| マセラティMC20の実力がこんなものとは思えない |
おそらくはタイヤ、路面コンディションなど様々な要素が関係していたのだと思う
さて、ドイツのカーメディア、Sport AutoがマセラティMC20にてニュルブルクリンクへとアタックし、その際の動画を自身のYoutubeチャンネルにて公開しています。
ステアリングホイールを握ったのはニュルブルクリンクのスペシャリストであるクリスチャン・ゲバルト氏で、7分25秒26を記録していますが、このタイムはエンツォフェラーリの7分25秒21よりもわずかに遅く、MC20の祖先でもあるマセラティMC12の7分24秒27には手が届かなかった、という数字です。
なお、今回の動画では「旧」計測方法でタイムを測っているように見え(計測終了地点がスタート地点よりも手前にあるように思える)、「旧」計測方法だとするとニュルブルクリンクの市販車ランキングでは54位といったあたりに位置します。
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正直、マセラティMC20の数値は「やや意外」ではある
ちなみに今回のタイムについては正直「意外」だと捉えており、というのもマセラティMC20であればもっと速く走れるはずだと考えていたため。
マセラティMC20はカーボンファイバー製モノコックシャシーを持ち、(車体ミッドに)搭載されるエンジンは630馬力、そしてトランスミッションは8速トレメック製デュアルクラッチ、駆動輪は後輪のみ。
スペックから推測すると、7分を切ることは難しいとしてもマクラーレン600LTの7:08.82、ポルシェ718ケイマンGT4RSの7:04.511くらいのタイムでは周回できるんじゃないかと考えていたわけですね。
このタイムにとどまった理由は不明ではあるものの、もしかするとタイヤ(ブリヂストン・ポテンザ・スポーツ)に大きな要因があるのかもしれず、もっとハイグリップなタイヤを履いていればタイムを短縮できたのかもしれません。
たしかにマセラティMC12は「別格」ではあったが
なお、マセラティMC12は「そのままレースに出場できるクルマ」がコンセプトであったフェラーリF40のマセラティ版であり、車体構造はカーボンファイバー製モノコック、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン、そして搭載されるエンジンは632馬力を発生させるV12。
トランスミッションは6速セミAT、駆動輪は後輪のみというアナログなレシピを持つスーパーカーであり、トランスミッションや車体制御技術に勝ると思われるMC20がこれに勝てなかったのはちょっとナゾ。
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上述の通りタイヤの問題、そして重量(MC12は1,330kg、MC20は1,500kg)の問題もあったのだとは思われますが、逆に「20年も前のスーパーカーである」MC12の性能が際立った結果となったのかもしれません。
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参照:sport auto