| ニキ・ラウダはこのレースで190E 2.3-16を駆り2位に入っている |
現存するメルセデス・ベンツ190E 2.3-16「ニュルブルクリンク」は2台のみ、別の一台はメルセデス・ベンツが所有しており「売りに出されることはない」
さて、ニキ・ラウダのドライブによってレースに参戦した1984年式メルセデス・ベンツ190E 2.3-16「ニュルブルクリンク」が、RMサザビーズ開催のオークションへと登場予定。
メルセデス・ベンツ190シリーズが登場した80年代初頭、メルセデス・ベンツは優れた品質と耐久性という面において比類のない評判を得ていたものの、「スポーツ性という点での評価は高いものではなく、よって同社が開催したのが「ニュルブルクリンク・チャンピオンズ・カップ」です。
ニュルブルクリンク・チャンピオンズ・カップとは?
そしてこのニュルブルクリンク・チャンピオンズ・カップについて、使用するクルマは190シリーズきってのハードコアバージョン「2.3-16」、そしてそれらを駆るのはニキ・ラウダほかアラン・プロスト、アイルトン・セナといった20人のF1ドライバー。
これら20人のドライバーのためにメルセデス・ベンツは生産ラインから190E 2.3-16を21台だけ取り出し、(当時のモータースポーツ部門である)メルセデス・ベンツ・スポーツテクニックによって特別に改造を施すことに。
改造の内容としてはサスペンション、4ピストンフロントブレーキ、エキゾーストシステムといったところで、インテリアだとボルトイン・ロールケージ、6点式ハーネス付きレカロ・レーシングシートが取り付けられ、さらには消火器などの安全装備が追加されています。
もちろんトランスミッションはマニュアル、そしてステアリングホイールも直径が小さなものへと交換済み。
ただしデザインはノーマルと同じでエアバッグも装着されているもよう。
ルーフ内張りは「レス」。
リアシートがそのまま残れているところもユニークですね。
車体には大きく「LAUDA」、そしてレーシングナンバーの「18」が入り・・・。
ホイールデザインはノーマルのままですが、ホイールそのものはワイド化されているといい、タイヤはピレリP7 205/55VR15へ。
搭載されるエンジンは名門コスワースによってチューンされた16バルブ、2.3リッター4気筒、出力は183馬力。
0−100km/h加速は8秒以下、最高速度は230km/hというスペックを誇ります。
19台のメルセデス・ベンツ190E 2.3-16「ニュルブルクリンク」はノーマルへと戻されて「中古車」として販売される
なお、この個体は1984年5月12日のレースで2位に入ったものだそうですが、21台用意されたニュルブルクリンク・チャンピオンズ・カップ向けのメルセデス・ベンツ190E 2.3-16はこのニキ・ラウダ仕様、そしてアイルトン・セナ仕様の2台を除いてすべてノーマルへと戻されてメルセデス・ベンツのディーラーを通じ「中古車」として販売された、とのこと。
そしてその2台のメルセデス・ベンツ190E 2.3-16「ニュルブルクリンク」のうち、アイルトン・セナ仕様はメルセデス・ベンツ・ミュージアムに収蔵されることになり、このニキ・ラウダ仕様は個人コレクターへと販売されることとなったそうですが、つまり今回出品されるメルセデス・ベンツ190E 2.3-16「ニュルブルクリンク」は”唯一の”市場にて売買される可能性がある個体ということになります。
そういった「とんでもなくレアな」個体だけあってこのメルセデス・ベンツ190E 2.3-16「ニュルブルクリンク」は最高で50万スイスフラン、つまり日本円換算で8266万円相当にて落札されるというエスティメイトが出されていますが、それも「当然」なのかもしれませんね。
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参照:RM Sotheby's