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ダッジが「サウンド」のみではなく「ガソリンエンジンのサウンド」を擬似的に(EVにて)再現する特許を出願。「フェイク」に対する考え方は各社各様

ダッジが「サウンド」のみではなく「ガソリンエンジンのサウンド」を擬似的に(EVにて)再現する特許を出願。「フェイク」に対する考え方は各社各様
DODGE

| 正直言うと、ボク自身は「過去は捨てて未来を受け入れて前に進むべきだ」とは考えている |

いずれ失われるものに固執するよりも、新しい可能性を模索したほうがいい

さて、来るべきEV時代に備え、ハイパフォーマンスカーを製造する自動車メーカーは「いかにしてEVに”魂を与えるか”」に腐心しており、トヨタ/レクサスほかいくつかの自動車メーカーは「EVに疑似マニュアル・トランスミッションを搭載する」、そしてまた別の自動車メーカーは「ガソリン車のような疑似サウンド発生機能を搭載する」方向性にて調整を行っていることが報じられています。

そこで今回明らかになったのが「ダッジが、ガソリン車のエンジンの振動を再現した装置をEVに搭載するために特許を出願した」という事実です。

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トヨタ
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アメリカンマッスルもついにEVへ

ダッジはすでに「チャージャー・デイトナコンセプトEV」、そしてその市販バージョンと思われるプロトタイプを公開していますが、これらは「フラッツォニック・チャンバード・エキゾースト(Fratzonic Chambered Exhaust)」と命名された排気システムを(EVにもかかわらず)持つとされ、そして今回出願された「アクティブ・バイブレーション・エンハンスメント(振動強化装置)」はこれを補完する役割を持つものと思われます。

なお、今回の出願においては、「アクティブ・サウンド・エンハンスメント(サウンド強化装置)」なる別のデバイスと連動してその効果を最大化することについても触れられていますが、これら2つのシステムは高度な信号プロセッサと連携し、モーター回転数、車輪の回転速度、加速度、トルクなどのリアルタイム運転データを「乗員が聞いて、感じることができる感覚へ」と変換するもの。

要はこれによってアメリカンマッスル特有の「デロデロ」というサウンド、そして振動を伝えるということになりそうですが、もしかするとシフトチェンジ、そしてクラッチが切れてまた繋がる際の「ブル」っとした振動までも伝えることになるのかもしれません。※ダッジは「eRuptマルチスピードフェイクトランスミッション」の採用についても言及している

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ダッジが公式SNSにて「次世代チャージャー」試作車を公開。チャージャー・デイトナコンセプトEVを踏襲したルックスに、そしてシャープな顔つきへ
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こういった「フェイク」機能は過渡的な機能だと思われる

これら「擬似的にガソリンエンジンやトランスミッションを再現する機能」について、なかなかに面白いと思う反面、「何回か使ってみたら、その後はもう使わないだろうな」というたぐいの機能だとも考えていて、そして実際に多くの人が「そう」なのかもしれません。

加えて、あと10年以内には「EVしか乗ったことがない人」が結構な割合で出てくるものと思われ、そういった人々にとって、こういった「フェイク機能」はウザイ装備以外の何ものでもないのかもしれず(ぼくらが”扱いづらい”昔のレーシングカーのシフトフィールやエンジンフィールを求めないのと同じなのかもしれない)、おそらくはハイパフォーマンスカーのパワートレーンが「ガソリンからエレクトリックモーターへ」と切り替わってゆく過渡期にのみ存在する機能なのでは、と考えています。

さらに言えば、数十年先の自動車エンジニアたちは「ガソリン車なんか見たことがない」という状況となることも考えられ、そういった未来を頭に入れつつ、EV時代にも自動車を楽しむことができる、そしてEVにしかできないことを考えていったほうが健全かつ建設的なのかもしれませんね。

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参照:CARBUZZ

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