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【動画】BMWのデザイナーがX7の「デザイン的意味」について語る!BMWのデザインはボクらの想像よりもずっと先にあり、深い意味を持っていた

2022/04/17

【動画】BMWのデザイナーがX7の「デザイン的意味」について語る!BMWのデザインはボクらの想像よりもずっと先にあり、深い意味を持っていた

| これまではディティールばかりが目についてきたが、新型X7ではこれまだバラバラだったBMWのデザイン的な特徴がひとつになり、しかもバランスしている |

今後の「完全に新しくなる」BMWには大いに期待できそう

さて、BMWは先日フェイスリフト(マイナーチェンジ)版の新型X7を発表していますが、ここで話題となったのはジャンボ・キドニーグリルよりも「スプリットヘッドライト」。

これまでにもテスト中のプロトタイプを捉えたスパイフォトにてその存在が確認されていたものの、やはり実際に目にすると相当なインパクトがあると思います。

このほか、新型X7ではリア周りのちょっとした変更、インテリアのアップデートを行っていますが、今回デザイナーのドマゴジ・デュケック氏がそのハイライトについて語る動画が公開されており、ここでその内容を紹介してみたいと思います。

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新型BMW X7のデザインにはこんな意図がある

ドマゴジ・デュケック氏によると、このスプリットヘッドライトに移行することで「さらなるデザイン的自由度を獲得できた」とのこと。

ちなみに「ジャンボ・キドニーグリル」を採用したときも、「エアの吸入をキドニーグリルに集約することで、その他の部分のデザインを自由に行うことができ、エアロダイナミクスが向上した」と語っていますね。

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なお、ヘッドライトは照射角や照射範囲、取り付け位置、そしてウインカーを内蔵するならばウインカーの光を幻惑してはならないなどの法規もしくは機能的な成約がありますが、デイタイムランニングランプにはそれがなく、よって車体上部には「スタイリング要素を集約した」デイタイムランニングランプを、そして車体下部には「機能的要素を集約した」ヘッドライトを格納し、これによってBMWとしてのブランドアイデンティティを確立することができたと語っています。

参考までに、キドニーグリルの大きさは先代X7と「同じ」とのこと。

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テールランプについては、ユニット自体のレンズ色が暗くなり、内部にクロームのトリムが内蔵されるなど「繊細な」つくりへと変化しています。

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ホイールサイズは22インチから23インチへと大きくなってダイナミックさが増し、テールパイプの造形も新しい「3D形状」に。

サイドにはここ最近BMWがコンセプトカーはじめ多くのモデルで取り入れている「幾何学的な」グラフィックが用いられていますが、これについてはアウディもやはり幾何学的で、しかし独自のデザインをQ4 e-tronにて取り入れており、”テクノロジー”を視覚的に表現する場として活用されているようですね。

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BMWはちょっと前まで(Z4より前くらい?)はテールパイプ形状にさほどこだわっておらず、「丸いパイプを切り落としただけ」といったものも多く見られたものの、最近ではパイプの構造やデザインにも注意を払うようになり、形状も丸から台形になったり、パイプの内側がすり鉢状になったり、内部に突起がもお受けられるようになったり、という変化が見られます。

ちなみにこういった傾向はBMWのみではなく、近年の多くの自動車メーカーに共通するものだと認識しています。

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新型BMW X7のインテリアはこう変わった

そして新型BMW X7の内装も大きく変わっていて、フェイスリフトにしては珍しくダッシュボードそのものを刷新して大型局面スクリーンへと入れ替えており、物理ボタンが減少して未来的なイメージを持つに至ったほか、iDriveの操作性も大きく向上しています。

このほか、BMWのフラッグシップとしての威厳を保ち、トップレンジとしての矜持を示すためか、新デザインのメーターや新しくデザインされたエアコン吹出口などを採用していて、その印象が大きく変わっています。

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なお、レザーやファブリックについては、織柄や型押しによって、ピラミッド形状やヘキサゴン、幾何学模様などが表現されており、ここは「クラシカルさや優雅さ」を強調したメルセデス・ベンツとは異なり、「新しさ」を押し出すことでBMWらしさを強調しているように思います。

こうやって新型X7の内外装を見ると、BMWしか持ち得ないデザインが随所に見られ、これまで採用していたディティールがひとつの集大成として結実しつつあるように思われますが、これらがライバルに対する優位性としてしっかり機能するようになるんじゃないかと感じられ、これまでのBMWの既存技術や車体をベースにしたものではなく、全く新しい技術とプラットフォームにて、最初からドマゴジ・デュケック氏の意思を織り込んで設計される今後のBMW(直近だとi7)には大きく期待したいところ。

BMWのデザインについてはこれまでも色々と言われてきたものの、デザイナーがその信念を貫いたおかげでこうやってバランスを成すことができ、かつ技術や素材そして加工技術の進歩と相まって排他性を獲得しているということになりそうですが(法規やテクノロジーを深く理解し、共存するばかりかそれを活かすデザインを行っている)、実はこのドマゴジ・デュケック氏は「常人の理解を超え、はるか先を行く」スゴい”工業”デザイナーなのかもしれません(もしかすると、BMWの歴史の中ではクリス・バングル氏以上の功績を残すかも)。

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新型BMW X7の内外装をデザイナーが解説する動画はこちら

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参照:BMWBLOG

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