Image:Jaguar
| 今回のリブランディングについては「自動車史上最大の失敗の一つ」に数えられるかもしれない |
ここまで社内外から賛同を得られなかったプロジェクトも珍しいだろう
さて、発表直後こそは大きな衝撃を受け、様々な論争を巻き起こした「新しいジャガー」ですが、今ではすっかり沈静化してしまい、もう誰も話題にしなくなったように思います。
つまりジャガーのリブランディングは「人々を一時的に驚かせただけ」に終わってしまい、人々はまた以前の生活に戻ってしまったわけですが、ここが「その後何年も尾を引いた」テスラ・サイバートラックの発表と大きく異なるところかもしれません。※もしタイプ00がこのままのルックスで発売されれば話は別だが、実際は4ドアになるというので、かなり普通なクルマになるものと思われる
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ジャガーのリブランディングはジャガー内部でも反対意見が多かった
そこで今回報じられたのがジャガーの内部でも生じていた「新しいジャガーへ向けたリブランディングへの不満」。
オートカー・インディアによれば、ジャガー内部のデザインチームが会社のクリエイティブ・オフィサーであるジェリー・マクガヴァン氏に宛てた意見書を入手したとのことで、これには「(デザイナーたちが)ブランディングを外部のエージェンシーに任せたことや、その結果に対して不満を抱いていた」ことが示されているのだそう。
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この書類には最大で30名からなるメンバーの署名があるといい、「新しいロゴがジャガーの物語や視覚的アイデンティティと繋がっていない」「ロゴが丸みを帯びていて、『Exuberance(躍動感)』という印象を与えていない」「このロゴは他のブランドと似ており、『何もののコピーを行わない』というコンセプトにマッチしていない」という様々な苦情がしたためられていると説明されています。
なお、ジャガーのリブランディングは(広告代理店である)アクセンチュア・インタラクティブ社によって行われ、同社は2021年にジャガー・ランド・ローバー(JLR)のクリエイティブエージェンシー「Spark44」を買収していますが、この買収についても不満が多数上がっていたとされ、今回の「新しいジャガー」「タイプ00コンセプト」「その告知方法」についてはジャガー内部の総意で行われたわけではないもよう。
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今回の報道に対しジャガーは以下のようにコメントしていますが、結果的に今回のリブランディングはほぼポジティブな反応を得られておらず、よってこのまま進めてゆくことにはある種の危険性が介在するのかもしれません。
「クリエイティブなプロセスは、新しいアイデアを生み出し、課題に取り組むさまざまな段階を含みます。創造性は自然に主観性を伴うため、私たちの優先事項は、これらの創造的なアイデアの成長を育む環境を作ることです。この重要な変革を進める中で、私たちは思考を洗練し進化させるために多くの議論と討論を行っています。共に、成長と革新の機会を受け入れ、私たちの集団的努力が意味のある影響を与える成果を生むことを確実にしています。」
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