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トヨタのEV計画はやはり見通しが甘かった?来年早々にサプライヤーを集めコロナ後初のグローバルミーティングを開催。修正計画を説明との報道

トヨタ・クラウン

| トヨタはどう考えてもEVに対する認識が甘く、先を読めなかったとしか言いようがない |

ある意味では「裸の王様」だったのだろう

さて、先日は「利益が1台あたりテスラの1/8」「EV計画の見直しを迫られている」と報じられたトヨタですが、今回は事情に詳しい筋からの情報だとして「来年初めに、サプライヤーに対し、新しい戦略を説明する予定」だと伝えられています。

この新しい戦略について、テスラはもちろん、中国の自動車メーカー、BYDなどの脅威に対抗するためのものであり、2026年までのEV計画の変更を伝える(そしてそれに理解を求め、協力を仰ぐ)ものだとされています。

トヨタ・クラウン
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トヨタはマルチパワートレーン戦略を進めてきたが

なお、トヨタはこれまでマルチパワートレーン戦略と称し、「ピュアエレクトリックカーは、消費者が求めている選択肢ではない」という前提のもと、ハイブリッドや水素、もちろんガソリンオンリーという選択肢を消費者に提供することによって消費者の利便性を図ろうとしてきたわけですが、時代はトヨタの想定とは異なって「エレクトリック」志向が強まっており、多くの消費者が「EVを買おう」と考えていると言われます。

トヨタ
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ちなみにこの状況においても「トヨタディーラーの生の声として、顧客がEVを欲しがっているという話は聞かない」と報じられているものの、それはトヨタのEVラインアップが少なく、そして唯一のラインアップであるbZ4Xの魅力が乏しいためであり、そもそもEVを欲しがる人はトヨタディーラーを訪れないのかもしれません。

トヨタ
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ちなみにトヨタ(豊田章男社長)は「急激なEVへの移行は、これまでガソリン車に対応するパーツを製造してきたサプライヤーの仕事を奪ってしまい、自動車業界の雇用が失われる」とも述べていますが、このままだとトヨタにおける生産台数が大きく減少し、どのみちサプライヤーの仕事がなくなったりするんじゃないかとも考えたりするのですが、そうなると、トヨタはサプライヤーへの恩を仇で返すことになるりそうです。

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じゃあトヨタは今後どうするのか

そこでトヨタは「最悪の事態に陥らないよう」早めに手を打とうと考えてミーティングを開催することにしたのだと思われますが、この「新しい計画」の骨子はEV計画を推進するとかそういったものではなく「EVのコスト引き下げ」にあるのだと思われます。

実際にトヨタbZ4Xが売れていないのは、テスラに比べて「パワーが無い、効率が悪い(航続距離が低い)、高い」という三重苦を背負っているためだと言われますが、その価格の高さにもかかわらずbZ4Xは「儲からない」クルマだと言われているわけですね。

そしてその原因は、このbZ4XやレクサスRZに採用される「e-TNGA」プラットフォームにあると言われ、トヨタは「コストをかけて開発したe-TNGAを捨ててでも、新しい、そしてコストの低い新型EV用プラットフォームを開発すべきである」という結論に達しつつあるとも報道されています。

やっぱり売れてない?トヨタがbZ4Xの契約申込金を半額に引き下げると発表。bZ4XはKINTO経由でしか契約できず、料金引き下げで申し込みを増加させるねらい
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もちろんこの結論はもっとも過激なものであり、このほかにも「折衷案」などがあるかもしれませんが、仮にe-TNGAを捨てて新しいプラットフォームを開発すると、その実用化までには3年の歳月を要し、つまりはこれまでに計画していたEVの発売ができない、もしくは遅れることになるのは間違いなく、この結論を出すために今回サプライヤーを集めて意見を聞き、また協議することになるのかもしれません。

なお、今回の会合はグローバル規模で行われるといい、これはコロナウイルスのパンデミック以降はじめてのことだそうなので、いかに現在の状況が深刻であるかもわかろうというもの。

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トヨタ・クラウン
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なお、トヨタが「1台あたりの利益がテスラの1/8」となってしまった原因、逆にテスラがトヨタの8倍も儲かる会社となった理由としては、テスラが常にコスト改善と生産効率の向上に焦点を当ててきたからだとされ、トヨタがテスラの真意を見抜けなかったのは失策だと捉えていいのかも(トヨタはかつてテスラと提携していたが、当時”テスラから学ぶことは何もない”として提携を解消している)。

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トヨタは「3段階」に分けてEV戦略の見直しを行う?

参考までに、少し前に報じられた内容だと、トヨタは「3段階に分けてEV戦略の見直しを行う」。

まずはすでに計画済みのEVにつき、一部のプロジェクトを中断し、新しく(BYDとの提携を成功させ、中国でbZ3の投入を行った寺師茂樹氏を中心に)組織したワーキンググループにて、EV市場におけるコストパフォーマンスと技術レベルを向上させること。

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このワーキンググープは、EVプラットフォーム「e-TNGA」の後継車種の検討を含め、トヨタのEVへのアプローチを改善する計画の概要を示す役割を担っているといいます。

そして第二段階としては、トヨタがe-TNGAプラットフォームをベースとしたモデルを開発するであろう今後数年間を対象としており、これには計画の縮小や変更が含まれると思われ、この修正案が今回サプライヤーに対して説明されるものだと見られているようですね。

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最後の第三段階は、e-TNGAを廃止すること。

e-TNGA自体は現在のトヨタの世界販売倍数の1/3に相当する、年間350万台規模の生産を想定して設計されたものですが、上述の通りコストが高く、安価なEVが多数登場している中で競争力を発揮できるものではなく、これを廃止してコストの安い新プラットフォームに入れ替えなければ、そもそも「年間350万台」のEVを販売することなど夢のまた夢、ということに。

なお、(量産される工業製品において)「コストがかかっているから、手がかかった良い製品である」というのは間違いで、現代においてコストがかかっているというのは「時代遅れで効率が悪い」とほぼ同義だと捉えています。

つまり設計技術の低さ、製造工程の複雑さ、さらに信頼性の欠如、修理コストの増加を意味しており、「コストがかかっている」と主張することは、同時に「この製品は技術レベルが低い」と主張するのと同じことなのかもしれません。

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参照:Reuters

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