
| 「食べること」がこれほどまでに楽しいと思わせてくれる稀有なレストランのひとつである |
すべてにおいて「こだわりぬいた」シェフの哲学を共有しつつも美味しく料理をいただける
さて、予約の取れないフレンチレストラン、「アントル ヌー(entre nous)」へ。
基本はフレンチではありますが、「日本の食材にこだわり」「日本の作家のカトラリーを使用した」和テイストが強く感じられるレストランでもあります。
シェフの高山英紀氏は国内の有名レストランでの修業を経て渡仏、以降もフレンチレストランの料理長を減るなど豊富な経験を誇っており、ボキューズ・ドール国際料理コンクールほか著名コンテストでの上位入賞や優勝、監修を務める台湾のレストランではミシュランの星を獲得するといった経歴を持っています(ANAの機内食も手掛けている、とのこと)。
なお、このアントル ヌーは2022年にオープンしていますが、現在では「予約の取れないレストラン」としても知られていますね。

壁面の素材や装飾、テーブルの素材、その他もろもろについて「基本的に既製品はなく」すべてシェフのこだわりによって特注された仕上げを持っています。

アントル ヌー (entre nous)にていただいたディナーはこんな感じ
そこで今回、アントル ヌーでいただいたディナーを紹介したいと思いますが、メニューは2か月に一回入れ替わるそうで、そして現在は「初夏」メニュー、しかし今回はちょっと特別な内容です。
ちなみにメニューはこういった「パンチカード式」となっていて、本日提供いただける内容が記されています(コース料理の場合、全プレートの内容がわかっていると色々と調整ができてありがたい)。

スプーンやフォーク、その他カトラリー類は上述の通り特注です(芸術家による作品もある)。

そしてまず一品目は「甲いか ラタトゥイユ」「アスパラガス 山椒 シフォンケーキ」「トマトの雫 ミント じゅんさい」。
個別にサーブされる前に「ディスプレイ的」演出がなされ、まずは「目で見て」楽しめるように(この時点で期待値がかなり上昇)。

そしてこのお皿もまたアントル ヌーのオリジナル。

このお皿の上にとりわけ出てくれ、料理の説明そして食べ方の説明を行ってくれるわけですね。

そして次なる料理は「アジと季節野菜のミルクレープ」。

なお、「アルコール」「ノンアルコール」ともにペアリングが用意され、アルコールの方だと料理の数だけ(今回だと9つ)提供されるため、かなりの量になります。

よってその人のアルコール耐性に応じて「フル」「ショート」が用意されるのもありがたいところ。

ちなみにぼくはアルコールを飲めないのでソフトドリンクのペアリング。
こちらもなかなかに飲み応えがあり・・・。

メインは台湾茶ベースとなるのですが、それに使用する茶葉も一緒に見せてくれ、香りを嗅ぐことも可能です。

次なる料理は「ホワイトアスパラガス」「カッペリーニ」「キャビア」。
(キャビアの下の)ホワイトアスパラガスはその下の麺と同じ細さに切られているというこだわりようですが(フォークを刺すとパラっとバラける)、しかしその「切れ目」が全く見えず、まるで「カミソリで切ったかのような」鋭利な切り口です。

アントル ヌーでは視覚情報も重視
そして料理に使用する食材もこんな感じで見せてくれるため、味のイメージが湧きやすく、より料理に対する理解も深まることに。
見て分かる通り、「ただ素材を皿の上に載せただけ」ではなく、シズル感や飾り付けにもこだわっていて、つまりアントル ヌーでは視覚情報を重視しているということになりますが、視覚情報が記憶に残る確率は非常に高く、そしてこれによって食べる側の味覚も研ぎ澄まされることとなり、非常に優れた手法だと思います。

加えてですが、アントル ヌーでは「食材の味」を大切にしつつも、その食材の姿がまったくわからないほどに「高度に調理」する場合もあり、よって食材の「調理前」の姿を見ることがけっこう重要であるとも思った次第。
たとえば次の料理は「新ごぼうのエキス」「ごぼうチップ」なのですが、こちらはどこをどう見ても「ごぼう」の姿はなく、しかし実際にいただくと「どう味わっても完全にごぼう」。

そしてこちらの「ごぼうチップ」もごぼうに見えず、なにかの芸術作品のようではあるものの(このカッティング技術は凄まじい)、やはりいただくと「完全にごぼう」。

そして次は「毛ガニのソフトクリーム」「キャラメルソース」「新生姜 エストラゴン」。
これを見て誰が「毛ガニ」の味を想像できようかという感じではあるものの、実際に食べてみるとこれも「完全に毛ガニ」。
今回のコースの中ではもっとも印象に残る一品です。

ワインのペアリングもどんどん出てきて・・・。

お茶のペアリングも次々サーブ。

こちらはペアリング(ソフトドリンク)に使用されるジャスミン緑茶の茶葉。

そして頃合いを見計らって「焼き立てパン」が登場するのですが・・・。

これがすんごい美味。
以下、「後編」へと続きます。

アントル ヌー「スペシャリテ」を収めた動画はこちら
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