>ポルシェ(Porsche)

ポルシェ911ダカール「ロードトリップ」、冬のアルプス編。いままでの911では走れない道、行けない場所に到達できるのがこのクルマの魅力である

ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(リア、走行状態)

Image:Porsche

| 新車発表時は尻込みしてしまったが、いま思うと「買っておけばよかった」クルマのひとつである |

峠が眠る季節、911ダカールだけが見せる「静寂の歓喜」とは?

多くのドライバーにとって、アルプスのワインディング・シーズンは5月、あるいは6月まで訪れるものではありませんが、それは深い雪にて閉ざされた道路がドライビングの楽しみを半年間も奪ってしまうから。

しかし911ダカールにとってそれは「過去のもの」ではなく、これまでのポルシェ911では走ることができなかった路面状況であっても難なく走行することができ、今回は雑誌『Curves』の創刊者であり世界的なロードトリップのスペシャリストであるステファン・ボグナー氏ポルシェ911ダカールを冬のアルプスへと連れ出しています。

ここで「砂漠を征するために誕生した」このマシンが雪と氷の世界でいかに「至福の相棒」へと変貌を遂たのか、その様子を見てみましょう。

ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(フロント、走行状態)

Image:Porsche

この記事の要約:

  • 冬の聖地: 多くのアルプス峠が閉鎖される中、ドロミテは冬でも走れる貴重なルート。
  • 911ダカールの真価: オフロードモードによる圧倒的な安心感と、雪上での類まれな機動力。
  • ルートの魅力: ガルデナ峠からジャウ峠まで、絶景とエスプレッソを愉しむ贅沢な時間。
  • 驚異の注目度: 道ゆく人々から「300回の親指アップ(賛辞)」を受ける圧倒的な存在感。

911ダカールがドロミテで放った「圧倒的なオーラ」

ミュンヘンからヴィピテーノを経て、ガルデナ峠、そしてコルヴァーラへ。

ボグナー氏が選んだルートは、低い陽光と燃えるような空、そして何より「静寂」に包まれています。

ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(・サイド、静止状態)

Image:Porsche

オフロードモードがもたらす「心の余裕」

通常、冬の峠道は緊張の連続ではあるものの、911ダカールにとっては「楽しさの連続」。

「オフロードモードを選択すると、まるでこのクルマはこの場所のために作られたのではないかと錯覚するほどだ」とは前出のボグナー氏。

時速40〜50kmでのゆったりとした登坂でも、その確かな接地感と安心感が、ドライバーを「涙が出るほどの喜び」へと誘う、とも述べています。

標高2,236mで味わう静寂とエスプレッソ

ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(リア、停止状態)

Image:Porsche

ボグナー氏お気に入りのジャウ峠では真っ白な峰々と沈黙、そしてエンジンを切った後のダカールの静かな鼓動だけが響きわたり、冷えた空気の中で香るエスプレッソ。

この瞬間こそが、過酷なスペックを持つこの車が提供する「究極のラグジュアリー」であるとも語っていて、たしかにこれ以上の「ポルシェ911と過ごす贅沢な時間」はないかもしれませんね。


ポルシェ911ダカール:主要スペックと特徴

911ダカールは砂漠のラリーレイド「パリ=ダカール」へのオマージュとして誕生していますが、SUVの走破性と911のスポーツ性を高次元で融合させているという「異色の存在」。

ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(リア、走行状態)

Image:Porsche

項目スペック・詳細
ベースモデル911 カレラ4GTS (全輪駆動)
最高出力480 ps
最大トルク570 Nm
0-100km/h加速3.4 秒
最低地上高標準の911より50mmアップ(リフト状態でさらに+30mm)
専用装備オールテレーンタイヤ, ステンレス製アンダーボディガード
車両重量1,605 kg (軽量ガラスやカーボン製パーツで軽量化)

競合比較と市場での位置付け:唯一無二の「グローブトロッター」

現在、スーパーカーをオフロード仕様にするトレンドがありますが、911ダカールの立ち位置は”非常に”独特です。

  • ランボルギーニ・ウラカン・ステラート: 同様にオフロード性能を高めたモデルではあるものの、ウラカン・ステラートが「荒野での爆発的なパワー」「スーパーオフローダー」を強調するのに対し、911ダカールは「日常から極地までをシームレスに繋ぐ懐の深さ」が魅力
  • 市場の評価: ボグナー氏は「ポルシェに一つお願いできるなら、この素晴らしいグローブトロッターをもう一度生産してほしい」とコメント。限定生産ゆえの希少価値だけでなく、「どんな路面でも笑顔になれる」という本質的な価値が世界中のファンを虜に
ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(フロント、静止状態)

