| これまでサイバートラックは「生産工程の複雑さ」から生産台数が限られると見られていたが |
現在ではその問題も解消し、大量生産の準備が整ったものと思われる
さて、テスラの存在を大きく変えたのが「サイバートラック」だと認識していて、それは「実際に売れずとも、大きな話題を呼ぶことで、テスラを多くの人に知らしめる存在となったから」。
そして発表後にはその予約台数が150万台に達したとも報じられていますが、実際にはそこまでの予約が入っていなかった、あるいはキャンセルが多く発生したと見え、今回「サイバートラックの値引き販売」の開始が報じられています。
テスラ・サイバートラックはこんな販売状況となっている
そこでまずサイバートラックの販売状況から見てみると、2024年には38,965台を納車し、フォードF-150ライトニングの販売台数を約5,000台上回るという数字。
ただしF-150ライトニングは前年より9,000台も多く販売するなどその成長ぶりが注目され、一方で、サイバートラックはその高額さから「購入者が限定され、大きく伸びないのでは」とも見られているわけですね。
さらにテスラは前年比でわずかながら(全モデルでの)販売台数が減っており、ここでテスラが「販売増の可能性があり、利益も厚いと思われる」サイバートラックの拡販に踏み切ろうと考えるのは自然ななりゆきかもしれません。
テスラ・サイバートラックにはこういった割引が適用される
そこで今回テスラが北米市場にてサイバートラックに実施している割引を見てみると、その内容は以下の通り。
- 新車割引:$1,600オフ
- デモカー割引:$2,620オフ
- 紹介コード割引:さらに$1,000オフ
ベースモデルの価格が約$80,000にものぼるサイバートラックに対するこれらの割引は大きな額ではありませんが、少なくとも購入を検討している一部の顧客を後押しする可能性も。
さらには約$60,000で販売されると予想される後輪駆動モデルが登場すれば、価格競争力が高まるうえ、連邦税額控除の適用も期待され、一層の販売伸長が期待されていますが、テスラはサイバートラックの年間生産キャパシティを「36万台くらい」と見積もっており、しかし現在の38,965台はこの数字からは程遠く、工場稼働率を上げるという意味においてもテスラはサイバートラックの販売を拡大したいのかもしれません。
ただしサイバートラックの課題としては「価格」以外にも大きなものがあって、それは「存在そのものがニッチ」であること。
見ての通りサイバートラックは一般的な外観を持っておらず、そのデザインは極端で、実用性よりも見た目のインパクトを重視しています。
これは(ぼくのような)特定の層には魅力的ではあるものの、マス市場へのアピールには向いておらず、こういった製品が「数十万台」という販売規模を獲得することは非常に難しいと見られているわけですね(実際のところ、サイバートラックは販売を伸ばせず、カルトカーになるであろうと見るアナリストも存在する)。
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しかしその一方、「ニッチ」であった電気自動車を「マスマーケット」で戦える製品へと成長させ、2023年、2024年と2年連続で(ガソリン、ハイブリッド、PHEV含めても)モデルYを「世界で最も売れたクルマ」にしてしまったのがテスラなので、もしかするとサイバートラックも今までの常識の枠を超え、とんでもない台数をデリバリーしてしまうのかもしれません。
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