>中国/香港/台湾の自動車メーカー

フェラーリ・プロサングエのコピー、シャオミ YU7をまたコピーしたEVが登場。中国ではコピーして人気が出た車をコピーするという訳がわからないスパイラルに

中国のEV、ヴォヤー パッションSのサイド

| 中国では「売れたクルマ」に倣うのが鉄則ではあるが |

それにしても恐ろしい時代に突入してしまったものである

さて、先日は「ポルシェ・タイカンをパクったシャオミSU7をさらにパクったMGのEV」が話題となりましたが、今回は「フェラーリ・プロサングエをパクったシャオミ YU7をパクったSUV」が登場して話題に。

もはや中国では何が何なのかわからない状態に陥っているように思います。

中国「MG」の新型車「07」〜フロント(パープル)
【パクリ疑惑で生配信中断】MG新型セダン「MG 07」が”ポルシェとシャオミに酷似している”として発売直前に大炎上、さすがに中国人も看過できなかったようだ

Image:MG | 中国ではこれまで以上に「パクリ」に過敏になっているようだ | ただしコンプライアンスというよりは「叩き」に近い かつて英国の名門スポーツカーブランドとして名を馳せ、現在は中国の自 ...

続きを見る

その名はヴォヤー パッションS

そして今回シャオミYU7のコピーだと言われているのが「ヴォヤー パッションS(Voyah Passion S)」。

まずはシャオミがフェラーリ・プロサングエそっくりのSUV、YU7を発売して大ヒットを飛ばし、そしてヴォヤーはこれをパクったと思われるため「プロサングエを直接コピーした」わけではなく、よってこのパッションSはプロサングエよりもYU7に似ているようにも見えるのですが、それは「コピーのコピー」だからなのかもしれません。

シャオミYU7がフェラーリに「激似」している問題が再燃。フェラーリが公式SNSでYU7に対して「チクリ」、そして中国同法からも批判
シャオミYU7がフェラーリに「激似」している問題が再燃。フェラーリが公式SNSでYU7に対して「チクリ」、そして中国同胞からも批判

Image:Xiaomi | まさかフェラーリが「公式」にこの問題に言及するとは | そしてこの類似性は「まったくのぐう羽前」ではないだろう さて、シャオミはEV第二弾として「YU7」を正式に発表して ...

続きを見る

シャオミYU7へ宣戦布告「Voyah Passion S」がついに始動

そこでこのヴォヤー・パッションSについて掘り下げてみると、まず中国のEV市場において、いま最も熱い視線を浴びているのがクーペスタイルの電動SUVセグメント。

そこで東風汽車(Dongfeng)傘下のプレミアム電動車ブランド「Voyah(=ヴォヤー、嵐図)」が「市場を席巻するシャオミ(Xiaomi)のSUV、YU7」を狙い撃ちした新型モデルとして発売するのがこのヴォヤー・パッションS。

今年5月にコンセプトが初公開されて以来、スポーティなスタイリングと先進的な運転支援技術で大きな話題を集めていましたが、いよいよ市販に向けて2026年7月24日よりプレセールを開始すると発表しており、納車に向けた具体的なカウントダウンが始まったというわけですね。

ヴォヤー・パッション Sの主要スペック・詳細

このパッション Sは、洗練されたクーペフォルムにスーパーカーさながらのパフォーマンス、そして過剰とも言えるハイテク装備を融合させた新世代のピュアEV(BEV)で・・・。

パワートレイン・航続距離スペック表

項目RWD(後輪駆動モデル)AWD(四輪駆動モデル)
最高出力300 kW(402 hp)475 kW(637 hp)
(フロント:175kW / リア:300kW)
バッテリー容量81.6 kWh98.1 kWh
航続距離(CLTC)630 km700 km

エクステリア&ボディサイズ

  • ボディサイズ:全長 5,050 mm × 全幅 1,998 mm × 全高 1,656 mm
  • ホイールベース:3,000 mm(広大な室内空間を確保)
  • エアロダイナミクス:空力特性を突き詰めた流麗なファストバックスタイル。10個のエアダクト、18個の通気口、グリルシャッターをアクティブ制御。
  • 足回り・装備:21インチ大型ホイール、高剛性パフォーマンスキャリパー、カーボンファイバー製リアスポイラーを装備。

インテリアと「スーパーカーモード」

インテリアカラーには「ライトクラウドベージュ」「ドーンオレンジ」「ムーンシャドウブラック」の3色が用意されているといい、(リークされた画像によると)ダッシュボードには中央のインフォテインメント画面と助手席ディスプレイが継ぎ目なく一体化した大型デュアルスクリーンが鎮座することに。

なお、ユニークな機能として搭載されたのが新開発の音響システム「Voyah Engine」で、これはステアリングホイールのパドルシフトを両方同時に引くことにより大排気量スーパーカーの咆哮を模したエキゾーストノートが車内に響き渡り、デジタルメーターやAR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)が即座に「スーパーカーモード」へと切り替わるというドライバーのスポーツマインドをくすぐる演出が施されています。

ファーウェイ最新「Qiankun ADS 5」と異例のLiDAR 4基搭載

パッション Sの技術的ハイライトは以下のような世界最高峰のセンシング能力を誇る知能化装備だとされ、「パクリをパクる」段階で独自の進化を遂げているようにも思われますが、これはちょっと前の中国でよく見られた「丸パクリ(デッドコピー)」とはちょっと異なる部分でもありますね。

