現在アメリカではセダン(とくにミッドサイズ)不人気が顕著で、SUVとトラックばかりが売れている現状。
とくにFCAではこの傾向が強く、よって売上の芳しくないFCAは当面SUVとトラックに開発リソースを集中させるという方針を打ち出しています。
一方でトヨタ北米の副社長は「2018年にはセダン人気が回復する」と語っており、この背景には「魅力的な新型車が発売される」ことを掲げています。
自社の「カムリ」ほかフェイスリフトを受けるホンダ・アコード、日産アルティマなどこのクラスの人気モデルが軒並みリフレッシュされることで市場が活性化されると考えているようですね。
なお、この「SUV/トラック人気」がどこまで続くのかということですが、まずこのブームの背景にあるのは「原油安」。
シェールオイル採掘によって大幅に原油のコストが下がったことが大きな原因で、これがそれまでの「エコカー、ハイブリッドカー」ブームから状況を一転させた原因と言われます。
加えて米国は日本と異なり原油の産出量が多く、現在は石油の自給率40%くらいだったものが、最近では一気にこの数値が跳ね上がっており、この傾向を見る限り中東の原油価格が上がろうともアメリカ国内のガソリン価格が上昇するとは考えにくそう。
よってSUV/トラック人気は継続すると思われますが、アメリカは未舗装路も多いので、これらについては(日本とはやはり異なり)「実需」もあると考えられ、よってこれらの需要が一気に下がることはなさそうです。
一方日本はというと、80年代から90年台にかけてスペシャルティカーやスポーツカー人気が高まって、その後はミニバンブーム、コンパクトカーブーム/ハイブリッドカーブームがあり、現在スペシャルティカーは虫の息でスポーツカーは一定需要が少ないながらも下支え。
永らく続いたミニバンブームも陰りを見せ、それが実用性の高いコンパクトカー/軽自動車へと移っている感じ。
セダンはというと70-80年代までは市場の主役であったものの一旦は落ち込み、しかし最近になってちょっと持ち直してきた印象がありますね(といってもトヨタ一人勝ちのような状況ですが)。
SUVはいつの時代であっても一定人気があるようで、日本においては「スポーツカー、SUV、セダン」は一定層に支持されており、ミニバンやコンパクトカー、ハイブリッドは一過性のもの、と言えるかもしれません(中古相場が端的にそれを表している)。