| ついに「もっとも高価な英国のクルマ」、アストンマーティンDBR1のオマージュモデルが登場 |
限定台数は不明だが、おそらくすべての個体には買い手がついているものと思われる
さて、アストンマーティンが2シーター・オープンコックピット・コンセプト「DBR22」を発表。
現在はオンライン上にて画像が公開されるのみですが、8月19日から21日までペブルビーチ・コンクール・デレガンスにて実車が展示される予定であることも公表されています。
なお、このクルマの位置づけとしては、同社のオーダーメイド部門である「Q バイ アストンマーティン」10周年を記念するデザインコンセプトであり、DBR1やDB3Sなど、過去のアストンマーティンを代表するレーシングカーをイメージしたとのことですが、すでに一部の顧客向けに生産されることも決定している、とのこと(DBR1オマージュの限定モデルを発売するというウワサはあったが、まさか本当に出してくるとは)。
搭載されるエンジンはV12ツインターボ、ボディパネルはカーボンファイバー、そしてリアのサブフレームには3Dプリンタによって製造されたパーツが採用されるなど、新しい生産技術も導入されているようですね。
アストンマーティンDBR22デザインコンセプトは「超少量生産」モデル
このDBR22デザインコンセプトは「Q バイ アストンマーティン」の中でも特別な位置づけにあるといい、「ヴィクター」のようなワンオフモデル、わずか24台のみしか生産されなかったヴァルカン、14台の生産にとどまるヴァンテージV600等と同列に語られる超少量生産モデル。
よって購入できるのも同社の限られた上位顧客のみということになりそうです。
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アストンマーティンはDBR22について「コーチビルドの伝統的な技術に先進の素材と最先端の製造技術を組み合わせることで、デザインの純粋さ、エンジニアリングの精密さ、胸のすくようなパフォーマンス、そして真の情熱を完璧に融合させました。Q バイ アストンマーティンとその無限の可能性を余すところなく表現するとともに、DBR22は、109年年にわたる豊かな歴史の中で、最も希少なアストンマーティンの1台となるのです」とコメント。
アストンマーティンDBR22は、クラシカルなプロポーションに加えて筋肉質なカーブを持ち(これはアストンマーティンの排他的な特徴のひとつでもある)、伝統、特にDBR1やDB3Sといった世界に誇る2シーターオープンコックピットスポーツカーの歴史をダイナミックかつ新しいアプローチで表現しています。
DB3Sはアストンマーティンのモータースポーツの歴史の中で重要な位置を占めており、その曲線美と空力効率で知られ、一方のDBR1は、DB3Sのデザインをさらに発展させたボディを持ち、もちろん、キャロル・シェルビーとロイ・サルバドーリのドライブによって1959年のル・マン24時間レースにて勝利を収めたことでも有名ですね。
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アストンマーティンDBR22はこれまでのアストンマーティンとは異なる方向へ
なお、アストンマーティンは過去にも数々のスペシャルモデルを発表していますが、(ヴィクターを除くと)そのほとんどが過去をオマージュしつつも「そこまで明確に」その歴史をデザインに反映させてこなかったようにも認識していて、しかし今回のDBR22では「DBR1やDB3Sから直接インスピレーションを受けた」デザインを持っています。
それを端的に表現するのはこのフロントグリルだと思われますが、これまでの「横スラット」のインナーとは異なり、シンプルな縦横スーバーにて構成されることに(もちろんDBR1のグリルを再現している)。
ただしDBR22で表現されるのは過去だけではなく現代そして未来でもあり、ボンネットには5.2リッターV12ツインターボエンジンからの熱を排出するためのホースシューベントが採用され、このボンネットのラインはコックピットへと繋がることでローラインのウィンドディフレクター、さらには繊細なステーを持つカーボンファイバー製ドアミラーへと視線を誘うことに(アストンマーティンの限定モデルにおけるドアミラーの美しさは特筆すべきレベルにある)。
ホイールはDBR22専用にデザインされた21インチサイズ(14スポーク)、そしてモータースポーツを強意識したセンターロック機構を採用し、様々なカラーやフィニッシュが用意されていると紹介されています。
