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| ただしテスラはサイバートラック個別の、リビアンはR1T個別の販売台数を公開していない |
それでもリビアンはフォードやGMに対しても販売面でのアドバンテージを保っている
さて、現在各自動車メーカーが2024年通年の販売における「速報値」を公開していますが、ちょっとした驚きであったのが「(米新興EVメーカーである)リビアンの躍進」。
2024年、リビアンはエレクトリックモーターの部品不足に悩まされたという事実がすでに報じられていたものの、蓋を開けてみると2024年の販売目標を達成していたことが明らかになっています。
2024年の第4四半期において、リビアンはR1S(SUV)およびR1T(トラック)を14,183台販売することで年間販売台数が合計51,579台に達しており、これによってリビアンの株価は急騰を見せているわけですね。
リビアンの販売はサイバートラックを超えた可能性も
そして特筆すべき成果が「リビアンの販売が、サイバートラックの販売を超えた可能性がある」こと。
テスラは販売台数について具体的な数字を公開していませんが、サイバートラックは2024年において「エレクトリックトラックにおけるベストセラー」と評され、しかしテスラの年末報告書では、サイバートラックはモデルSとモデルXと一緒に「その他のモデル」として分類されており、2024年にテスラが販売した「その他のモデル」は85,133台。
アナリストの推定によれば、そのうちサイバートラックは3万5千台から5万台程度であると考えられ、この推測が正しければ、リビアンの「51,579台」はサイバートラックの販売を超えていると捉える事が可能です。
参考までに、フォードとシボレーを見てみると、フォードはF-150ライトニングを33,510台販売し、シボレーはシルバラードEVを7,428台販売していて、リビアンはR1SとR1Tの販売台数を別々に発表していないものの、合計51,579台のうち、R1TがシルバラードEVを上回ったと推測され、さらに掘り下げてみると、GMはシボレー、キャデラック、GMCのブランドで合計114,432台のEVを販売していますが、リビアンはわずか2モデルでその半分に近い販売実績を上げています。※GMの最大の売れ筋電動車はシボレー・エクイノックスEVで28,847台、キャデラック・リリックは28,402台、GMCハマーEVのトラックおよびSUVバージョンは14,000台
Let it snow! But also... go, go, go! ❄️ pic.twitter.com/PxOiiITItb
— Rivian (@Rivian) January 7, 2025
ただしリビアンの将来は「バラ色」ではない
ただし好調に見えるリビアンにも課題は山積しており、いまだ「車両販売で利益を出せない」ことにはじまり、テスラの社員を引き抜きテスラの情報を不法に取得したとしてテスラから起こされている訴訟、社内からの告発やそれに関する裁判など。
リビアンの未来は依然として複雑ですが、それでも販売面では目標を達成し、競争力を持ち続けていることは間違いなく、そして「サイバートラックの実績を超えた可能性が高い」ことについては高く評価されるべきかもしれません。
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— Rivian (@Rivian) December 20, 2024
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米新興EVメーカー、リビアンの平均車両価格は8万ドル、しかし「1台売って3万3000ドル(442万円)の赤字」との報道。やはりEVは採算には乗りにくい?
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一方のサイバートラックはインフルエンサーたちの間で話題が尽きつつあり、過剰な価格設定やいくつかのリコール問題、そしてイーロン・マスクCEOの政治的分裂に深く関連していることから勢いを失いつつあり、リビアンがここで大きく地位を向上させる可能性もありそうです(リビアンは2009年に設立されており、2024年の時点で15年の歴史を持つものの、そのほとんどの時間はR1Tが2021年に市場に登場するまでのプラットフォーム開発に費やされている)。
実際のところリビアンは「はじめて電動トラックを(もちろんテスラに先駆け)量産した」自動車メーカーであり、サイバートラックの過激なデザインに馴染めない人の選択肢として注目されていたわけですが、ここ最近ではフォルクスワーゲングループとの合弁事業設立が承認されており、(VWグループが)2025年に10億ドル、2026年にさらに10億ドル、そして2026年には2億ドルを投資してこの合弁事業を開始する予定であることも報じられています。
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