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生産わずか「クーペの1/22」!希少なE30 BMW M3カブリオレが競売に。BMW自らが2年の歳月をかけてレストアしたグッドコンディション

2023/03/11

生産わずか「クーペの1/22」!希少なE30 BMW M3カブリオレが競売に。BMW自らが2年の歳月をかけてレストアしたグッドコンディション

| このBMW M3カブリオレの現在の走行距離は約8万キロ、しかし機能的には新車レベル |

いったん防音材や遮音材を剥がしての徹底的なレストアが施される

さて、BMW M3(M4)はE30世代にそのルーツを持ちますが、このE30世代ではクーペの他に「カブリオレ(コンバーチブル)」が発売されており、これは781台しか生産されなかったというレアカーです。

そのため中古市場やオークションで見かけることは「非常に稀」なのですが、今回そのレアなE30 M3カブリオレがオークションへと登場することに。

さらにこのM3は「BMW自身によってレストアされた」という非常に珍しい経歴を持つ一台であり、相当な高値にて落札されるであろうと見られています。

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このM3カブリオレはBMWによってエンジンが換装されるなど大規模レストアが施される

このM3のボディカラーは「マカオブルー」で、E30 M3カブリオレではもっとも象徴的なカラーだとされ、BMWが2018年に「M3カブリオレの30周年記念」を祝う際に用意した限定モデルもこのカラーを身に纏います。

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そしてこのM3最大の特徴はBMWのクラシックカー部門「BMWグループ クラシック」によって徹底的にレストアされているということで、2018年1月から2020年12月という長い時間をかけてレストアが施された、と紹介されています。

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なお、レストア前にはM5のエンジンとトランスミッションが積まれていたそうですが(それはそれで面白そうだ)、レストアの際には本来のS14(4気筒のM3本来のエンジン)とM3用トランスミッションへと戻され、本来の組み合わせを取り戻しているようですね。

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BMW M3は1985年にツーリングカーレース出場のためのベースモデルとして発売されており、3シリーズをベースにしつつも空力特性を向上させるためにルーフを延長したり、ワイドなホイールとタイヤを収めるためにブリスターフェンダーを装着するなど(ベースモデルに比較して)大幅な変更が施されたハードコアモデル。

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つまりE30 M3はモータースポーツに直結したモデルということになりますが、最大の特徴はこの「エンジン」にあり、これは(M1にも積まれていた)M88型3.5リッター直6から2気筒を削り取った2.3リッター4気筒(195−215馬力)で、やはりこの軽量かつパワフルなエンジンがあってこそのM3なのかもしれません。

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レストアに際しては車体の塗装を一旦剥がし、サビを除去した後に再塗装を行ったと紹介されており、たしかに新車のような輝きを持っているようにも見えますね(制振材や防音材も一旦剥がされ、新しいものが装着されている)。

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機能面だとオイルクーラー・パイプのオーバーホール、プロペラシャフトの交換、マフラーとエキゾーストシステムの交換が行われ、そのほかだとフロントガラス、フォグランプ、ボンネット、ステアリングホイール、ステアリングコラム、シフトノブ、オンボードコンピューターと温度計といったパーツが交換されているもよう。

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ルーフも新しく張りなおされ、これは本来のダークブルー(画像だとちょっと明るく見える)を維持している、とのこと。

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その生い立ち(M3では唯一、競技を前提に開発されている)、さらにメカニズムなど総合的に考えても「M濃度」がもっとも高いM3がこのE30世代ということになりますが、競技用ベース車ということで(BMWは)本来オープンモデルの投入を考えていなかったものと考えられ、しかしなぜオープンモデルを(M3クーペ発売の3年後に)追加したのかはちょっとナゾ。

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もしかすると、当時のライバルであったメルセデス・ベンツ190E 2.3-16にはオープンモデルが設定されておらず、その対抗の意味もあってBMWは「M3のオープン」を企画したのかもしれません。

参考までに、M3クーペは17,086台が製造されていますが、M3カブリオレはわずか781台が作られたのみなので、いかに希少であるかがわかろうというものです。

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このM3カブリオレのインテリアはこうなっている

そしてこちらは今回出品されているこのM3カブリオレのインテリア。

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ちょっと面白いのは、メカニカルパーツや外装が「新車同様」にレストアされているのに対し、インテリアではシートのみにその年季が感じられること。

これはおそらく、オーナーが「自分がこのクルマとともに過ごした年月」を忘れないよう、あえてこの状態を残したのではないかと考えていますが、自動車のみならず、(嗜好性の強い)腕時計のオーバーホールでも同様の例が見られ、傷を愛おしむ人も数多くいると聞きます。

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一方でシフトノブやステアリングホイールは新しく張り替えられており、こちらは「通常の」レストアがなされたもよう。

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現在の走行距離は80,407kmを刻んでおり、しかしいったんレストアがなされたということもあってコンディションは新車同様と考えて良く、オークション終了時には「いくらになっているのか」ちょっと楽しみでもありますね。

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参照:COLLECTING CARS

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