もちろんボディカラーについてもQ バイ アストンマーティンを通じた「ペイント・トゥ・サンプル」オプションを利用することで自由自在にその色味を選択可能です(グラフィックを入れたり、カラーカーボンにも対応している)。
さらにDBR22のコックピットについてもクラシックとコンテンポラリーを融合させたデザインが採用され、レザーとカーボンファイバーを多用した重厚かつシンプルな雰囲気を持っており、インフォテインメント・ディスプレイはダッシュボードへと(目立たないよう)組み込まれます。
なお、このDBR22はモータースポーツにインスパイアされたモデルではあるものの、インテリアには現代的なダッシュボード、カーボンファイバー製パフォーマンスシート、ドア上部にはしなやかなアロマティックハイドが使用されるなど、高級感や先進性も追求されているようですね。
シート後方にはスピードスターならではのツインナセルが設置され、ドライバーとパッセンジャーの頭上を通過する空気の流れをスムーズにするほか、DBR22のためにデザインされたスリムなLEDライトバーといった特徴も。
テールランプの下には熱を排出するためのパンチングパネルが配置されていますが、このパンチングパネルはフロントバンパーのロワー部分にも反復されているもよう。
エキゾーストパイプはセンター出し「デュアル」、そしてディフューザーには「縦方向のフィン」はなく、これはクラシカルな雰囲気を演出したかったからなのかもしれません。
アストンマーティンDBR22は「いかなる環境であっても、ドライブする喜び」を提供する
アストンマーティンDBR22に搭載されるのは上述の通り5.2リッターV12ツインターボエンジンで、最高出力は715馬力/753Nm、0-100km/h加速は3.4秒、最高速度は319km/h。
トランスミッションは8速ATを採用し、これはDBR22専用のキャリブレーションが与えられることで「他のモデルにはない」マナーを示すといい、さらにはステアリングコラムを固定することで(上下や前後に調整する機能を排除している)剛性感や精度、フィードバックを向上させている、とのこと。
加えて、「クルマとドライバーとの繋がり」を重視するスピードスターらしく、シャシーにつても大幅なチューニングがなされており、フロントとリアのシアーパネルはねじれ剛性が高められ、アダプティブダンパーには精度としなやかさを兼ね備えた独自のキャリブレーションを施し、公道においても、そしてもちろんサーキットであっても運転する喜びを感じられる味付けとなっているようですね。
さらにDBR22には、アストンマーティンが初めて導入した3Dプリントによるリアサブフレームも採用され、このパーツはアルミニウムによる複数の3Dプリント部品から作られていて、それらを接着してサブフレームを形成しているそうですが、これによって大幅な軽量化と剛性の向上が果たされるほか、必要に応じて超少量生産モデル用の特別なパーツを作ることができるなど多数のメリットが挙げられ、今後のアストンマーティンの特別モデルにおいては3Dプリンタが大いに活用されるものと思われます。
アストンマーティンの最高技術責任者、ロベルト・フェデリ氏によれば、「DBR22の構造には、カーボンファイバーはもちろん、構造部品の製造に3Dプリントを使用するなど、技術的な見どころがたくさんあります。このクルマは、世界トップクラスのデザインに、エンジニアリングと生産に対する知的なアプローチを組み合わせた、アストンマーティンの独自の能力を示すものだと言えるでしょう。さらには究極のオーダーメイド・カスタマイゼーション・サービスを実現することを前提に設計されており、その外観と同様に、ドライブフィールもまた病みつきになることを保証します」。
同社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるマレク・ライヒマンは「私たちはデザインシステムを "ハイパードライブ "に設定し、形式主義の探求をさらに押し進め、今日のこの場所で未来を表現することに努めました。ボディ表面、プロポーション、フォルムをどこまで表現できるか。このアプローチと先進のプロセス、テクノロジー、素材を組み合わせることで、私たちはレースの血統を効果的に現代化し、新たな血統を作り上げました。DBR22は、スピード、敏捷性、スピリットに溢れた、エンスージアストのための純血のアストンマーティン製スポーツカーであり、”明日のアイコンの基礎”となるマシンだと考えています」とコメントしています。
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参照:AstonMartin