BMW「Mカーではダウンサイズされたエンジンを用いることはない。直6とV8で行く」。メルセデスAMGとは真逆の方向にてハイブリッドスポーツへとアプローチ

｜　BMWはあくまでもガソリンエンジンをメインだと捉え、エレクトリックモーターはその補佐にとどめる　｜

バッテリーの重量やコストを嫌い、これによって軽快さが失われないようにしたいのだと思われる

さて、BMWのハイパフォーマンス部門「M」ではエンジンをダウンサイズする計画を持たないとの報道。

これはBMW M社のボス、フランク・ファン・ミール氏がカーメディアに対して語ったもので、「エレクトリックモーターと4気筒とを組み合わせてハイパフォーマンスカーを作る予定はなく、現在の3リッター6気筒エンジンと4.4リッターV8エンジンを使用し続けると明言しています。

「小型エンジンと大型バッテリーを組み合わせるのは我々のやり方ではない」

フランク・ファン・ミール氏は「ダウンサイズされたエンジンと大型バッテリーとを組み合わせるのは我々のやり方ではない」と述べており、つまりメルセデスAMGのように「4気筒ターボエンジンとエレクトリックモーター」を組み合わせることはないとコメントしているわけですが、BMWの「Mカー」にとってはあくまでもガソリンエンジンがメインであってエレクトリックモーターはその補佐にとどまり、これはM専売モデル「XM」を見ても明らかかもしれません。

私たちは、とにかく強力なベースエンジンを作りたいので、そのようには考えていません。したがって、私たちにとって、より大きなバッテリーと、より小さなエンジンとを組み合わせて使用することは正しい方法ではないのです。

なお、BMWは（M社のみならず）この状況においてもマルチシリンダーエンジンを諦めず、それどころか巨費を投じて開発や改良を行っていると報じられており、つまりは「ガソリンエンジンを諦めていない」ということに。

BMWはなぜガソリンエンジンをダウンサイズしないのか？

その「本当の理由」についてはBMWから明かされていないものの、まずひとつは「いかにシステム合計での出力が同じであっても」ハイブリッドシステムにおけるエレクトリックモーターの出力が高ければその分バッテリーが大きくなり、となると車体重量が嵩んで運動性能が落ちると認識しているからだと思われます。

実際のところ、これはメルセデスAMGの「4気筒ハイブリッド」搭載モデルの販売状況にあらわれていて、新型メルセデスAMG C63 S E パフォーマンスの重量が先代の1,690kgから大幅に増え2,036kgへ増加したことで大きく支持を失ったという報道も。（BMW M3は1,640kg）。

そしてもうひとつの理由は「コスト」であると考えられ、というのもバッテリー容量が増えれば増えるほどその製造コストは高くなってしまい、それはもちろん車両販売価格にも上乗せされてしまうため。

早い話が「高い割に重くて運動性能が劣る」クルマ（とくにハイパフォーマンスカー）を購入する人はいないだろうとBMWは考えているはずで、これは「もっとも」なところだと思います。

さらに言及するならば、周りがダウンサイジングを進めてゆく中で「マルチシリンダー、大排気量」エンジンを維持すればそれだけで排他性を持つことになり、ブランディング上でもこれ以上ないほどの強みを持つことになるのかもしれません。

いずれにせよ、現在のM部門の販売好調っぷりを見るにBMWの進む方向に間違いはないものと思われ、よってBMWが現在の方針を変更するとは考えにくく、よってピュアエレクトリックへと移行する直前までは大排気量エンジンが継続されることになりそうですね。

合わせて読みたい、BMW関連投稿

参照：CarExpert