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フェラーリがF12 tdf開発時に使用した試作車「プレシリーズ」が競売に登場!フェラーリによって新車状態に仕上げられ、これを手に入れれば「歴史の生き証人」に

フェラーリがF12 tdf開発時に使用した試作車「プレシリーズ」が競売に登場!フェラーリによって新車状態に仕上げられ、これを手に入れれば「歴史の生き証人」に

| フェラーリは時折試作車を顧客に販売するが、それを転売すると「誰が売ったか」すぐにバレそう |

試作車なのに塗装は高価なジャッロ・トリプロ・ストラート

一向にその価値が下がらないフェラーリF12ベルリネッタのスペシャルバージョン、「F12tdf」。

これはかつての公道レース、「ツール・ド・フランス」へとフェラーリが250シリーズを用いて参戦し、合計9回の優勝を果たしたのちにオーガナイザーから「ツール・ド・フランス=tdf」の名称使用許可がおりたことで誕生した「250GT ベルリネッタ tdf」へのオマージュでもあります。

そのため、現代のF12 tdfには、当時の(1956-1959年)250GT ベルリネッタ tdfを連想させるモチーフが多々盛り込まれているわけですが、真に注目すべきはそのパフォーマンスであり、740馬力から一気に40馬力も向上したその出力、110kgもの軽量化、後輪ステアリングの追加(フェラーリのロードカーでは初の装備)など枚挙に暇がありません。

Ferrari-F12-tdf (18)

フェラーリF12tdfはこんなクルマ

フェラーリF12tdfの外観はベースモデルのF12よりもぐっとアグレッシブになっており、フロントバンパー形状はそっくり改められ、サイドアンダーにはウイングレットが装着されています。

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フロントから取り入れたエアは「エアロブリッジ」を通じて車体側面へと流されることに。

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リアフェンダーには250シリーズを連想させる3本スリット、そして(当時風の)レトロな給油口も。

なお、このスリットは実際に低圧を生成してダウンフォースを発生させるという機能も持っています。

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テールエンドは跳ね上げられ(60ミリ長く、30ミリ高くなっている)、そのほかのエアロダイナミクス向上によってダウンフォースは87%の向上を果たしています(リアエンドにはアクティブディフューザーが装着されている)。

ちなみにこのリアスポイラーに効果的に風を当てるためにリアウインドウの角度がより「立っている」など、F12ベルリネッタとは多くの点で相違があるようですね。

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その結果、フェラーリF12tdfが0-100km/h加速2.9秒、最高速度340km/hというマラネロ史上最速のクルマとなっており、そのあまりに高いコレクション価値のため「所有しているオーナーが手放さない」クルマとしても知られていますね。

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ちなみに時速200km/h時には230kgものダウンフォースを発生します。

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エアロダイナミクスに対する飽くなき追求は見えない部分にまで反映されており、GTレーシングカーからのフィードバックを受けた3対のストレークがアンダーボディに追加され、これだけでダウンフォースは(f12ベルリネッタ比で)+30%を稼ぎ出すことに。

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テールパイプは左右に押しやられていますが、これは中央部の面積を広く取るためで、その中央部には3つのチャンネルを持つアクティブフラップが備わり、それぞれ「水平」「カーブ」「垂直」という構造を与えることにより、生成する渦を最大化しているわけですね(812コンペティツォーネのテールパイプが端の方にあるのも同じ理論だと思われる)。

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なお、フロントタイヤはF12ベルリネッタの225幅から一気に275幅にまで拡大されていて、これによってさらに高い横方向のGに耐えうるようになっていますが、これはフェラーリのレーシングプログラム「XX」からのフィードバックを受けたもの。

ちなみに近年のFRスポーツカーのほとんどはフロントタイヤが相当に太くなっています(GRスープラもかなり太い)。

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ただ、フロントタイヤを太くするとグリップは増すものの、限界領域ではオーバーステアにもつれ込むことがあり、それを防止するために考案されたのが後輪ステアリングつまり「バーチャル・ショートホイールベース・システム」で、これはステアリングホイールの切れ角や車両速度等のデータによって最適なホイールベース長を算出し、それを実現するために連続的に後輪の角度が変化するというシステムです。

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このフェラーリF12 tdfはテストのための「プレシリーズ」

なお、このフェラーリF12 tdfについて特筆すべきは、フェラーリが「ホモロゲーションテストなどの重要なプレプロダクション活動のために使用した」プロトタイプ(シャシーナンバー213666)ということ。

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ボディカラーはジャッロ・トリプロ・ストラート(高価なことで知られるオプションのボディカラーで、これを試作車に用いるところはさすがフェラーリ)、インテリアはネラ・アルカンターラ。

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テストが完了し、F12 tdfが発売された後にもフェラーリはずっとこの個体を保管していたそうですが、2018年に今回出品することになったオーナーへと車両を売却したという記録が残ります。

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売却に際してフェラーリはこのクルマを完全に新車状態にまでレストアしたそうですが、走行距離については巻き戻されることはなく、7,810kmを指しています。

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なお、フェラーリはこういった「開発が終了した」プロトタイプを顧客へと販売することがあり、これまでにもなんどかそういった貴重な「フェラーリの歴史」がオークションに登場していて、そして今回のF12 tdfプレシリーズもまた、購入によって「歴史の生き証人」となることができるということを意味するのでは、と理解しています。

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参照:RM Sotherby's

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