
Image:Xiaomi(Lei Jun)
| シャオミは一気にNEVのメインストリームへと躍り出る |
異次元の航続距離1,500km!画期的なEREVパワートレイン
あの「SU7」で世界の自動車業界を震撼させたIT巨人・Xiaomi(シャオミ)が、早くも次の布石を打ったとして話題に。
Xiaomi Autoは2026年7月8日、広大な室内空間とプレミアムな快適性を追求した新しい自動車 sub-brand(サブブランド)「Sky Nomad(スカイ・ノマド / 中国名:小米澎程・小米巡天)」を正式に発表し、すでに中国国内では主要都市の巨大スクリーンでの広告展開が始まっているほか、WeChatなどの公式SNSアカウントも開設されています。
同社はピュアEV(電気自動車)「SU7」やエレクトリッククロスオーバー「YU7」で大成功を収めていますが、この新ブランドでは全く異なるアプローチである「EREV(レンジエクステンダー:延長航続型電気自動車)」市場へ本格参入することになり、その第1弾となるフラッグシップモデルが、開発コード名「Kunlun(クンルン)」こと、超大型SUV「N90」。
この記事の要約
- 新ブランド誕生: Xiaomiが「快適性と広さ」に特化した新ブランド「Sky Nomad(中国名:澎程 / 巡天)」を公式発表。
- 第1弾は超大型SUV: 全長5.3mクラスのフルサイズSUV「N90」が2026年後半にデビュー予定。
- 航続距離は1,500km超: 70kWh以上の大容量バッテリーと1.5Lターボ発電機を組み合わせたEREV(レンジエクステンダー)を採用。
- 革新的なアウトドア仕様: スパイショットから「流線型の内蔵型ルーフトップテント」や180度回転シートの搭載が発覚。
全長5.3mの「動くロフト」。N90のデザインと驚きのアウトドア仕様
「Sky Nomad N90」最大の特徴はXiaomi初となるEREV(Extended-Range Electric Vehicle)システムの採用で、エンジンは駆動軸とは一切つながっておらず、純粋に「発電機」としてのみ機能すうるという仕組み。
これによって普段の街乗りは静かで滑らかなEVとして走りつつ、長距離ドライブでは充電スタンドの有無を気にせず走破できる、まさに「いいとこ取り」のパッケージングを実現しています。
- 大容量バッテリーの搭載:サブライン向けにサプライチェーンを刷新し、Sunwoda(欣旺達)が60%、CALB(中創新航)が40%を供給する70kWh以上の大型バッテリーを搭載。これだけでも純電気自動車(EV)として400〜500kmの走行が可能
- 圧倒的なトータル航続距離:1.5L 直列4気筒ガソリンターボエンジンが効率よく発電することでバッテリーと燃料タンクを満タンにした状態の総合航続距離は1,500km(約932マイル)以上に達する
さらにN90はただ大きいだけのSUVではなく、中国名のひとつに「巡天(空を探す)」という言葉が内包されている通り、アウトドアや「グランピング」のトレンドを徹底的に意識した設計が施されているもよう。
注目は「内蔵型ルーフトップテント」
そしてN90のルーフ部分には美しくスタイリッシュに格納される「内蔵型ポップアップ式ルーフトップテント」が搭載されており、これを展開するとベージュのキャンバスと黒い蚊帳が現れ、クルマの上にプライベートな「ロフトベッド」が出現します。
室内ではミニバン(MPV)並みの空間効率を誇る「インテリジェント・エクスパンディング・スペース」を提唱し、180度回転するフロントシートやフルフラットになるリアシート、さらにホットプレートや電気グリルを屋外でそのまま使える高出力の「AC外部給電ポート」など、まさに至れり尽くせりの”キャンパー仕様”。
堂々たる体躯と先進の足回り
エクステリアはレンジローバーを彷彿とさせるスクエアでボリューミーなヘッドライト、高いボンネットライン、そして乗降時に自動展開する電動サイドステップを採用していますが、ライバルに比べると「やや押しが弱くテクノロジー感にも欠ける(つまり普通っぽい)」という印象ではありますが、もちろんこれにはシャオミなりの戦略ああるのだと考えていいのかも。
