| さらにはストライプ、PORSCHE文字、シンガーのエンブレムすら装着されていない |
ベースとなるのは964世代の「911カレラ4」
さて、ポルシェ911のレストモッドを専門的に手掛けるシンガー・ヴィークル・デザインよりレトロラインの最新作「ウィンストン・コミッション」が公開。
味わい深いブルーに彩られたボディカラーを持っていて、このカラーはオーナーの指定による特別調合色であり、「Calanque de Sormiou(カランク・ド・ソルミオウ)」と命名されています。
なお、カランク・ド・ソルミオウはフランスはマルセイユにある地中海に面した国立公園で、よってこのブルーは地中海の色、そしてインテリアのブラウンは土地の色を表しているのだと思われます。
シンガー・ポルシェ911「ウィンストン・コミッション」はこんな仕様を持っている
そこでこのポルシェ911「ウィンストン・コミッション」の仕様を見てみると、ベースとなるのはもちろん964世代の911、しかし搭載されるのは4リッター自然吸気フラットシックス、そして駆動方式は4WD(つまりカレラ4のレストモッド)、トランスミッションは6速マニュアル。
ヘッドライトベゼル、ウインドウモール、ドアミラー、エンジンフード(上のルーバー)、ドアハンドル、フックスホイールのディスク部分などは”ブライトニッケル”仕上げ、そしてブレーキキャリパーもボディ同色。
興味深いのは、ほかのシンガー製ポルシェ911レストモッドとは異なり、ゴーストストライプや「PORSCHE」レターがサイドやリアにも入らないことで、「Singer」エンブレムも非装着。
シンガー・ポルシェ911「ウィンストン・コミッション」はこんな内装を持っている
そしてインテリアも独特の仕様を持っていて、シェルが「カランク・ド・ソルミオウ」にペイントされたカーボンファイバー製レーシングシートが装着され、その上に貼られるのは「トスカ」ヌバックレザー。
このヌバックレザーというのは表革の表面にヤスリをかけてスウェードのような質感をもたせたもので、これはかつて(アルカンターラのような人工スウェードがなかった時代に)均一な質感を持つスウェードを再現できず、その代替として用いられた技法ならびに素材です。
ただ、ヤスリをどれくらいかけるかという塩梅によって表革を残す量が変わってくるため、様々な表情を作り出すことが可能であり、このウインストン・コミッションのような「レトロな」風合いを演出することも可能となるわけですね。
シートやダッシュボード、ドアインナーパネルにはシンガー・ヴィークル・デザインならではの編み込みレザーが用いられていますが、これは「ブラックマスタードとファトムブルー」とを交互に編み込んだ素材であり、ブラウンのヌバックレザーとベストマッチ。
フロアカーペットもブラウンのヌバック、マットには一段濃い色味を持つざっくりとした素材を組み合わせていて、ステアリングホイールのスポークやペダルなどの金属部はブラック仕上げ(シートセンターに打たれたグロメットも珍しくブラック仕上げ)。
メーターリングはブライトニッケル、メーター文字盤はブラック、発光色はグリーンというシンプルな仕様です。
合わせて読みたい、シンガー・ヴィークル・デザイン関連投稿
-
ボディカラーは「アタックグレー」。スティーブ・マックイーンのポルシェ911を連想させるシンガー製911レストモッドが登場
| 一見「地味」に見えるものの、シンガーらしさが詰まったポルシェ911のレストモッドである | ブレーキローターはホイール内径「ギリギリ」 さて、450台の受注をもってレトロ路線のポルシェ911レスト ...
続きを見る
-
シンガー・ポルシェ911には珍しい?発色の良いボディカラーにコントラスト強め、そして独特のディティールを持つ「メープル・コミッション」公開
Photo:Singer Vehicle Design | クラシカルなタルガボディにエレガントなクリーム色がよく似合う | 一方で搭載されるエンジンは4リッター・フラットシックスという「最強スペック ...
続きを見る
-
シンガー・ポルシェ911「ターボ」系の仕上がりはもはやクルマを超えてアートの領域に。これまで以上に個性的な仕様を持つ個体が多数
| レトロ路線も悪くないが、こういったアートカー的なポルシェ911レストモッドも悪くない | ボクとしては、どちらかというとこのほうが好みではある さて、ポルシェ911のレストモッドのみならず「レスト ...
続きを見る
参照 / Photo:Singer Vehicle Design