自動車史上最高額の182億円でメルセデス・ベンツ300SLRが売却されたとのウワサ。これまでのトップだったフェラーリ250GTOの「62億円」に3倍の差をつける

｜　メルセデス・ベンツ300SLRは2台のみが存在し、その2台をメルセデス・ベンツが保管していたことから「絶対に市場に出ない」とされていた　｜

まさかメルセデス・ベンツがこのクルマを売却しようとは

さて、メルセデス・ベンツが300SLR「ウーレンハウト・クーペ」が1億4200万ドル（日本円で182億6300万円！）にて売却したというウワサが流れており、ハガティによれば「複数の情報源に問い合わせたところ、売買が行われたのはほぼ確実」とのこと。

このメルセデス・ベンツ300SLRウーレンハウト・クーペについては説明を要するかと思われ、簡単に概要を述べてみると、9台のみが製造されたレーシングカー「300SLR」のうち、2台を公道走行可能なバージョンへと変更したクーペモデルが「300SLRウーレンハウト・クーペ（ウーレンハウトとは、このクルマの設計者の名）」。

つまりは2台しか製造されなかったクルマということになりますが、この2台ともメルセデス・ベンツが保管していたことも知られており、メルセデス・ベンツが販売しない限り絶対に市場に出てこないことから、「自動車史上、もっとも入手が難しいクルマ」としてコレクターに認識されています。

そもそもメルセデス・ベンツ300SLRとは

そしてレーシングバージョンの300SLRについても述べておくと、これは1955年のミッレ・ミリアでサー・スターリング・モスとファン・マヌエル・ファンジオが1-2フィニッシュを決めたことでも知られるレーシングカー。

1955年のル・マンにおいて83名が死亡、負傷者180名を出すというモータースポーツ史上最大の事故を引き起こしたレーシングカーとしても知られます。

名前からすると「300SLのレーシングバージョン」と思われるものの、300SLとは（外観はよく似ているものの）メカニズム上の共通点はなく、この300SLR（Sport Light-Racing）はF1マシンのW196をベースに2シーター化した純然たるレーシングカーです（300SLのコードネームはW198、300SLRはW196S）。

そして近代になって発売された「メルセデス・ベンツSLRマクラーレン」は、この300SLRへのオマージュでもあり、ディヘドラルドアやサイド出しエキゾーストパイプといった、300SLに採用されるディティールが取り込まれていますね。

メルセデス・ベンツは300SLRの売却についてノーコメント

現在メルセデス・ベンツは300SLRの売却について声明を出しておらず、しかし2022年5月6日には、シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館にてプライベートイベントが開催されたといい（5月6日～5月15日までは”あるイベント”のために一般向けの入場ができないとアナウンスされている）、ここに集まったのは「メルセデス・ベンツが300SLRを売却するに値すると判断し、その条件を満たした約10名」。

もちろんその条件については不明ではあるものの、「転売しない」などの約束を守れる人物が選ばれたのは間違いなさそうです。

ただ、この売却について、現時点では「限りなく真実に近いウワサ」でしかなく、しかしこれが真実であれば、現在までに「最も高い価格で取引された」1962年製のフェラーリ250GTO（4840万5000ドル、日本円で62億3300万円）の約3倍の価格ということに。

そしてこの価格を超えるクルマが出るとすれば、それはやはりメルセデス・ベンツ300SLRでしかなく、しかしメルセデス・ベンツ、そして「転売しない」コレクターが保管しているとなると、この先300SLRが市場に出てくる可能性は限りなく低いものと思われます。

過去に取引されたクラシックカーの「トップランカー」はこんな面々

参考までに、以下は判明している範囲での「高額にて取引されたクラシックカー」のランキング。

もちろん、表に出ない「個人同士」の売買があるかもしれませんが、（盗難車でもない限り）相場を大きく外れることはないものと思われます。

JUN

やっぱりフェラーリが圧倒的！

メルセデス・ベンツ300SLRを紹介する動画はこちら

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参照：Hagerty