  • 超高精度LiDAR:896ラインを誇るファーウェイ製のメインLiDARに加え、車両側方および後方に3基のdToF(直接タイムオブフライト)ブラインドスポットLiDARを設置。合計4基のLiDARを搭載する市販車は極めて異例
  • 合計32個のハードウェアセンサー:4基のLiDAR、前面3方向4Dミリ波レーダー、背面ミリ波レーダー2基、ハイビジョンカメラ11基、超音波駐車レーダー12基を連携
  • 15cmの近接検知:車体からわずか15cmという超至近距離の障害物や、後方から急接近する危険要素を極めて高い精度で検知し未然に事故を防ぐ

ライバル「シャオミYU7」との比較と市場での位置付け

ヴォヤー パッション Sが狙うポジションはYU7同様、既存のSUVの枠に収まらないスポーツバックモデル、いわゆる「FUV(Fusion Utility Vehicle)」の領域で・・・。

グリーンのシャオミYU7

Image:Xiaomi

競合比較:シャオミ YU7 vs ヴォヤー パッション S

  • サイズ感:全長約5.05m、ホイールベース3.0mという寸法はシャオミYU7とほぼ同等。いずれも大柄ながら全高を抑えたロースタンスなプロポーションを持っている
  • 自動運転・ハイテクアピール:シャオミが自社生態系(スマホ・家電連携)を強みにするのに対し、Voyahは「ファーウェイ(Huawei)の最高峰ADS 5.0 + 超厳重なセンサー網」を全面に押し出す戦略を取っている
  • デザインアプローチ:フェラーリ・プロサングエなどの欧州ハイパフォーマンスクロスオーバーを彷彿とさせるアグレッシブな造形とカーボンパーツの採用により、明確に「走り」のイメージを強調している

ヴォヤーは中国国内で直近の月間販売台数が1万4,000台を超えるなど着実にシェアを伸ばしており、このパッション Sの投入によってハイエンド市場におけるブランドイメージをさらに引き上げる狙いがあります。

ステランティスとの提携で欧州進出も?

今回の「ヴォヤー パッション S」の登場は中国国内のEVニュースにとどまらず、実はグローバル市場にとっても見逃せない大きな動きと連動しています。

親会社である東風汽車は、ヨーロッパの巨大自動車グループ「Stellantis(ステランティス:プジョー、シトロエン、フィアット、アルファロメオ等を擁する)」と欧州市場での合弁会社設立に向けた覚書(MOU)を交わしたことが公式にアナウンスされており、この合弁事業(Stellantisが51%を出資)では、ヴォヤーブランドの高級EVをヨーロッパで販売・現地生産することが計画されていて、つまり今回登場した「パッション S」のような超高性能な最新電動SUVが近い将来、欧州車ブランドのライバルとしてパリやベルリンの街並みを走る可能性が極めて高いと見られているわけですね。

プジョーのコンセプトカー「6」リヤビュー
ステランティスと東風汽車が歴史的提携を「新次元」へ。プジョー&ジープの次世代電動モデルを中国から世界へと輸出、グローバル戦略は激動の時代へ

Image:Peugeot | 歴史あるパートナーシップの進化。なぜ今、中国生産・世界輸出なのか | 現在の自動車業界において、中国を「どう活用するか」が重要なカギとなってくる マセラティやアルファロ ...

続きを見る

結論

「ヴォヤー パッション S」は、プロサングエのコピー、そしてシャオミYU7の後追いに留まらない強烈な個性を放つ一台で・・・。

  • 637馬力の怒涛のパフォーマンス
  • パドル操作で官能的なサウンドを響かせる遊び心
  • ファーウェイ技術が集約された4基のLiDARによる安全性能

中国メーカー同士の激しい開発競争は既存の高級車メーカーの相場観を大きく覆すレベルに達しており、7月24日のプレセール開始に伴い発表される「価格設定」によっては、中型・大型電動SUV市場の勢力図が再び大きく塗り替えられることになりそうです。

合わせて読みたい、関連投稿

中国、上海汽車(SAIC)「Z7(ピンク)」「Z7T(グリーン)」フロントサイド、静止
これでもポルシェは黙っているのか・・・。中国SAICがタイカンに激似のEV「Z7」を発売、タイカンの約1/4の価格、同程度の性能、タイカン以上の先進性にて販売開始

Image:SAIC | SAICはポルシェの親会社、フォルクスワーゲンの合弁パートナーである | 中国の自動車メーカーは優越的地位を利用して「やりたい放題」という印象 中国の自動車大手SAIC(上海 ...

続きを見る

中国MGが発表した新型EV、MG 07のフロント(パープル)
MGまでもが「ポルシェ タイカン風EV」を発表。やはりポルシェは「腐っても(腐ってはいないが)鯛」、今でも中国メーカーのベンチマークである

Image:MG | ポルシェ・タイカン的ルックスを持ちm価格はカローラ並 | 新型MG 07が「EV界の破壊神」になる予感 MG(英国の名門ブランド)が、次世代フラッグシップモデル「MG 07」のエ ...

続きを見る

中国の工場で「再生」されるフェアレディZやブロンコ、ランドクルーザー
いいのかコレ・・・。ハチロクや空冷ポルシェ911、フェアレディZにランドクルーザー、ディフェンダー。絶版車のボディやパーツが中国工場にて蘇る【動画】

| もはや中国はあらゆる意味において「あなどれない」 | 最新テクノロジーを活用し「絶版車」を蘇らせる 現在の自動車業界において、中国といえば最新の電気自動車(EV)が市場を席巻しているイメージが強い ...

続きを見る

参照:Voyah

->中国/香港/台湾の自動車メーカー
-, , , , , , ,