
| 全般的には価格帯が低いモデルが成長し、高価格モデルは順位を下げる |
一方、ロードスター(前年比3倍)など趣味性の高いモデルの支持は厚い
一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)が2025年6月分の乗用車販売台数ランキングを発表。
このデータは、軽自動車および海外ブランド車を除いた、国産メーカーの乗用車の販売状況を示しており、今後の自動車市場のトレンドや、どの車が今注目されているのかを知る上で非常に重要な情報です。
国産乗用車販売台数ランキングはこうなっている
そこで今回発表されたランキングを見てみると、今まで通りトヨタが圧倒的な存在感を示しており、トップ10のうち7モデルを占めることに。
ヤリスが首位を堅持する一方、ライズやルーミーが前年対比で大きく販売台数を伸ばして上位に食い込んでいるのが注目され、つまり近年のインフレ、そして可処分所得の減少が反映されているのか「上位に入るモデルの価格帯が下がっている」ようにも思えます。
順位 | ブランド通称名 | ブランド名 | 台数 | 前年対比 |
1 | ヤリス | トヨタ | 11,756 | 86.8 |
2 | ライズ | トヨタ | 8,867 | 316.8 |
3 | ルーミー | トヨタ | 8,034 | 164.4 |
4 | シエンタ | トヨタ | 7,415 | 84.1 |
5 | フリード | ホンダ | 6,723 | 157.1 |
6 | カローラ | トヨタ | 6,613 | 53.9 |
7 | ヴォクシー | トヨタ | 5,737 | 122.3 |
8 | ノア | トヨタ | 5,667 | 125.4 |
9 | ノート | 日産 | 5,478 | 74.4 |
10 | アルファード | トヨタ | 5,324 | 91.6 |
11 | アクア | トヨタ | 5,205 | 104.8 |
12 | セレナ | 日産 | 4,770 | 86.6 |
13 | ステップワゴン | ホンダ | 4,641 | 95.8 |
14 | プリウス | トヨタ | 4,621 | 325.0 |
15 | ソリオ | スズキ | 4,084 | 105.2 |
16 | クラウン | トヨタ | 4,077 | 94.1 |
17 | ハリアー | トヨタ | 3,736 | 70.6 |
18 | ヴェゼル | ホンダ | 3,460 | 60.5 |
19 | ランドクルーザー | トヨタ | 3,310 | 137.0 |
20 | ジムニー | スズキ | 3,141 | 162.6 |
21 | フィット | ホンダ | 2,500 | 56.4 |
22 | インプレッサ | SUBARU | 2,153 | 97.5 |
23 | ヴェルファイア | トヨタ | 2,065 | 79.4 |
24 | スイフト | スズキ | 2,064 | 84.3 |
25 | RAV4 | トヨタ | 1,908 | 71.2 |
26 | フロンクス | スズキ | 1,899 | (24-10) |
27 | フォレスター | SUBARU | 1,869 | 123.5 |
28 | デリカD5 | 三菱 | 1,848 | 154.0 |
29 | MAZDA2 | マツダ | 1,689 | 63.7 |
30 | NX350H | レクサス | 1,653 | 168.8 |
31 | LBX | レクサス | 1,579 | 91.7 |
32 | シビック | ホンダ | 1,540 | 146.2 |
33 | WR-V | ホンダ | 1,492 | 48.7 |
34 | エクストレイル | 日産 | 1,380 | 90.7 |
35 | ロッキー | ダイハツ | 1,122 | 388.2 |
36 | CX-5 | マツダ | 1,083 | 99.9 |
37 | ZR-V | ホンダ | 1,056 | 33.2 |
38 | レヴォーグ | SUBARU | 1,008 | 66.9 |
39 | MAZDA3 | マツダ | 925 | 111.7 |
40 | クロスビー | スズキ | 843 | 96.5 |
41 | ロードスター | マツダ | 827 | 308.6 |
42 | ハイエースワゴン | トヨタ | 764 | 98.6 |
43 | トール | ダイハツ | 722 | 215.5 |
44 | キックス | 日産 | 711 | 74.9 |
45 | CX-60 | マツダ | 704 | 147.6 |
46 | レガシィ | SUBARU | 680 | 114.7 |
47 | CX-30 | マツダ | 676 | 80.2 |
48 | CX-3 | マツダ | 647 | 130.2 |
49 | 86 | トヨタ | 628 | 189.2 |
50 | アウトランダー | 三菱 | 594 | 173.2 |
注目モデルの動向と市場トレンド
特に販売台数が大きく変動したモデルをピックアップしてみると以下の通りで、まずは「伸びた」モデル。
•ライズ (トヨタ): 8,867台、前年対比316.8%、今回のランキングでは2位に急浮上し、前年の3倍以上の販売台数を記録
•プリウス (トヨタ): 4,621台、前年対比325.0%。主には供給体制の安定により、前年の3倍以上という圧倒的な伸びを見せることに
•ロッキー (ダイハツ): 1,122台、前年対比388.2%◦こちらも約4倍の販売増となり、ライズ同様、コンパクトSUVの人気を牽引しています(ダイハツの生産が加速しているようだ)。
•ロードスター (マツダ): 827台、前年対比308.6%◦スポーツカーでありながら3倍以上の販売増を記録。特定の層からの根強い支持がうかがえる
•ランドクルーザー (トヨタ): 3,310台、前年対比137.0%◦高級SUVとしての地位を確立しながらも、堅調な伸びを続けている
•ジムニー (スズキ): 3,141台、前年対比162.6%◦個性的なデザインと走行性能で人気のジムニーも、高い前年比成長を見せる
•フリード (ホンダ): 6,723台、前年対比157.1%◦モデルチェンジの影響にて販売台数を大きく伸ばし5位にランクイン
一方で、前年対比で販売台数が減少しているモデルはこちら。
•カローラ (トヨタ): 6,613台、前年対比53.9%◦長年のベストセラーモデルであるが、6月は前年比で半減近い販売台数となり、モデルライフや市場の変化が影響している可能性が考えられる
•ZR-V (ホンダ): 1,056台、前年対比33.2%◦大幅な販売減となっており、その理由は不明であるが、WR-Vも前年比48.7%と激減している
•フィット (ホンダ): 2,500台、前年対比56.4%◦コンパクトカー市場での競争激化が影響しているものと見られる
まとめと今後の展望
2025年6月の国産乗用車販売台数ランキングでは、トヨタの強さが改めて浮き彫りになりましたが、特にライズやプリウスのような、高い前年比成長を遂げたモデルの動向は、消費者のニーズがどこにあるのかを示唆しています(要は経済的なクルマに人気が集まっている)。
一方で、長年の人気モデル、これまで売れていたSUVであっても販売台数が減少するケースも見られ、自動車市場の競争がいかに激しいかが分かりますね。
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参照:日本自動車販売協会連合会