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トヨタのカラーデザイナーが語る。「ダサいクルマ」を作らないための“極意”とCMFXデザインの最前線とは【動画】

「トヨタイムズ」より、トヨタのカラーデザイナーのコメント

| トヨタは比較的「カラーにもこだわり、多様なカラーを揃える自動車メーカーでもある |

さらには車種ごとに使用するカラーを使い分けている

さて、「ボディカラーにこだわる自動車メーカー」と聞いて真っ先に思い浮かぶのがマツダではありますが、実はトヨタもけっこうボディカラーにはこだわっているという印象を持っていて、そのバリエーションの多さもさることながら、「モデルごとにカラーを使い分けている」のが印象的。

たとえばシエンタだとアンニュイなスモーキーカラーを揃え、アルファードやヴェルファイアだと高級感あふれるパリっとしたカラーを揃えるなど、そのクルマのデザインやキャラクター、そしてオーナー像にあわせてカラーを選定しているという認識を持っています。

そして今回、トヨタのカラーデザイナーが「ボディカラーについて語る」動画が公開されており、その内容をかいつまんで見てみましょう。

【この記事のポイント(要約)】

  • トヨタの色作りは単なる塗料の調合ではなく、素材や体験を包括する「CMFXデザイン」
  • 年1回のグローバルサミットで、欧州のサステナビリティや世界のトレンドを激論
  • レクサス/GRでは「バンブー(竹)」をベースにした5つの「香り」もデザインしている
  • 「ダサいデザイン=お客様を想像していない自己満足」という強烈なプロ意識
トヨタ・ランドクルーザー

トヨタのボディカラーづくりの「舞台裏」とは

クルマを買うとき、ぼくらは「直感」であったり「好み」「リセールバリュー」などによってボディカラーを選んでいると思いますが、そういったボディカラーには「実はデザイナーたちの途方もない計算と情熱が隠されている」というのが今回のお話。

今回の動画に登場するのはトヨタのカラーデザイナーである「家田さん」で、彼女の職場には「インスピレーションルーム」と呼ばれる様々な素材が集められた宝庫があるのだそう。

そして彼女たちが手掛けるのは、単なる塗料の選定ではなく、「CMFXデザイン」と呼ばれる、五感に訴えかける全く新しいクルマ作りのアプローチです。

「トヨタイムズ」より、トヨタのカラーデザイナーが使用する「インスピレーションルーム」

今回の動画で明らかになったのは、トヨタのカラーデザインがグローバルな視点と各地域のリアルなニーズを緻密にすり合わせて作られているという事実であり、まずは年に1度、海外のデザイン拠点のカラーデザイナーが一同に集まる「デザイナーズサミット」が開催される、とのこと。

そこでは、「欧州ではサステナビリティ(持続可能性)が最重要視されている」「ある地域ではZ世代がマニュアル車(MT)に強い関心を持っている」「単純な移動手段(A地点からB地点へ)ではなく、ステータスとしてクルマが愛されている」といった、各国の最新トレンドが飛び交うことに。

こういった情報をもとにして、新しい色を導入するためには、ただバリエーションを増やすのではなく、どの色を廃止し、どうサステナブルな循環(サーキュラーエコノミー)に繋げるかという、非常に高度でシビアな議論が交わされることになるのだと説明されています。

トヨタ クラウンスポーツのフロント(グレー)

デザインの特徴・レクサスにおける空間演出

カラーデザイナーの仕事は、視覚だけでなく空間全体の「体験」をデザインすることにまで及んでいるといい・・・。

■ CMFXデザインとは?

 まず、カラーデザイナーの基礎となるのは「CMFX」という考え方。

  • C (Color):
  • M (Material): 素材(ジムの床のような弾力素材や、トレンドの透明系の素材など)
  • F (Finish): 仕上げ(光の当たり方で表情が変わる加工など)
  • X (Experience): 体験(近年重視されている要素) 

なお、トヨタに限らずですが、自動車業界において、クルマの価値が「所有」から「移動の体験」へとシフトする中、この「CMFX」はユーザーの居心地やブランド価値を左右する極めて重要な領域として注目を集めており、ある意味でもっとも進んでいるのは「韓国車」「中国車」なのかもしれません(これらは歴史が浅いぶん、「自動車」を新しい視点から捉えることができるのだと思われる)。

今日のトヨタ クラウンスポーツ。飛び石で割れたフロントガラスの交換を行い、部品・工賃含めて21万円ナリ

■ レクサスにおける「香り」の演出

動画内では、視覚(色)だけでなく嗅覚(香り)のデザインについても語られており、以下のようなシステムが構築されている、とのこと。

  • ベース原料: 全て「バンブー(竹)」由来の原料を共通して使用
  • バリエーション: バンブー由来のベースに合わせ、5つの香りを調合
  • 提供システム: 車内の専用カートレッジ搭載機に挿入し、空間に香りを広げる
  • 目的: ビジュアルのない「香り」を通じて、どのような空間でくつろぎ、体験を提供するかを言語化しデザインする
トヨタ・プリウスのヘッドライト

ダサいカラーデザインは行わない

「ダサいデザインとは何ですか?」という問いに対し、家田さんは「何を目指してやってんのかわかんないデザイン、お客様のことを考えていない自己満足のモノ」と明確に回答。

たとえば母親に贈り物を選ぶとき、その顔を思い浮かべるように、まだ見ぬユーザーの生活や顔を想像し、そこに向けてまっすぐ仕事をする。これこそが、トヨタがモビリティショー等でも掲げた「to YOU(あなたへ)」の精神そのものだと語っています。

動画の中では、それぞれのカラーデザイナーが担当するプロジェクトの雰囲気へと自身の髪色や服装が自然と(いまデザインしているクルマのカラーに)寄っていくという「カラーデザインチームあるある」も紹介されており、これは彼ら・彼女らがどれほど深くプロダクトに入り込んでいるかを示す面白いエピソードだと思います。

「トヨタイムズ」より、トヨタのカラーデザイナーのコメント

過去には仕事の重圧から退職を考えた時期もあったそうですが、「ここにいれば自分はずっと成長し続けられる」と語る彼女の姿からは、強い覚悟が感じられます。

今回の動画から見えてくるのは、「素晴らしいクルマは独りよがりでは作れない」ということ、そして仲間の力をリスペクトし、粘り強くコミュニケーションを取りながら「お客様の笑顔」という同じゴールに向かって進む必要があるということ。

その泥臭くも熱い信念こそがトヨタのクルマを生み出しているのだとも考えられ、次にトヨタの新型車を見る時、そしてそこに新しいボディカラーを見つけた時、さらにはそのクルマに触れたち乗り込んだ時、その色や素材、そして香りの裏にあるデザイナーたちの「ぼくらへの想い」を、肌で感じよう間隔を研ぎ澄ましてみるのもいいのかもしれません。

トヨタ・クラウンクロスオーバーのサイド(マットメタル)

トヨタのカラーデザイナーが自身の仕事を語る動画はこちら

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参照:トヨタイムズ

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