの対応ですが、「無理してまではV12を存続させない」というもの。

現在アストンマーティンは「その血統の最後の子孫」と称されるV12ヴァンテージの発売を控えている状態で、おそらくはこれがV12エンジンを搭載する最後のニューモデル。

アストンマーティンCEO、トビアス・メアース氏によれば、「新しいV12エンジンを作ることはありえない。小さい範囲の改良を加えV12エンジンを規制に適応させることはやってゆくが、それでも対応できなくなる時代、つまり2025年にユーロ7が導入されればそれも終わりだ」。

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反面、もしユーロ7導入が先送りになったり、導入されたとしても「猶予期間が」設けられるのであれば、その期間はV12エンジンを作り続けることになり、つまり「自主的判断にて」V12エンジンの生産を終了させることまではしない(しかし規制に対応させるための大幅改良や、新設計のV12エンジン開発までは行わない)」ということになり、アストンマーティンのV12エンジンは「余命あと数年」ということになりそうです。

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参照:Financial Times, etc.

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