メルセデス・ベンツが「AMG GT2」発表！プロ向けのGT3、プロを目指すGT4とは異なり、ジェントルマンドライバーに向けたサーキットウェポン

｜　それでも参戦コストはGT3、GT4に比較しても安くはない　｜

ベースはメルセデスAMG GTブラックシリーズ、その速さはニュルブルクリンクで立証済み

さて、メルセデスAMG Oneにてニュルブルクリンク最速記録を更新したメルセデスAMGが「AMG GT2」を発表。

これはカスタマー（プライベートレーシングチーム）向けの競技用車であり、GT2とはいうものの、実際には”GT3とGT4との間”に位置するレーシングカーです。

もちろんGT2クラスのレギュレーションに沿った設計がなされており、メルセデスAMGによると「GT3はプロドライバーが操るマシン、GT4は本格的なGTレースへの参入を目指す人たちのためのマシン」であり、GT2は「そのギャップを埋める "ジェントルマン・ドライバー "のためのクラス」。

よって、GT2に参戦する人々は「基本的に他の仕事を持つお金持ちで、時おりレースに参加し、しかしプロフェッショナルと同等のスキルをもってハンドルを握れる人たち」が対象となっています。

メルセデスAMG GT2の出力は707馬力

このメルセデスAMG GT2のベースは言うまでもなく（AMG One以前はニュルブルクリンクの王座にあった）メルセデスAMG GTブラックシリーズであり、よってAMG GT2に搭載されるエンジンもフラットプレーンクランクを持つ4.0リッターV8ツインターボ。

ただしGT2クラスでは、ほかのモータースポーツ同様にバランスオブパワーシステム（POB）が採用されており、その出力が730PS馬力から707PSへと引き下げられています。

なお、トランスミッションはAMG GTブラックシリーズの7速デュアルクラッチトランスミッションから、モータースポーツ用の6速シーケンシャルトランスミッションへ（駆動輪はもちろん後輪のみ）。

メルセデスAMG GT2ではエアロダイナミクスも大きく向上

メルセデスAMG GT2の技術的なハイライトのひとつがエアロダイナミクスですが、ボンネット上の巨大なエアアウトレット、カーボンファイバー製フェンダー上のノコギリ歯状ダクト、巨大なスワンネックのマルチアジャスタブル・リアスポイラーが目を引くところ。

そのほか細部もモータースポーツ用へと変更され、ブレーキシステムやホイール（センターロック）もモータースポーツスペックへ、そして前後フードもクイックリリース式へ。

インテリアだと内装パーツのほとんどが削ぎ落とされて簡素なカーボンファイバー製パーツへと置き換えられており、ステアリングホイールやメーターもレーススペックへ。

室内には頑強なロールケージが組まれ、シートはヘッドサポート付きのカーボンファイバー製バケットシートが一つのみ。

現在メルセデスAMGはこのAMG GT2の価格を発表していないものの、おそらくは4500万円くらいになるのではと見られており、しかしそれは「車両代のみ」なので、実際にGT4クラスに参戦するには、参戦にかかる費用、そして移動や運搬費用、メカニックはじめスタッフを雇用するコストが発生するため、やはりお金もち（それも相当なレベルの）しか参戦できないということになりそうですね。

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