フォルクスワーゲンが「R」ブランドの強化を発表。まずは地元にパビリオンを開設し、その後は「R&カフェ」などコミュニティの展開によって知名度向上を狙う

｜　現在までのところ、フォルクスワーゲンはその戦略が二転三転し方向性が定まらない　｜

つい最近では「電動化一本」から「マルチパワートレーン」戦略へ

さて、フォルクスワーゲンが「R」を独立したブランドとして展開する方向性を強化すると発表。

フォルクスワーゲンにおける「R 」は、2002年のゴルフR32から始まりますが、 その後2008年にはパサートR セダン/ワゴンが登場し、さらにその1年後にシロッコR、2013年にはポロR WRCが発売されています。

近年ではアルテオンやT-ROC、ティグアン、トゥアレグなどのSUVにも展開が拡大され、2023年位は約35,000台、そして累計だと300,000台が販売されるに至っており、つまりは「非常に成功したサブブランド」であるということに。

フォルクスワーゲンはまず「Rパビリオン」を設置

なお、フォルクスワーゲンはすでに2020年には「R」を独立した事業単位として展開するに至っていますが、今回さらにその独立性を強化すると述べており、つまりはメルセデス・ベンツ「AMG」、BMW「M」、アウディ「RS」のようなパフォーマンスブランドに育てたいと考えているもよう。

フォルクスワーゲン「R」の責任者、ラインホルト・イヴェンツ氏によれば「アウトシュタットに自社パビリオンを構え、パフォーマンス ブランドとしての認知度をさらに高めるために次の一歩を踏み出しています。オールエレクトリックブランドへの移行に伴い、コンセプトカーや新技術に関する独占的な洞察を通じじ、”R”の顧客エクスペリエンスも強化してゆきます」。※このアウトシュタットとは、ヴォルフスブルクにあるフォルクスワーゲングループのテーマパークのようなもので、VWグループの各ブランドがそこにパビリオンを構えている

この「R」パビリオンでは現行車両のほかコンセプトカーや限定車も展示されるといい、設置されたドライビング シミュレーターで仮想レースに参加することも可能となるそうですが、フォルクスワーゲン「R」としてはこれらによってRブランドの周知を図ってゆくこととなるようです。

このほか、将来的にはパフォーマンスパーツやライフスタイルアクセサリーの展示、そしてファン向けに「フレンズ・オブ R」「R & Coffee」といったコミュニティの展開も行うと述べており、今後の展開にも期待がかかります。

おそらくではありますが、フォルクスワーゲンが「R」を強化するのは「思うように進まない電動化、そして開発費のモトが取れないままに利益を積み上げることができない状況」をなんとかしたいと考えていいるからだと思われ、（一般に）利益が厚いとされるパフォーマンスブランドを強化することで少しでもフォルクスワーゲン全体の利益率を向上させてゆこうということなのかもしれません。

なお、「R」はパフォーマンス、デザイン、イノベーション、品質という4つの柱をもって活動を行っており、ピュアエレクトリック「R」の発売に向けて動いていると報じられていますが、今後「R専売」モデルが登場するのかどうかはちょっと気になるところですね。

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参照：Volkswagen