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アウディが中国SAIC(上海汽車)との提携をさらに深化させると発表。中国市場では日米欧とはまったく異なる展開へ、攻めの「AUDI(大文字)」に期待

アウディとSAICとの中国専用共同開発モデル、EX7のリア

Image:Audi

| アウディにとっては「中国市場で戦うためにはこの道しか残されていない」ということなのだろう |

アウディが中国で「脱皮」を始めた

アウディといえばすぐにあの4つの輪(フォーリングス)を思い浮かべるものの、しかしいま中国で起きているのは、その象徴的なロゴすら使わず「AUDI」という大文字ロゴと中国専用モデルで勝負するという全く新しいブランド戦略です。

この展開はまず2024年11月にアナウンスがなされ、そしてこの2026年4月、アウディは中国SAIC(上海汽車)とも提携をさらに強めることを発表していますが、この動きはアウディが持つ100年のエンジニアリング技術と中国が誇る最先端のデジタル・AI技術を掛け合わせ、「世界で最もスマートなプレミアムカー」を生み出すための宣戦布告ということになりそうです。

この記事の要約

  • 新ブランド「AUDI」の加速: フォーリングスを冠さない、デジタル特化型ブランドが本格始動
  • 上海に巨大開発拠点: アウディ主導の新技術センターが中国市場専用のAI・自動運転技術を開発
  • 新型SUV「E7X」登場: 北京モーターショー2026でデビューする、後部座席の快適性を極めた最新モデル
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上海に「イノベーション・テクノロジー・センター」を設立

今回の合意の目玉は上海にアウディ主導の「イノベーション・テクノロジー・センター」を設立することで、ここでは中国のユーザーが最も重視する「没入型スマートキャビン」や「AI搭載の運転支援システム」が中国国内で完結する形で開発されることになる、とのこと。

なお、フォルクスワーゲングループだとポルシェ、そしてフォルクスワーゲンが相次ぎ中国に研究開発施設を開設していますが、アウディもこの動きに倣うということに。

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上述の通りアウディはまず2024年11月にSAICとの提携を発表しており、翌2025年9月には提携第一号となる「E5スポーツバック」を発売。

このスピードは従来のアウディでは考えられなかったもので、そしてこの4月には第二弾「E7X」を発表する計画を持っているためにそのスピードはますます加速しており、今回の「提携強化」はこういった成果に確かな感触を感じたからなのかもしれません。

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アウディとSAICとの中国専用共同開発モデル、EX7のフロントサイド

Image:Audi

次世代プラットフォーム「ADP」の衝撃

この提携強化により、今後さらに4つのニューモデルが次世代高度デジタル化プラットフォーム(ADP)をベースに開発されることとなり、これはいままでのEV用プラットフォームとは異なって、車両自体が巨大なスマートフォンのように進化するための「ソフトウエア定義」アーキテクチャ。


車種概要とスペック:新型「AUDI E7X」の期待値

2025年に発売された『E5 スポーツバック』に続き、北京モーターショー2026(Auto China 2026)では待望の第2弾モデル『AUDI E7X』がワールドプレミアを飾ることとなりますが・・・。

AUDI新世代ラインナップ(予定)

モデル名カテゴリ発売・発表時期主な特徴
AUDI E5スポーツバック2025年(発売済)新ブランドの第1弾、流麗なデザイン
AUDI E7XSUV2026年4月発表本記事の目玉。 クラス最高のリアシート快適性
新型セダン等未公表2027年以降次世代ADP採用の全4モデルが順次登場

【E7Xの特徴】

  • リアシート・ベンチマーク: 中国のプレミアムユーザーが求める「究極の後部座席」を実現
  • インフォテインメント: 現地のデジタルエコシステムに完全最適化された車内エンタメ
  • 妥協なき走り: SAICの電動化技術とアウディのシャシーチューニングの融合
アウディとSAICとの中国専用共同開発モデル、EX7のフロント

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なぜ「エンブレムなしAUDI」なのか?

現在、中国のEV市場は世界で最も競争が激しく、ユーザーは「伝統」よりも「最新のテック体験」を重視するという現状も。

アウディは既存のラインナップを維持しつつ、あえて別ブランドとして「AUDI」を展開することでテスラやBYD、Xiaomiといったテック企業系EVに真っ向から対抗する狙いがあり、つまり「テクノロジーに劣る」従来の「Audi」ではなく、テクノロジー特化型の「AUDI(大文字)」として消費者へとあらたにアピールすることを狙っているというわけですね(従来ブランドのまま製品を刷新しても消費者の持つイメージを上書きできない)。

「これは私たちのロードマップにおける歴史的な節目です。中国における次世代のインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)への道を切り開きます。」

—— フェルミン・ソネイラ(Audi-SAIC 提携プロジェクトCEO)

アウディとSAICとの中国専用共同開発モデル、EX7のリアサイド

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これからのアウディはどうなる?

つまるところ、アウディが「Audi」ではなく「AUDI」としたのは、「AUDIブランドのクルマが中国向けで安いから」これまでのイメージを破壊しかねないというネガティブな理由からではなく、「新しい時代を切り拓くには旧来のイメージが邪魔をする」というアグレッシブな理由から。

そこで気になるのは「この技術は日本に来るのか?」ということで、現時点では中国専用モデルとされているもののここで培われたAI技術や高速なソフトウェア開発プロセスは将来的にグローバルモデル(A4やA6のEV版など)にフィードバックされる可能性が極めて高い、とも見られています(それが提携の狙いの一つでもあると考えられる)。

そのため、「欧州車はソフトウェアが弱い」というこれまでの常識はこのSAICとの提携によって過去のものになるかもしれず、「AUDI」だけではなく「Audi」の今後にも期待がかかるというわけですね。

アウディとSAICとの中国専用共同開発モデル、EX7のサイド

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ドイツの魂と中国の脳が合体した「怪物」の誕生

今回の提携深化により、アウディは単なる「外資ブランド」ではなく、中国のスピード感に完全に同期した「テックブランド」へと変貌を遂げようとしています。

「Vorsprung(技術による先進)」を掲げるアウディが、デジタル大国・中国でどのような答えを出すのか。北京モーターショー2026でベールを脱ぐ『E7X』がその未来を占う試金石となることは間違いなく、まずは中国での状況を注視したいところです。

なお、中国市場は極端に「新しいものが好き」という特性があり、先に発売された「E5スポーツバック」についても、発売当初こそは大量注文を集めたものの、すぐに「値引きしないと売れない」状況となってしまい、しかしこれはアウディだけではなくほかのブランドでも同様で、よって今後は新車の積極投入に加え、「いかに人気を継続させてゆくか」ということも考えねばならない、ということになりそうですね。

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参照:Audi

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