| まさかここまでプロサングエがほかのフェラーリ各モデルとの共通性を持つとは思わなかった |
やはりその姿は「SUV」というよりも「背が高いワゴン」かも
さて、フェラーリが「SUVを発売する」と宣言してから3年の月日が流れていますが、ついにその発表が近づいているもよう。
これまでにも様々な「重偽装」を装着したこのSUV=プロサングエが走行している姿が目撃されているものの、今回なんとフェラーリの工場と思われる場所から「カモフラージュ無し」のプロサングエがリークされることに。
おそらくこれはプリプロダクションモデルだと思われますが、画像からはいくつかの興味深い事実を確認することが可能です。
フロントはSF90系、リアは296GTB風
まずフロントを見てみると、ヘッドライトはSF90ストラダーレ/SF90スパイダー風。
あるいはモンツァSP1/SP2風だと言いかえることもできそうです。※下の画像はフェラーリ・モンツァSP1
おそらくデイタイムランニングランプは横方向に長いバー状のパーツなのだと思われますが、ヘッドライト本体はその奥に隠れているのかも。
そして左右のデイタイムランニングランプをつなぐ黒いストリップも存在し(このパーツが用いられること、そして左右DRLが連結されるのはフェラーリでは初)、これによってワイド感が演出されるほか、シャークノーズが(ローマのように)強調されているようにも思います。※下の画像はフェラーリ・ローマ
ホイールアーチに採用されるグロスブラックのパーツもフェラーリ「初」ということになりそうで、さらにフロントフードは「クラムシェル」。
なお、クラムシェル型フードの採用によって、よりボンネットの抑揚が(途切れることなく)美しく表現されているようにも見えますね。
そしてクラムシェル型フロントフードとドアとの間には3角型のパーツが装着され、そこから大きなえぐれを発生させ、そのままプレスラインへとつながっています。
サイドアンダーはローマ含む最近のフェラーリと同じく、サイドステップをボディ側に大きくめり込ませることで「くびれ」を強調していて、これによってボディの天地が減少するとともに、リアフェンダーへと向けてボディ(下部の)ラインが開放され、リアフェンダーの張り出し、そしてクーペ的な美しさを獲得しているようにも思います。※下の画像はフェラーリ・ローマ
一方でリアに目を移すと、テールランプは296GTBのものに近く、フロント同様に左右うランプを部ラップのパーツにて繋いでいるようですが、その下のダクトはけっこう新しい、と思います(強いていえばF8トリブート/F8スパイダーっぽい)。※下の画像はフェラーリ296GTB
一方でリアウインドウの後端、そしてトランクフードの切り欠きはローマ風。
こちらはフェラーリ・ローマですが、ローマとプロサングエとでは、「Ferrari」エンブレムの位置が異なるようですね。
プロサングエのリアアンダーについては、ここ最近のフェラーリにおけるデザイン言語を色濃く反映しており、SF90ストラダーレ/スパイダー、ローマ、そしてモンツァSP1/2との共通性を感じさせます。※画像はフェラーリ・モンツァSP1
全体的に見ると、プロサングエ(フェラーリによると、その発音は”ピューロサングウェイ”らしいが、この名称を実際に採用するのか、また日本での表記はわからない)は”プロサングエ独自の”デザインを持つというよりも、他のフェラーリのモデルに採用されてきたデザインをプロサングエのために昇華させたという印象があり、これは「フェラーリらしさ」を示すためなのかもしれません。
もちろんプロサングエはフェラーリにとって「初」のSUVではありますが、それを「ほかモデルと切り離したデザイン」ではなく「ほかモデルとの関連性が強いデザイン」としたことは非常に興味深く、つまりフェラーリはプロサングエを他のモデルと同列に扱いたい(SUVだからといって、なにかを犠牲にしているわけではない)ということになりそうです。
そしてフェラーリは、プロサングエを発売したとしても、フェラーリのイメージを微塵たりとも毀損することはないという自信を持っていると考えてよさそうですね。
フェラーリ・プロサングエのスペックは?
なお、このフェラーリ・プロサングエのスペックは現時点でまったくの謎であり、V6ハイブリッドパワートレイン(296GTBと同じ)、そしてV12自然吸気が積まれるとも言われます。
フェラーリはSF90ストラダーレに搭載する「3モーター、1000馬力級の」ハイブリッドシステムを持つものの、これはコストが高いこと、オーバースペックであること、V12エンジンを積むのであれば、もともとプロペラシャフトを有する4WDシステムを前提に設計されているであろうこと等を考慮するに、フロントをエレクトリックモーターで駆動するこのシステムを採用する可能性は薄そうです。
そして「V12エンジンを積む」可能性が報じられていることからもわかるとおり、このプロサングエのポジションは「フラッグシップ」に準ずるものであり、価格は「安くはなく」、つまり当初言われていたように、「中国向けに大量に販売して利益を稼ぐための車種」とは異なり、「真のフェラーリファンのためだけに販売する、生産数を絞ったモデル」になるだろう、とも(当初はフェラーリオーナーしか注文できないと思われるが、いずれその制限も解除されることになるかもしれない)。
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参照:wilcoblok