| エレクトリックオフローダーでは「タンクターン」「カニ歩き」が一つのブームになりそうだ |
ただしそれを消費者が求めているのかどうかはわからない
さて、メルセデス・ベンツはエントリーモデルを縮小し、今後の投資の75%を高級車セグメントに振り分けること、「マイバッハ」「AMG」といった高級ブランドに注力すること、加えて少量限定ブランド「ミトス」の設立や電動車シリーズ「EQ」の積極展開、さらにはコラボモデルの拡大について言及していますが、これらと同時に語られたのが「Gクラス(ゲレンデ)のサブブランド化」。
つまり今後はGクラスの人気とネームバリューを積極的に活用しようということになりますが、今回はそのエレクトリックモデル「EQG」が戦車のようにその場で回転する「タンクターン(メルセデス・ベンツによればGターン)」を行う動画を公開しています。
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メルセデス・ベンツEQGのタンクターンはこうやって行う
そこでこのタンクターンことGターンにつき、まず動画は豊かな大自然の風景から始まります。
その中で走行しつつ姿を表すのがメルセデス・ベンツEQG。
ピタっと止まり・・・。
左右の車輪をそれぞれ逆方向に回転させ・・・。
その場でターンを開始!
上から見るとその様子がよくわかりますね。
その後は向きを変えたメルセデス・ベンツGクラスがさり気なく走り去るという内容。
正直、タンクターンの必要性は理解ができない
なお、このタンクターンについてはリビアンR1Tがちょっと前に”タンクモード”として提案したもので、4つのモーターをそれぞれ4つのホイールに連結することで可能となるもの。
ただしこのタンクターンは当初の予定よりも多くの問題を抱えていることがわかり、市販モデルのリビアンR1Tにはこれが搭載されず、そして今後の搭載予定もアナウンスされていない状態です。
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実際のところ、この機能が有効に作動するのは「タイヤがスリップする」場面のみで、タイヤがグリップするアスファルト上では機能しないかもしれません(機能させることは可能だと思われるが、意図的にタイヤを空転させることになるのでタイヤが著しく摩耗し、かつ電力も消費する。いろいろな意味で環境には優しくない)。
加えて、「中心を固定できなければ」意図しない方向にクルマが動いてしまう可能性もあり、こういったリスクを背負ってまで、かつ限られた状況でしか使用できないタンクターンを実現しようとするのかは全く不明。
たしかに「EVでしかできない」芸当はもあり、各社ともこれを実装することでEVシフトを加速させようと考えているのかもしれず、しかし「消費者が求めていない機能」であればそれも絵に描いた餅になるかもしれません。
参考までに、「タンクターン」ではないものの、GMCハマーEVが取り入れた「クラブモード(カニ歩き)」もまたEV特有の動きを見せ、各社とも様々な方法にて「EVにしかできないこと」を追求しているのでしょうね(ただ、それでコストが高くなるのであれば、消費者はノーサンキューと言うかもしれない)。
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メルセデス・ベンツEQGはどんなクルマに?
そこでこのメルセデス・ベンツEQGについて現時点でわかっていることをまとめてみると、まずはEVといえど生粋のオフローダーでもあり、ラダーフレームを採用することがアナウンスされています。
つまりは現在のGクラスと多くを共有する可能性があるわけですが、フロントサスペンションは独立式、リアはリジッドアクスルを持つとされ、これらは電動用として再設計されるとはいうものの、その構造については現行Gクラスを踏襲することになりそうですね。
さらにメルセデス・ベンツEQGのバッテリーにはシリコンアノード化学を用いたリチウムイオン電池パックがオプション設定され、これを装着することで「より長い」航続距離を実現することが可能になると言われます。
そのほか、ポルシェ・タイカン同様の2速トランスミッションの装備も報じられており、今後明かされてゆくであろう追加情報に期待したいと思います。
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