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| アウディの歴史とはすなわち「トラクションの最適化」である |
そしていま、アウディはまた新しい扉を開くことに
アウディのスポーツ部門、アウディスポーツが放った最新モデルが「RS 5」。
この新型RS 5はブランド初となるパフォーマンス・プラグインハイブリッド(PHEV)を搭載したモデルではありますが、目玉のひとつが(ハイブリッドシステムの他に)世界初となる革新的な駆動技術「quattro with Dynamic Torque Control(ダイナミック・トルクコントロール付きクワトロ)」。
リアアクスルに搭載されたエレクトロメカニカル・トルクベクタリングが、従来の「曲がる」という概念を根本から覆す仕組みを見てみましょう。
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新型RS 5:テクノロジーの4つの革新
- 世界初のリア・トランスアクスル: 400Vの電気モーターをアクチュエーターとしてリアに配置。左右のホイール間で最大2,000Nmのトルク差を瞬時に生み出す
- 15ミリ秒の超速レスポンス: まばたきの10分の1という驚異的な速さで状況を判断。ドライバーの意図を先読みし、アンダーステアを徹底排除
- 「オフスロットル」でも効く: 従来の機械式やクラッチ式と異なり、アクセルを離した状態やブレーキング時でもトルク配分を制御。常に車体を安定させる
- HCP1(高性能コンピューティング・プラットフォーム): 車両全体を統括する「脳」がサスペンション、ステアリング、駆動系をミリ秒単位で同期
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なぜ「エレクトロメカニカル・トルクベクタリング」が凄いのか?
これまでのスポーツカーの多くは、エンジンパワーがかかっている時にしかトルクを左右に振り分けることができず、しかし新型RS 5のシステムはガソリンエンジンからのパワー供給がない状態においても(もちろんパワーが供給されていたとしても)「エレクトリックパワー」にて強制的にトルクを振り分けることが可能です。
- 曲がり始め: 外輪にトルクを集中させ、クルマをグイグイと内側へ向かわせる
- クリッピングポイント付近: 最もグリップのある車輪にパワーを伝え、異次元のトラクションでコーナーを脱出
- オーバーステア発生時: 内輪のトルクを増やすことで瞬時に車体を安定させ、スピンを防止
これにより、ドライバーは限界域でも「クルマを完全に支配している」という予測可能で直感的なハンドリングを体感できるというわけですね。

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ハイブリッドと駆動系の融合:メカニズムの裏側
新型RS 5は「効率的」なだけでなく「賢い」メカニズムを搭載しており・・・。
RS 5 ダイナミック・スペック一覧
| 項目 | 内容・テクノロジー |
| パワートレイン | モジュラー・ハイパフォーマンスPHEV |
| トルクベクタリング | エレクトロメカニカル式リア・トランスアクスル |
| アクチュエーター | 水冷式永久磁石モーター(8kW / 40Nm) |
| 最大トルク差 | 左右輪間で最大2,000Nm |
| 反応速度 | 15ミリ秒 |
| 制御ユニット | HCP1(統合制御プラットフォーム) |
さらにはアウディ・ドライブセレクトを切り替えることにより、ニュートラルで安定した走りから、リア寄りの駆動配分による「極めてアジリティ(俊敏性)の高い走り」まで、一台で幅広いキャラクターを楽しむことが可能です(ハイブリッドシステムの採用、そしてエレクトロメカニカル・トルクベクタリングによって表現の幅が広がったと言っていい)。
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フロントとリアの完璧な連携
さらに新型新型RS 5は、リアのトルクベクタリングだけでなく”車両全体で”挙動を制御するといい・・・。
- リア(駆動の主役): エレクトロメカニカル・トルクベクタリングが左右の蹴り出しを制御
- フロント(サポート): 電子制御デフロックとブレーキによるトルクベクタリングがフロントの接地性をサポート
- 足回り: ツインバルブ・アダプティブショックアブソーバーが、トルク移動に伴う姿勢変化を瞬時に抑え込む
この三位一体の制御により、高速道路からサーキットのタイトコーナーまで、まるで「レールの上を走る」ような感覚を実現したというわけですね。

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結論:アウディが誇る「インテリジェント・スポーツ」の極致
新型RS 5は単純に電動化しただけのクルマではなく、エレクトリックパワー「速さと楽しさ」のために全振りしたアウディスポーツの野心作。
「ハイブリッドは重いから走りが鈍くなる」――そんな先入観は、この15ミリ秒で反応するトルクベクタリングを体験した瞬間に過去のものとなることは間違いなく、アクセルを全開にせずとも、コーナーを曲がるたびに笑みがこぼれる。そんな新しい時代のスポーツセダン(ワゴン)が新型アウディRS 5ということになりそうです。
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参照:Audi













