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| いまいったいジャガーに何が起きているのか |
記事のポイント(3行まとめ)
- 極秘プロジェクト: 2026年発売予定の新型EVに「航続距離を伸ばすための小型ガソリンエンジン(発電機)」を追加するという戦略が報じられる
- 驚異の航続距離: もし実現すれば、フル充電+ガソリン発電により、EV単体の約700kmを大きく上回る最大1,100kmの走行が可能に
- 公式は完全否定: ジャガー側は「EV専売化の計画に変更はない」と一蹴。理想と現実(EV需要の減退)の間で揺れるブランドの苦悩が浮き彫りとなる
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いったい名門ブランド「ジャガー」に何が起きてるんだ・・・。「空白の1年」と物議を醸すType 00の正体、そしてデザイナー解雇劇
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あまりに先行き不透明なジャガー
「ジャガーに再び火が灯るのか?」
2025年末に現行モデルの生産をすべて終了し、2026年から「超高級EV専売ブランド」として生まれ変わることを宣言したジャガー。
しかし、その華々しいリブートの裏で、衝撃的なニュースが駆け巡っています。
英タイムズ紙が報じたところによると、ジャガーのエンジニアたちは、新型EVに「レンジエクステンダー(発電用エンジン)」を密かに搭載する可能性を模索しているとのこと。
ジャガー公式は「事実無根」としてこの報道を否定していますが、なぜ今、ジャガーにエンジンの影がちらついているのか。
その背景には、世界の高級EV市場を襲う「冷ややかな現実」が指摘されています。
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1,100kmを走破する「GT」への変貌
今回の噂の核心は、新型EVプラットフォーム「JEA」に、駆動には一切関与しない発電専用の小型エンジンを組み合わせるというもので、これが実現すれば航続距離に対する不安(レンジアンビエント)は完全に解消され、かつてジャガーが得意とした「大陸横断グランドツーリングカー」としての性能が完璧なものとなるのかもしれません。
実現した場合のスペック予測
| 項目 | 純EVモデル(予測) | レンジエクステンダー搭載モデル(予測) |
| 航続距離 | 約700km (WLTP) | 約1,100km |
| 駆動方式 | 電気モーターによる4WD | 電気モーター(エンジンは発電のみ) |
| ターゲット価格 | 約約2,000万円~ | EVモデル+追加オプション費用 |
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なぜジャガーは「沈黙」と「否定」を繰り返すのか?
ジャガーはこの報道に対し、「EV専用ラグジュアリーブランドへの再構築計画に変更はない」と公式にコメントしています。
しかし、業界関係者が「信憑性がある」と考える理由は、ライバルたちの動向にあり・・・。
- 高級EVの需要減退: 米国や中国で、1,000万円を超える高額EVの販売が大きく鈍化
- ポルシェやボリボの転換: 競合他社も「完全EV化」の目標を相次いで下方修正し、ハイブリッド併売へ舵を切っている
- 直接競合の路線変更:ベントレーやロールス・ロイスといった「直接」競合するライバルにおいても「EV専売」路線が破綻し、「ハイブリッド中心」「V12継続」といった路線変更がなされている
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ベントレーは全ラインアップを電動化へと入れ替えるかわりに「ハイブリッドを核にした緩やかな電動化」へ。「高級車市場では誰もがEVを拒否しています」
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もしジャガーが「EVのみ」に固執し、市場から見放されれば、ブランドの存続そのものが危うくなり、よって今回の報道は、ジャガーが密かに用意している「プランB」が漏れ出たものではないか、と囁かれているわけですね。
なお、補足するならば、数年前は「EV専売ブランド」に一定の排他性と価値があり、それは「先進性」「環境への配慮」を示すものだったから。
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「85%を失ってもOK」として再ブランディングを強行したジャガーCEO、自身の職を失う。さらにドナルド・トランプは「ワケがわからない愚かな戦略」と広告を非難
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ただし今では「EV専売」に対して消費者はほとんどプラスのイメージを抱かず、というのもEV=「安価な中国のクルマ」「中国からのコピー車」というイメージが(特に欧州で)定着しつつあり、さらには加速するインフレ下において人々は「環境」よりも今日食べるものの心配をしなくてはならなくなったため(環境という、今の自分に関係のない事柄にお金を使う余裕はない)。
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そういった事情もあって「EV専売ブランド」は消費者にとって魅力的な響きを持たず、また歓心を買うことができないのが現在の状況でもあり、そこに固執することは企業として「完全なる間違い」であるとも考えています。
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関連知識:レンジエクステンダー(REEV)とは?
この「レンジエクステンダーEV(REEV、あるいはエクステンデットレンジEV=EREV)」は普通のハイブリッド(HEV)やプラグインハイブリッド(PHEV)と何が違うのか?
レンジエクステンダーEVでは、エンジンが直接車輪を回すことはなく、あくまで「バッテリーに充電するための電力を発生させる発電機」を積んでいるという構造で、常に100%エレクトリックモーターを使用したトルクフルな走りを楽しめるのが特徴です。
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中国市場では今、このREEV(航続距離延長型EV)が「EVの静かさとガソリン車の安心感を両立した正解」として爆発的な人気を博しており、ある意味では「EVのほうが時代遅れ」という捉えられ方すらなされているようですね。
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結論
ジャガーが12月のマイアミ・アートウィークで発表した「Type 00」コンセプトは、その過激なデザインで世界を驚かせましたが、しかし市販化に際しての真の驚きは、そのボンネットの中に静かに息を潜める「エンジン」が隠されることかもしれません。
ブランドのアイデンティティを守るための「完全EV」か、顧客のニーズに応える「エンジンの守護」か。
2026年の正式デビューに向けて、ジャガーの決断に世界中の注目が集まっています。
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