
| 久しぶり、そして2台目の「M専売モデル」として華々しくデビューしたXMではあったが |
まさかの「一番売れないBMW」に
1978年の伝説的名車「M1」以来となるBMW M専売モデルとして鳴り物入りで登場した超大型プラグインハイブリッドSUV「BMW XM」。
異彩を放つデザインと圧倒的なパフォーマンスで(デビュー当時こそ)大きな話題を呼んだものの、早くもその未来に大きな黄色信号が点灯することに。
報道によれば、主要市場における需要の低迷を受け、次世代モデルの開発どころか現行型のフェイスリフトすら見送られ、このまま姿を消すかもしれないという噂が駆け巡っています。
この記事の要約
- 2025年の年間世界販売はわずか7,608台にとどまり、BMWで「最も売れていないモデル」へと転落
- 期待された中国(シェア23%想定)と米国(同26%想定)の両巨大市場で苦戦が続き、直近の販売数も大きく減少
- 通常実施されるマイナーチェンジ(LCI)のテスト車両が目撃されておらず、一代限りで廃止される可能性が急浮上
- 新型EV群「ノイエ・クラッセ」投入に伴うBMW全体のモデルラインナップ見直しとコスト削減の波が直撃

急減する販売台数と二大市場(米中)での誤算
BMWのモータースポーツ部門が手がける独自モデルとして大きな期待とともに市場へ投入された「XM」。
しかし高価格帯PHEVという特殊なポジショニングや独創的すぎるスタイリングが響いて世界的な販売実績は非常に厳しい数字を記録しているとされ、自動車専門誌『Automotive News』などのレポートによると、XMの未来が不透明になっている最大の要因は「中国市場での極端な需要低迷」と「米国市場での失速」にあるもよう。
発売当初、BMWは全販売量の26%を米国、23%を中国が占めると予測していましたが、しかし実際のパフォーマンスはBMWのシナリオから大幅に外れる結果となっています。
数字で見るBMW XMの失速
- 2025年 世界年間販売台数:7,608台(BMWブランド内で最も売れていないモデルに)
- 2026年 上半期世界販売台数:2,816台(前年同期比 22.4%減)
- 米国市場(2025年):1,878台(前年比 4.9%減)
すでに生産終了となったZ4ロードスターの最期期すら下回るペースであり、高額モデルであることを加味してもBMWの採算ラインを満たすのが難しい水準に達している、というのが現在の状況です。

マイナーチェンジ / フェイスリフト(LCI)の気配すらない異例の事態
登場から約4年が経過するライフサイクル中盤であれば、通常は改良型(フェイスリフト)のスパイショットが公道テストで捉えられ始める時期となり、しかし今日に至るまでカモフラージュされたXMのテスト車両は一切目撃されておらず、これはBMWが中間シャッフル(マイナーチェンジ)にコストを投じるのを断念した強力なサインと見られています。
BMW XM 基本スペック比較
BMW XMは、4.4L V8ツインターボエンジンに強力な電動モーターを組み合わせたハイパフォーマンスPHEVシステムを搭載しており・・・。
| 項目 | BMW XM(標準仕様) | BMW XM Label(最上級仕様) |
| パワートレイン | 4.4L V8 ツインターボ + 電気モーター(PHEV) | 4.4L V8 ツインターボ + 電気モーター(PHEV) |
| システム総合出力 | 653 PS (480 kW) | 748 PS (550 kW) |
| システム総合トルク | 800 Nm | 1,000 Nm |
| 駆動方式 | 4WD(M xDrive) | 4WD(M xDrive) |
| トランスミッション | 8速スポーツオートマチック | 8速スポーツオートマチック |
| プラットフォーム | CLARプラットフォーム | CLARプラットフォーム |

開発コストの回収構造と市場での立ち位置
もともとXMのために開発されたV8プラグインハイブリッドのパワートレイン自体については、最新型の「BMW M5」セダン/ツーリングにも流用されているため、メカニズム面でのスケールメリットは確保されているという状態。
しかし個性的な専用ボディや巨大な車体設計に対する専用コストを考えると、現在の年間数千台規模の販売ペースでは継続的なモデル更新を正当化することは極めて難しい状況であるとも考えられます。
そしてXMの内外装は「凝りに凝った」ものであり、ホイールセンターキャップすら独自のパーツを使用するなど、とにかくコストが非常にかかったクルマである、という事実が事態をより悪い方向へと導いているようにも思います(そして売れていない原因は、こういった細かいこだわりが「実車を見ないと」わからないからだとも考えられる)。

ちなみにスポーク部分は高級機械式腕時計を連想させる「ブラシ仕上げ」ですが、ここもコストの割に「わかりにくい」ところであり、XMの販売に貢献しにくいところかと思います(実際に見ると素晴らしいクルマであるが、とにかく素晴らしさが伝わりにくい)。
なお、ぼくはXMに対して非常に強い興味を抱いていて、「程度の良い、価格が手頃な中古が出てきたならば」ぜひ手に入れようとも考えていて、つまりXMに対して高い評価を下しているというわけですね。
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BMWの激動期:ブランド全体で加速する「モデル整理」の波
XMが直面している状況は決してXMのみの問題ではなく、BMWは現在、次世代EVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」への移行に向け、過去最大規模の投資とラインナップ再編を断行しています。
姿を消すモデル、集約されるモデル
そして現在、BMWでは不採算モデルや重複するラインナップの整理が急速に進められていて・・・。
- Z4 / 8シリーズ:すでに生産終了または後継なしの方向へ
- i4:新型「i3セダン(ノイエ・クラッセ拠点)」の登場に伴い、将来的な廃止・統合が噂される
- iX:新型「iX5」や「iX7」の登場により、現行iXの立ち位置が曖昧になり整理対象として浮上
限定的なニッチ市場を狙ったモデルよりも、「次世代のEV技術や量販モデルへとリソースを集中させる」という経営戦略が「XMの生息地を奪いつつある」ということになるのかもしれません。

結論
BMW Mのフラッグシップとして大きなインパクトを残した「XM」ではありますが、市場のシビアな要求とBMW自身の電動化戦略の転換により、早くも一世代限りでその歴史を終える可能性が濃厚となっています。
正式な発表はまだ先になる見込みではあるものの、フェイスリフトすら見送られつつある現状を考慮するに、この挑戦的なV8 PHEV SUVを(新車で)手に入れられる時間はそう長く残されていないのかもしれませんね。
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参照:Automotive News











