| 欧州では高い人気を誇ったフォード・シエラだが、北米での人気はイマイチだったようだ |
それでもこのクルマを見れば考え方が変わるかも
さて、SEMAでは数々のカスタムカーが展示され話題を呼んでいますが、意外と見かけないフォード・シエラ・コスワースRS500の現代的解釈が話題に。
なお、この「シエラ」は欧州にて販売された際の車名で、アメリカでは「メルクール(Merkur)」なるサブブランドから発売されることになり、その結果として「フォード・シエラRS」ではなく「メルクール RS4Ti」という名称にて市場に送り出されています。※メルクール RS4TiのエンジンはシエラRSとは異なるものが積まれており、コスワースチューンではないなど、双方には様々な相違がある
そしてこのメルクールは「わざわざ立ち上げられた新ブランド」であるにもかかわらず、専門ディーラーではなくリンカーン・マーキュリーディーラーにて販売されたためにプレゼンスが非常に弱く、1985年に新規設立されたものの、販売不振によって1989年にはその幕を閉じています。
フォード・シエラ・コスワースRS500 / メルクール RS4Tiのレストモッドはこんなクルマ
一方の(欧州版の)フォード・シエラ・コスワースRS非常に人気が高く、限定モデルとして500台のみが販売されたシエラ・コスワースRS500は即完売となっており、今でもオークションに登場すると非常に高額で落札されることも多いクルマ。
シエラ・コスワースRSは(欧州では)1986年~1992年にかけて5,500台が生産されていて、こちらも相応の台数が販売された人気モデルではあるものの、当時アメリカではラリー人気が高くなかったうえ、4気筒という少ないシリンダー数がアメリカ人を刺激しなかったのか、メルクール RS4Ti、そして通常の販売もさっぱり振るわず、よって北米での人気は非常に低いものと思われます。
そのためかこのメルクール RS4Tiのレストモッドが(北米で)脚光を浴びることはなく、しかし今回JHレストレーションスがこのクルマにスポットライトを当てることになり、メルクール RS4Tiに対してシエラ・コスワースRS500を意識した内外装フルカスタムを施し、そして推定出力450馬力を発生するフォード”エコビースト”エンジンを搭載してSEMAへと登場したわけですね。
ボディカラーは現代的なブルーっぽいグレー(ポルシェのグラファイトブルーっぽい色で、フォード純正の”エリア51ブルー”というカラーなのだそう)、そしてアクセントはブラックとオレンジというクールなカラーコンビネーションを持っており、オレンジは車体のみではなくホイールやミラーにも採用されています。
ボンネットには大きなパワーバルジが追加され・・・。
ブラックとオレンジのアクセント、そして両脇にはエアアウトレット。
フロントバンパーにはスポイラーが追加され、前後には大きなオーバーフェンダーが追加されています。
エンジンルーム、そしてエンジン本体も美しくカスタムされているのはアメリカ流。
トランスミッションはトレメック製TKX 5速マニュアル、駆動輪は後輪のみ(車体重量やパフォーマンスにかかわる数値は公表されていない)。
ブレーキシステムはウィルウッド製6ピストンブレーキで、もちろんサスペンションも一新され、ホイールはアメリカンレーシングVF529、タイヤはトーヨー・プロクセス。
ちょっと面白いのはポルシェ930ターボ風のデザインがリアウイングに与えられていることで、これはもともと装着される(ウイング部の)モールを大型化しているようですね。
フォード・シエラ・コスワースRS500 / メルクール RS4Tiレストモッドのインテリアはこうなっている
そしてこちらはメルクール RS4Tiのインテリアで、エクステリア同様にブルーをメインカラーとして用いていますが、よりレーシーに、そしてよりゴージャスにといった印象。
たとえばダッシュボードなどにはブルーレザーが貼られ・・・。
シートやドアインナーパネルには1980年代っぽいレカロ製ファブリック。
スイッチやメーター類はおそらく純正品を一部リビルトしているものと思われます(センターにはデジタルパネルが追加されている)。
センターコンソールにはやはりレトロなオーディオ、そしてシフトレバー(純正とは形状が異なるカスタム品)上のパターンにはレッドで墨入れ(この”レッド”はステアリングホイールのセンターマークにも使用されている)。
全体的に見て非常にバランスが取れた車両だと思います。
フォード・シエラ・コスワースRS500 / メルクール RS4Tiのレストモッドを紹介する動画はこちら
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参照:Larry Chen