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BMWジャパン「はじめて買う人のBMW、はじめました」。装備を見直して「お求めやすい」グレード、「Original(オリジナル)」を追加。この現象について考える

BMWのフロントグリルとエンブレム
Life in the FAST LANE.

| 現在日本におけるジャーマンスリーの販売は減少傾向にあり、各社とも販促手法には趣向を凝らしている |

低金利に加え「お買い得グレード」の追加も

さて、BMWジャパンが「はじめてBMWを買う人向け」として装備を簡略化したお買い得グレード「BMW original(BMWオリジナル)」を展開開始。

これまでのモデルとの価格差は小さくはなく、たとえば「BMW 120 original」だと、それまでの「500万円」に対して「480万円」、「BMW X5 xDrive40d M Sport original」だとそれまでの「1373万円」から「1298万円」へと75万円もの大幅プライスダウンとなっています。

これは「値上げ」著しい昨今においては異例ともいえる対応であり、それについてちょっと考えてみましょう。

この記事の要約

  • BMWジャパンがお買い得グレード「オリジナル」を投入
  • 「数十万円」単位での大幅値下げ
  • ドイツの自動車メーカーは2026年に入って販売に苦戦
  • インフレ率の違いによって欧州の自動車メーカーは「競争力を失い」、逆に日本のメーカーは「チャンスを得た」?
BMWのステアリングホイール
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なぜ今「値下げ」?

この数年、とにかく「値上げ」が続いてきたのが自動車業界(自動車業界に限ったことではないけれど)。

しかしBMWジャパンはこの「BMW オリジナル」にて、「値上げ」ではなく逆に(このご時世では)異例の「値下げ」へと踏み切ることに。

そしてこの「時代に対する逆行」ともいえる戦略を取ったのには昨今の販売低迷が響いているのだと思われ・・・。

BMW・メルセデス・ベンツ・アウディ 日本販売台数の推移

まずBMW、メルセデス・ベンツ、アウディといった「ジャーマンスリー」のこの6年の販売推移(日本国内)を見てみるとこんな感じになっています。

ここからわかるのは、2021年〜2025年までは各社とも波はあれど堅調に(とくにBMWは)推移しているように見え、しかし2026年だと現時点で各社揃って大きく数字を落とすことに。

年メルセデス・ベンツ前年比BMW前年比アウディ前年比
2021年51,678台—35,905台—22,535台—
2022年52,391台+1.4%30,887台-14.0%20,750台-7.9%
2023年51,238台-2.2%34,501台+11.7%24,632台+18.7%
2024年53,195台+3.8%35,240台+2.1%21,415台-13.1%
2025年50,857台-4.4%35,729台+1.4%23,906台+11.6%
2026年1~8月30,284台-7.8%18,930台-17.2%13,270台-10.4%
BMW 4シリーズのヘッドライトのアップ(マンハッタングレー)
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とくにこれまでプラス成長を続けてきたBMWが大きく数字を落としていることは注目に値する事実であり、BMWジャパンはこの事実に対処すべく、今回の「オリジナル」の投入に踏み切ったのだとも考えられます。

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「BMW オリジナル」とは

そこでこのBMW オリジナルにつき、上述の通り「はじめてBMWを買うという人に向けた、手の届きやすいモデル」というポジショニングですが、設定されるのは以下のモデルたち。

上述の通り「数十万円規模で」価格が(装備の見直しとともに)引き下げられていますが、同時に「支払い情報(月々の支払金額など)」が全面に押し出されるなど、強く「価格を訴求した」シリーズとなっています。

なお、BMWは以前より製品ページのかなり目立つ位置に「金利」を掲載するなど「実際の購買」をイメージしやすくするサイトの構成を持っており、”売る”ということに対してはかなり積極的なブランドです。

BMWディーラー
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  • BMW 120 original
  • BMW 220i アクティブ ツアラー original
  • BMW 220 グラン クーペ original
  • BMW X1 sDrive20i original
  • BMW X2 sDrive20i original
  • BMW X3 20 / 20d xDrive original
  • BMW X5 xDrive40d M Sport original

なぜ天下のジャーマンスリーに「陰り」が?

そこで気になるのが「なぜドイツ御三家が揃って販売を落としているのか」。

これにはモデルチェンジのタイミングなど、製品の「入れ替え」が関係しているという側面も考えられるものの、実質的には「国産車に食われている」のではないかと考えられます。

現在の国産車のレベルは(デザインや質感、走行性能において)非常に高く、しかも売却時の「値落ち」もジャーマンスリーに比較して小さいため、一部の間では「輸入車を買うメリット」を見いだせなくなっている、あるいは輸入車を購入することを正当化できなくなっているのでは、とも考えるわけですね。

マツダCX-5(レッド)のヘッドライト
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実際のところ、国産車ディーラーでよく聞くのが「輸入車からの乗り換えが多い」ということですが、国産車の競争力が輸入車に追いついたということにつき、単に「国産車が良くなった」ということのほか、「輸入車の価格はとんでもなく上がったが、国産車の価格はそれほど上がっていない」ということがあるのでは、とも考えています。

現在欧州ではインフレが凄まじい勢いで加速しており、しかし日本ではインフレが進むといえど「まだ穏やか」。

たとえば欧州では賃金がどんどん上昇し、メルセデス・ベンツの工場だと製造に関わる人の時給が9,400円、しかしトヨタだと1,500円なので、これがそのまま「クルマを作るコスト」へと跳ね返ってくるわけですね。

新型メルセデス・ベンツCLAのインテリア〜ダッシュボード
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メルセデス・ベンツCLAのフロントグリル
メルセデス・ベンツが時給9,400円のドイツから時給3,000円のハンガリーへ製造の移管を加速。ちなみにトヨタの国内工場の時給は約1,500円である

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よって欧州から輸入するクルマは「非常に割高」、そして国内で生産する日本車は「割安」ということになりますが、ここで「単純に価格だけではない」問題が生じることになり、それは日本車が「欧州車に対して戦略的かつ意図的なプライシングを行うことが可能になる」ということ。

たとえば、欧州のコンパクトセダンがインフレによって800万円になったとして、日本のコンパクトセダンが400万円にとどまる場合、日本の自動車メーカーは「わざわざ」それを400万円で売る必要はなく、「50万円くらい追加コストをかけて」よりいい”欧州車に対抗できる”クルマを作り、しかし小売価格については50万円くらいではなく、欧州車に対して割安だと感じられる「600万円で」販売したとしても「消費者に対しては」十分に割安感を提示できるというわけですね。

正直なところ、最近の国産車のレベルが上がったのは「欧州車の価格が高くなりすぎたので」それにあわせて国産車メーカーが「小売価格の引き上げを前提とし、それに見合った品質と性能の向上」を行ったからじゃないかとも考えていて、不必要に「安く売る」のではなく、消費者が納得できるレベルのコストパフォーマンス、そして輸入車に対する価格競争力を目指したからではないか、とも捉えています(それすれば自動車メーカーの売上と利益も増え、消費者も納得し、皆が得することに。ただし輸入車ブランドにとっては痛手である)。

トヨタ アルファードのシート
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つまるところインフレは「消費者にとっての負担」となる一方、メーカー側にとっても「製造コストの上昇による競争力の喪失」という大きなダメージを与えるということになり、そして生産地によってインフレ率が異なれば、それは大きなメリット(チャンス)になると同時に、デメリットにもなるというわけですね。

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参照:BMW

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