| キース・リチャーズは自身の運転にてツアー中の移動にこのディーノ246GTを使用 |
この個体の他には「ライトカバー付き」のディーノを見たことがない
さて、2018年にもオークションに登場した「キース・リチャーズが所有していたフェラーリ・ディーノ246GT」が再び競売に。
キース・リチャーズもまたロックンローラー(この表現が懐かしい)の例に漏れずスポーツカー好きとして知られており、ロッド・スチュワート、エルトン・ジョン、ニック・メイソン(ピンク・フロイド)、キッド・ロック、ジェイムズ・ヘットフィールド(メタリカ)、エリック・クラプトンらと並び、数々のスポーツカーやスーパーカーを所有していたことが報じられていますね。
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キース・リチャーズのフェラーリ・ディーノは珍しい「ライトカバー」付き
このディーノは一見してわかるとおり「ライトカバー」が装着されるという「非常に希少な」個体。
柳沢きみお著「DINO」でも主人公が”ライトカバー付きの”ディーノに乗っており、しかしこのパーツが非常に少なく入手に苦労することについても触れられていますが、実際にこのキース・リチャーズの個体のほかにライトカバー付きのディーノを見たことはなく、とにかく「このパーツを装着したディーノは少ない」と考えて良いかと思います。
それはともかくとして、このフェラーリ・ディーノ246GT(シャシーナンバーは03354)は1972年2月10日にフェラーリの工場から出荷され、ボディカラーはアルジェント・メタリッツァート、インテリアはネロ・コノリー・レザー。
この個体はディーノ246GTの最終的かつ最もメカニカルな進化を遂げた「Eシリーズ」で、搭載される2.4リッターV6エンジンは192馬力を発生し、トランスミッションは5速マニュアル。
キース・リチャーズがカリフォルニアに住んでいた際に購入した米国仕様車で、1972年6月にモダン・クラシック・モータース経由にて納車されたという記録が残ります(その前にミシガン州のエンジニアリング会社に所有権があったようだ)。
その3年後となる1975年、キース・リチャーズはこのクルマをイギリスに送り、現地のナンバープレート(GYL 157N)を取得していますが、ローリング・ストーンズのヨーロッパ・ツアーでの移動に際してこのクルマを使用し、その後10年間で約4万キロを走行したのだそう(かなり気に入っていたとも考えられる)。
このフェラーリ・ディーノ246GTは日本人コレクターに売却されたことも
さらにその後には走行距離25,112kmの時点で日本のコレクターに売却されたことが記録されており、これは1986年4月25日付にローリング・ストーンズのツアー・マネージャーであるアラン・ダンが記した文書からも確認できると紹介されています。
2014年になるとこのディーノ246GTは日本からヨーロッパに移され、新しいオーナーは イギリスのEDMバンド、ザ・プロディジーのリーダー、リアム・ハウレット(同じくプロディジーの故キース・フリントもカーマニアであり、ポルシェを好んだと言われる)。
そしてリアム・ハウレットはロンドンのヴィンテージカー・スペシャリスト、ジョー・マカリ・パフォーマンス・カーズにレストアを依頼し、そこでは6万ポンド(現在の為替レートだと約1100万円V6エンジンはじめランニングギアのリビルドが行われることに。
その後このディーノ246GTは2人のオーナーの手に渡ったそうですが、いずれのオーナーも入念なメンテナンスを施しており、今現在でも1972年にリチャーズが手に入れた時とほぼ同じ姿を残しています。
クロマドーラ・アロイ・ホイール、フロントフード内のスペアホイールも当時のままだとされ、高いオリジナル性を持つことも魅力のひとつ。
現在の走行距離は30,037マイル(おそらくメーター交換がなされておらず、間違いのない距離だとされている)だとされ、上述のようなオリジナル性、ライトカバー、そしてキース・リチャーズにリアム・ハウレットの所有歴ということを考慮すると、50万ドル(現在の為替レートにて約7134万円)という高額エスティメイトにも納得できようというものですね。
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参照:RM Sotheby's