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マックス・フェルスタッペンも愛用、タグ・ホイヤー「モナコ」とは?1969年に登場し同社のアイコンとなった歴史を掘り下げる。最新モデルでは「原点回帰」の左リューズへ

タグ・ホイヤー・モナコ「クロノグラフ」~ブルー文字盤

Image:TAG HEUER

| タグ・ホイヤー「モナコ」は”好きな人以外は”見向きもしない腕時計である |

最新モデルでは「見た目はほぼそのまま」、しかしモナコの本質に立ち戻りつつも課題をクリア

レッドブル・レーシング所属のF1ドライバー、マックス・フェルスタッペンが愛用する腕時計がタグ・ホイヤー「モナコ」。

2021年にモナコを贈られ、その後に優勝を量産したということもあって、「お守りのようなもの」だとして現在に至るまで愛用し続けていますが、もともとこのモナコを有名にしたのは俳優であったスティーブ・マックイーン。

そのモナコも今年で57歳を迎え、ここでその歴史を振り返ってみましょう。

「これは自分にとって、幸運のお守りみたいなものなんだ」。F1にて2度のチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン愛用の腕時計はタグ・ホイヤー・モナコだった
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この記事の要約

  • モナコが有名になったのは「偶然」:スティーブ・マックイーンが映画の撮影スタッフが身に着けているのを見て自身も愛用するように
  • 「モナコ」はしばらく欠番だった:1970年代に姿を消し、1997年に復活
  • 現在のモナコはラグジュアリー、そして原点回帰:LVMH(ルイ・ヴィトン)買収以降は高級化、高性能化が進められ、一方では「初代オマージュ」も
  • モナコは「モナコのまま」進化を続ける:モナコの進化は「一般人にはわからないレベル」にて、しかし確実に行われる

タグ・ホイヤー「モナコ」とは

タグ・ホイヤー モナコ(TAG Heuer MONACO)は、世界でもっとも有名な角型クロノグラフのひとつですが、上述の通り1969年に登場し、世界初の防水スクエアケース自動巻クロノグラフとして時計史に名を残しています。

タグ・ホイヤーが160年の歴史とともに刻むクロノグラフの頂点。世界で初めてクロノグラフ腕時計を発表した腕時計メーカーの歴史とは
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そしてスティーブ・マックイーンが身につけるきっかけとなったのはスポンサーシップによるものではなく「個人的興味から」だったといい、映画「栄光のル・マン(1971年」撮影のために雇ったレーシングインストラクターが身につけていたのを目にしたことで興味を掻き立てられ、その後自身も身につけ映画の撮影に臨んだのだそう。

よってタグ・ホイヤーとしては「瓢箪から駒」的に、全くの想定外の方法でモナコを有名にしてもらったということになりますが、それもこれも「モナコが目立つから」であったのだと考えられます。※ぼくはこういった、「人生何があるかわからない」といった話が大好きである

実際のところ、スクエア型やトノー型腕時計は、腕時計本体を見るよりも「身につけたほうが」強いインパクトを放つケースが少なくはなく、モナコもまたその例に漏れなかった、というわけですね(生みの親であるジャック・ホイヤーは、モナコについて「特別な腕時計になると確信していた」という言葉を残しているため、どういった経路であろうと有名になるという自信があったのかもしれない)。

タグ・ホイヤー・モナコ「クロノグラフ」~ブルー文字盤(初代)

Image:TAG HEUER

かくして“(期せずして)伝説のレーシングウォッチ”になったモナコではありますが、代表的な特徴は以下の通り。

  • スクエアケース
    一目でモナコと分かる大胆なデザイン。現在でもかなり個性的
  • 左側リューズ
    初代キャリバー11搭載モデルの名残で、リューズがケース左側に(ただし1999-2025年までは右側にリューズがあった)
  • モータースポーツとの深い関係
    モナコGPや耐久レース文化との結びつきが強く、ガルフカラー仕様も人気
  • 存在感の強さ
    ケースが厚めで、腕元でかなり目立つ一本。スーツよりカジュアルやレザージャケットとの相性が良いと言われている

「好きな人は本当に刺さる」タイプの時計で、ロレックスのような万人受けとは少し違うモデルでもあり、「好きは人は好きだが、そうでなければ一切興味を持たれない」というシリーズではあるものの、逆に“時計好き感”や(スティーブ・マックイーンのように)個性を演出したい人にはかなり人気がある腕時計でもありますね。

タグ・ホイヤーがモナコ新作として「60-70年代に使用されていたストップウォッチ」「スティーブ・マックイーンが着用したガルフカラーのレーシングスーツ」オマージュの限定版を発売
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Image:TAG HEUER

基本的にモナコはほとんど変わっていない

そういったモナコではありますが、1970年代にいったん廃盤(ディスコン)となってしまい、1997年に「右リューズ」となって復活することに。

参考までに、1985年にてはサウジ系投資グループ「Techniques d’Avant Garde(TAG)」がホイヤー(Heuer)社を買収してブランド名が「TAG Heuer」へと変わっており、これと同時に後にF1との結びつきを強めたうえ、「セル」「フォーミュラ1」といった新世代の名作が誕生することとなりますが、その傍らで「モナコ」という歴史的名作を蘇らせたというのは非常に興味深い事実です。

その後1999年、ルイ・ヴィトン率いるLVMHがタグホイヤーを買収し、ここから高級路線が大幅に強化され、この数年での動きを見てもわかるとおり、かつてのようにF1との結びつきを強化しているというのがタグ・ホイヤーの現在地。

