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| ロータス、販売好調も関税で失速。エミーラはその救世主となるか |
しかし現状では「エミーラに収まるハイブリッドパワートレイン」が存在しない
ロータス・カーズはここ最近、同社史上でも最も好調な販売実績を記録しており、中でも2ドアスポーツカー「エミーラ」の存在が大きく寄与しています。
しかし2025年の第一四半期、アメリカの関税問題によりその勢いが一時的に失速し、こうした状況を受け、ロータスはエミーラのラインアップを拡充し、さらなる魅力を加えるため新たな派生モデルの投入に踏み切っているというのが現在の状況です。
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ロータス・エミーラに新「エントリー」「V6 SE」グレード登場。既存モデルもアップデートされボディカラーにも新色追加
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ピュアEVからPHEVへ?「ハイパーハイブリッド」に注目
ロータスCEOの冯清风(フェン・チンフェン)氏は、6月末の決算発表において「強力なガソリンエンジンと電動パワーを組み合わせたスポーツカーの実現可能性を探っている」と明言。
さらにロータス・ヨーロッパのマット・ウィンドルCEOは「すべてが可能」とまで述べ、PHEV(プラグインハイブリッド)版エミーラの実現に前向きな姿勢を見せています。
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なお、ロータスが「ハイブリッド」に興味を示しているのは、昨今報じられる通り「ピュアエレクトリックパワートレインを積むスポーツカーが市場から受け入れられないから」であり、これが「完全電動車のみのラインアップへと移行を進めていた」ロータスにとって計画を再考させるきっかけになったから。
実際のところ多くの自動車メーカーが「BEVへの移行」を先延ばしにし、ハイブリッドにてこの状況を乗り切ろうとしているわけですが、「ロータスとて例外ではない」ということになりますね。
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ロータスが最大270人の人員削減を発表——関税とEV市場の低迷が直撃
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軽量スポーツカーへのPHEV導入、鍵は「パッケージング」
なお、ロータスでは新型SUV「エレトレ」や、電動サルーン「エメヤ」に対し、超高性能ハイブリッド「Hyper Hybrid」ユニットを採用することも期待されていますが、コンパクトなエミーラにはサイズ的に「不可能に近い」とされ、代わりに、欧州製PHEVで主流となっている「トランスミッションとバッテリーの間にモーターを組み込む方式」が有力視されています。
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方針を変更したロータスが「エミーラのハイブリッド化と延命」について言及。「今の時代は何ごとにも柔軟に対応することが原則です」
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現行エンジンはハイブリッド非対応?トヨタ製V6もAMG製直4も流用困難か
現行のエミーラはトヨタ製3.5LスーパーチャージドV6もしくはAMG製2.0L直4ターボ(M139)を搭載しており、いずれも”縦置き”が前提の設計。
ちなみにトヨタはレクサスLC、AMGは新型C63にて両エンジンに電動化を施した実績がありますが、それらについても”縦置き”です。
一方、エミーラではこれらのエンジンを”横置き”にて搭載しており、よってスペース上、そして構造上、「トヨタとメルセデスAMGから、ハイブリッドパワートレインの供給を受け実装する」ことは難しいのかもしれません。
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ロータスが2024年第3四半期の決算を発表、「販売台数は伸びるも利益はさほど伸びず」。一方で「ガソリンエンジンで走行する」ハイパーハイブリッドの導入が明らかに
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新開発エンジン投入の可能性も?AMG製V8の噂まで浮上
ロータスCEOの発言からも明らになったように、将来的に新たなエンジンを開発しエミーラにも対応させる可能性がも考えられ、実際のところ今年初めには「AMG製V8を搭載する」という驚きの噂も報じられたばかり。
実現すれば500馬力級のモンスターマシンになる可能性が報じられているものの、新型エンジンの開発、それに対応する車体の開発には数年という時間がかかってしまい、しかしロータスが乗り越えなければならないのは「いま目の前に立ちはだかる危機」でもあり、直近でのロータスの対応に注目が集まるところですね。
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参照: Auto Express