| それにしても、40年もこのクルマを保管し続け、しかも乗らなかったことには驚かされる |
このコルベットは製造上のミスがある「イレギュラー」
さて、40年以上も放置されていたというシボレー・コルベットC3がついにその納屋から出される事になり、その様子が動画へと収められ、Youtubeチャンネル「ジャンクヤードライフ」にて公開されることに。
なお、こういった「納屋で放置された車両が発見」というのは誰の心をも揺さぶるものだと思いますが、ぼくが惹かれるのは「なぜ放置されることになったのか」そして「なぜ見つかったのか」。
もちろんそこには様々なストーリーがあるわけですが、今回の1968年製コルベットは「ちょっと変わった」背景を持っており、ここでそれを紹介してみたいと思います。
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なぜこのシボレー・コルベットはずって放置されたままだったのか
この1968年製コルベットについてはそのオーナーが明確で、そのオーナーとはアラバマ州北部に住む「ビッグブロック・マイク」して親しまれる人物だと報じられています(名前からして生粋のカーガイということがわかる)。
なお、今回動画を公開したユーチューバー、ジャンクヤード・ライフは以前からこのコルベットの存在を把握しており、5年前にも動画にてこのコルベットを取り上げたことがあるそうですが、今回納屋から移動させねばならなくなったのは「納屋が崩れ落ちる可能性が出てきたから」。
そして一番気になる「なぜずっと放置されることになったのか」についてですが、これにはちょっとユニークなストーリーがあり、この物語のはじまりは1974年にまでさかのぼります。
当時このビッグブロック・マイク氏はハイティーンの頃、コルベットを専門に扱うシボレーディーラーの近くにあるS&Hグリーンスタンプ店でアルバイトをしており、そして当時からコルベットの大ファンだったのだそう。
そしてビッグブロック・マイク氏はなんとか「ビッグブロック7.0リッターV8」を搭載したコルベットC3コンバーチブルを約2,900ドルで購入することに成功し、時を待たずして「街で一番速いクルマを所有している」ことから誰もが一目を置く存在になったといいます。
ただし有名になったのはクルマ仲間の間だけではなく、その名が警察にまでも知られるようになってしまい、ある日警察とカーチェイスを繰り広げ、なんとか逃げおおせたものの、その後の追求と没収を恐れ、このコルベットを隠さなければならなくなったのだそう。
そうしてビッグブロック・マイクはこのコルベットを40年以上も隠し続けていたわけですが、今回長い時の流れを経てようやく日の目を見ることとなったわけですね。
なお、この「ビッグブロック」というニックネームは当時拝命したものだと思われますが、今でもそう呼ばれているということは、このビッグブロック・マイク氏はその後もずっとビッグブロックエンジン搭載車を乗り継いできたということなのかも。
動画を見る限りでは「朽ち果てる」ほどではないものの、やはり40年以上の時の流れを経ただけあって各パーツの損傷は小さくはないもよう。
インテリアは埃をかぶっているものの、まだきれいな部類だと思います。
メーターの樹脂パネルもちょっとした清掃にて以前の輝きを取り戻せそう。
現在コルベット427のレストアプロジェクトが進行中
そして現在このコルベットは納屋から運び出されることとなり・・・。
移動のため暫定にて新しいタイヤとホイールを装着(よくオリジナルのホイールを外せたものだと思う)。
その後はなんとか積車に載せて・・・。
https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/52541366360/in/dateposted-public/レストアを担当するファクトリーへ。
そしてファクトリーへと到着。
https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/52541366925/in/dateposted-public/現在このコルベットはファクトリーにてレストアを行っている最中だそうですが、時系列からしてビッグブロック・マイク氏はまだまだ運転免許を返納するような歳ではないと思われ、レストア後はふたたび”悪名高い”コルベット427のステアリングホイールを握る日がやってくるのかもしれませんね。
なお、このコルベット427は歴史的に価値が高いクルマではありますが、この個体は工場にて製造される際に「誤って」本来とは異なるパーツが装着されているそうで、このイレギュラーがさらに価値を押し上げていると考えることもできそうです。
シボレー・コルベットを40年ぶりに納屋から出す動画はこちら
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