F1とタグ・ホイヤーとが10年間のパートナー契約を発表。「F1やチーム、ドライバーのレガシーを継承」した腕時計の発売が期待でき、親会社のLVMH(ルイ・ヴィトン)もF1との10年契約を締結
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なお、この「タグ・ホイヤーとF1との最接近」は親会社であるLVMHの意向でもあり、これを証明するかのように、ルイ・ヴィトンはF1へと「トロフィーケース」を提供していますね。

タグ・ホイヤー「モナコ」は新次元へ

話をモナコに戻すと、基本的にケース形状やダイヤルについては大きく変わっておらず、しかしここ数年ではいくつかの新しい挑戦が見られており、「初の」チタンケース採用や人間工学に基づいた形状のリファインが行われる一方、タグ・ホイヤー初のスプリットセコンド クロノグラフ ウォッチである「モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」を2024年に登場させ・・・。

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Image:TAG HEUER

タグ・ホイヤーがモナコ新作4モデル発表。その価格は驚愕の約2800万円、同社では最高峰の「スーパーカークラス」
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2026年には「耐衝撃性の向上」「軽量性の追求」を目指したエバーグラフ”を発表したほか・・・。

タグ・ホイヤーの新作モナコ「エバーグラフ」文字盤
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タグ・ホイヤーの新作モナコ「エバーグラフ」

Image:TAG HEUER

原点回帰とも言える「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ 39mm」を発売しており、このモデルのトピックは「1969年発表のオリジナルモデルと同じ左リューズへと戻ったこと」。

これは小さいようで大きな変化であり、というのもリューズの位置を変更するにはムーブメントの設計を変更せねばならず、しかしタグ・ホイヤーは「初代の構造を再現するため」、わざわざムーブメントの再設計を行っているから(この左リューズにつき、おそらくはドライビングの妨げにならないようという配慮だと思われる)。

とくにこの「ブルーダイヤル」は初期モデル、そしてスティーブ・マックイーンが愛用したモデルを強く意識したデザインを持っています。

タグ・ホイヤーの新作モナコ クロノグラフ

Image:TAG HEUER

  • 伝説の「左リューズ」に立ち返る原点回帰:1969年の初代Ref.1133を彷彿とさせる、モナコらしさの象徴である”9時位置リューズ”が最新の自社製ムーブメントで復活
  • グレード5チタンによる劇的な装着性の向上:ケース素材を軽量なチタンへ刷新し、ケース厚を1mm削減(13.9mm)。裏蓋に人間工学を取り入れ、角型特有の「重さ・大きさ」を克服
  • 新開発「キャリバー TH20-11」を搭載:約80時間のロングパワーリザーブを誇り、高い実用性と5年間の長期メーカー保証を標準装備

2026年新作「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ 39mm」のバリエーションおよび詳細スペックは以下の通り。

主要スペック・仕様表

詳細仕様
型番(Ref.)ブルー:CDW2181.FC8360
グリーン:CDW2180.FC8360
ブラック&ゴールド:CDW2150.FC8360
ケースサイズ横 39 mm × 39 mm(厚み: 13.9 mm ※従来より1mm薄型化)
ケース素材グレード5チタン(ブラックモデルは18K 5N ローズゴールドとのコンビ)
文字盤カラーブルー(マックイーン・オマージュ)、グリーン、ブラックオパーリン
風防 / 裏蓋スクエアサファイアクリスタル / サファイアクリスタルによるシースルーバック
防水性能100 m 防水(日常使いに十分な防水性)
ムーブメント自社製自動巻クロノグラフ キャリバー TH20-11
パワーリザーブ約 80 時間(金曜の夜に外しても月曜の朝に動いている安心スペック)
仕様・機能コラムホイール、垂直クラッチ、左リューズ、6時位置デイト表示
価格(税込)チタンモデル(青・緑):1,347,500円
ゴールドコンビ(黒):1,886,500円

「アバンギャルド」を再定義する、タグ・ホイヤーの二面戦略

そしてこういった近年の戦略を見るに、1980年代から1990年代にかけての「伝統を守りつつも新しいチャレンジを行う」という戦略を連想させ、この「歴史を徹底的に守り抜く定番」と「未来を切り拓く超絶技法」の二面戦略こそ、タグ・ホイヤーが掲げるブランドアイデンティティ「アヴァンギャルド(前衛)」の本質なのかもしれません。

ぼくらユーザーにとって最も恩恵が大きいのは、その前衛的なラボ(研究開発部門)で培われた「ケースの薄型化技術」や「人間工学設計」が、(高価で手が届かないモデルのみではなく)このレギュラー版のモナコ クロノグラフにもしっかりとフィードバックされている点で、デザインは古き良き1969年のロマンを纏いつつ、中身は最先端の技術で仕立てられているというわけですね。

最新の「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」は懐古趣味の復刻モデルではないということを理解いただけたかと思いますが、「左リューズ」というアイコニックな造形美を頑なに守りながら素材をチタンへとアップデートし、さらには厚みを1mm削ることにより、これまでのモナコが抱えていた「少し重くて、袖口に引っかかる」という日常のハードルを完璧にクリアしたのが最新作。

しかもそれらは「一見してもわからない」というところが面白く、これこそが「好きな人は好きだが、そうではない人には刺さらない」腕時計の進化のあり方なのかもしれません。

100万円を超える機械式腕時計選びにおいて、ぼくらが求めるのは「一目でそれと分かる強い個性」と「毎日ストレスなく着けられる上質な実用性」の両立で、そのすべての条件を満たした新しいモナコは、ぼくらの腕元で、時代に流されない本物のステータスを静かに、しかし強烈に主張し続けてくれることになりそうですね。

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参照:TAG HEUER

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