そして全長5.3メートル、ホイールベース3.1メートルの巨体を快適にコントロールするため、アダプティブ・エアサスペンションおよび後輪操舵(4WS:リヤホイールステアリング)の搭載が報じられ、ルーフ上部には「LiDAR」センサーが装着されていることから、Xiaomiが得意とする高度な自動運転支援システムが内蔵されていることも間違いないものと見られます。
主なスペック・予想仕様一覧
| 項目 | スペック / 詳細 |
| ブランド名 | Sky Nomad(スカイ・ノマド)/ 小米澎程(Pengcheng) |
| モデル名 | N90(フルサイズ フラッグシップSUV) |
| パワートレイン | EREV(1.5L ターボ発電機 + 前後デュアルモーター) |
| 駆動方式 | AWD(全輪駆動) |
| バッテリー容量 | 70 kWh 以上(Sunwoda 60% / CALB 40%) |
| EV単体航続距離 | 400 〜 500 km |
| 総合航続距離 | 1,500 km 以上 |
| ボディサイズ | 全長:5,300mm以上 / ホイールベース:3,100mm |
| シート構成 | 5人乗り / 6人乗り(テント仕様) / 7人乗り |
| 主な機能・装備 | 内蔵型ルーフトップテント、180°回転フロントシート、エアサスペンション、後輪操舵、ルーフLiDAR(高度自動運転) |
| 予想価格帯 | 20万 〜 45万人民元(約440万 〜 990万円) |
| 正式発表予定 | 2026年 第4四半期(10〜12月期) |
熾烈を極める中国プレミアムSUV市場での位置づけ
現在、中国の大型ファミリーSUV市場は、理想汽車(Li Auto)の「L9」や、Huawei(ファーウェイ)が手掛けるAITO(問界)の「M9」といった強力なEREVモデルがシェアを二分しています。
Xiaomiは2026年5月単月で32,759台を国内納車するなど絶好調ではありますが、年間55万台という高い販売目標を達成するためには、この最も利益率が高くボリュームのあるプレミアムファミリー層、および週末のアウトドアエスケープ(ノマド)層の獲得が不可欠だと見られています。
N90の予想スターティング価格は20万元(約440万円)前後と噂されており、競合となるLi Auto L9やAito M9が軒並み25万元以上の価格帯に位置することを考えると、「圧倒的なコストパフォーマンス」をもって市場の勢力図を塗り替える可能性があり、シャオミの勢力を大きく伸ばすことになるのかもしれません。
なお、現在中国のEV市場は「過密」となっていますが、一部のメーカーが勝機を見出しているのがこの「車中泊」であり、今年の北京モーターショーにおいても同様のコンセプトを持つEVがいくつか報じられたばかりですね。
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結論:スマートフォンメーカーから「ライフスタイル」の覇者へ
Xiaomiが「Sky Nomad」で目指すのは、単なる移動手段としての自動車ではなく、ブランドのコンセプトが示す通り「空間と生活(Space and Life)」そのものを新しく定義すること。
平日は400km以上のEV航続距離で経済的なシティコミューターとして使い、週末は1,500kmの足長ぶりを活かして大自然の中で車載バッテリーを電源にグランピングを楽しむ。
スマホ、家電、そして自動車をひとつのエコシステム「Human x Car x Home」で繋いできたXiaomiだからこそ提案できる、新しいノマドライフの形がここにあります。
正式発表は2026年後半を予定しており、この「走るロフト」が、世界中の冒険心をどれほど刺激することになるのか、そして中国のEV市場をどう変えてゆくのかに期待したいといったところでもありますね(日本や欧州の自動車メーカーの一部は中国の現在の流行に合わせてセダンやSUVを現地メーカーと共同にて開発しているが、それらが市場に投入される頃にはもう流行が別のところに移ってしまっているのかもしれない)。
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