Image:Porsche

生産わずか2,500台、希少なポルシェ911ダカールで「3ヶ月間、32,000キロ」の過酷な旅を走り抜いたオーナー。「今までどの911でも到達できなかったところを走りたかった」
生産わずか2,500台、希少なポルシェ911ダカールで「3ヶ月間、32,000キロ」の過酷な旅を走り抜いたオーナー。「今までどの911でも到達できなかったところを走りたかった」

Image:Porsche | おそらくは「もっとも距離を走った」「もっとも過酷な地形を走った」ポルシェ911ダカールでもあるだろう | これこそがポルシェの望んだ「911ダカールの使い方」である さ ...

続きを見る

【新しい知見:融雪剤との付き合い方】

冬のドライブで気になるのが路面凍結防止剤(塩害)。

ボグナー氏は「適切な事前準備と、走行後の徹底した洗車さえ行えば、塩害を恐れてこの体験を逃すのはもったいない」と断言しており、クルマを「飾る」のではなく、本来の性能を発揮できる場所に連れ出すことこそがポルシェ愛好家の真髄と言えそうです。

ポルシェを19台乗り継いだ一家が911ダカールにて南米最過酷ラリーに”ポルシェとしてはじめて”挑む。「ポルシェは走ってナンボです」
ポルシェを19台乗り継いだ一家が911ダカールにて南米最過酷ラリーに”ポルシェとしてはじめて”挑む。「ポルシェは走ってナンボです」

Image:Porsche | レース会場までも「自走して参加」、7,440kmを駆け抜けた一家の「完璧な選択」 | ブラジルで開催される南米最過酷のオフロードレース「ラリー・ドス・セルトン(Rall ...

続きを見る


911ダカールが教えてくれた「冒険の定義」

ポルシェ911ダカールは、ひとつの限定モデルにとどまらず、それは、ぼくらが「冬だから」「道が悪いから」と諦めていた景色への招待状。

ポルドイ、セッラ、ガルデナ……次々と現れるコーナーを駆け抜け、立ち寄る先々で人々に笑顔を届ける。

ポルシェ911ダカールがドロミテを走る画像(リア、静止状態)

Image:Porsche

このクルマが持つポジティブなエネルギーは、冬のアルプスという静寂の世界でこそ、より一層鮮やかに輝くこととなっていますが、もしガレージに眠る愛車のキーを手に取るのを躊躇しているなら、今回911ダカールが見せたこの「冬の冒険」を思い出すといいのかも。

最高の道は、意外にもぼくらのすぐそばにあるのかもしれませんね。

合わせて読みたい、関連投稿

さよならポルシェ911ダカール・・・。ポルシェが「911ダカール最後の1台」を特別仕様へとカスタム。オーナーの要望にて特別なブルーが調合される
さよならポルシェ911ダカール・・・。ポルシェが「911ダカール最後の1台」を特別仕様へとカスタム。オーナーの要望にて特別なブルーが調合される

Image:Porshce | ポルシェは「最後の一台」として特別仕様車を生産することが少なくない | そしておそらく、特別な顧客を「最後の一人」に選んでいるものと思われる さて、ポルシェは自社にて「 ...

続きを見る

ポルシェ911ダカールを牽引するなら普通のクルマじゃ物足りない。ワンオフにて911ダカールと”おそろい”のロスマンズカラーをまとうVW ID. Buzzが公開に
ポルシェ911ダカールを牽引するなら普通のクルマじゃ物足りない。ワンオフにて911ダカールと”おそろい”のロスマンズカラーをまとうVW ID. Buzzが公開に

Image:porschecentrumgelderland | このロスマンズカラーのVW ID. Buzzは特別なの客の要望によって製作される | 今後「ポルシェ911とおそろいのVW ID. B ...

続きを見る

ポルシェ
ポルシェは「911ダカール」を継続?T-ハイブリッドを搭載し今年後半に後継モデル発表の可能性、もしかすると「定番化」も

| ポルシェは過去に「911ダカールの需要があれば、作り続ける」とコメントしたことも | 911ダカールは「高利益率商品」だと考えられ、ポルシェとしては「継続」したいはずである さて、ポルシェは「91 ...

続きを見る

参照:Porsche

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ポルシェ(Porsche)
-, , , , ,